春の海風と自然を感じる、ゆったり八丈島の旅へ
heart

120

春の海風と自然を感じる、ゆったり八丈島の旅へ

東京から南へ287kmの太平洋に浮かぶ八丈島は、伊豆諸島の最南部にある人口約7300人の島です。 八丈富士と三原山のふたつの火山の間にある谷に空港や集落があり、海に森にとお楽しみどころが盛りだくさん。2月には朱色のアロエ、3月にはカラフルなフリージアや可憐なオオシマザクラなどの花が咲き、暖かな春のいぶきを感じられます。 八丈島で穏やかな日差しと爽やかな海風に触れたなら、うきうきと心弾ませて春を迎えられそうです。

TAMASHIMA.tokyoサイトはこちらから

arrow
leaf

木漏れ日あふれる森のカフェで、の〜んびりと

image

標高700メートルの三原山は10万年以上前に誕生した場所。深く、静かな森に癒される。

八丈島は長崎県佐世保市や高知県の室戸岬と同緯度にあり、年間を通して温暖で湿度が高いのが特徴です。2〜3月の平均気温は高いほうで12〜15℃くらい。森の中でだって、陽が射せばぽかぽか陽気に包まれます。 羽田空港から飛行機に乗り、朝の一便で到着したならまず、「自然ガイドサービス 椎 」ガイドの大類由里子さんと待ち合わせて島の東側にある三原山方面へ。 途中、神社に立ち寄り山から湧き出る清らかな水を汲んでから、緑濃き三原山の自然の中を歩きます。ガイドの大類さんは八丈島の海から山までの自然を知る達人。地形や植生など、丁寧に教えてくれます。 お楽しみは、森カフェ。森の中に腰をおろし、先程汲んだ水を使ってホットサンドやおしるこをつくります。今回は、岩盤を流れる水路にできる穴「ポットホール」のそばでのすてきなランチタイム。水の音が、気持ちいい。

image

しいたけなど島内の材料をつかったホットサンドのランチが人気。汲んできた八丈島の清らかな水で淹れたコーヒーを飲めば、心も体も島になじんでいく。

spot

自然ガイドサービス 椎

シゼンガイドサービス シイノキ

leaf

自然からの授かりものをかたちにして

image

天然素材の染めと織は鮮やかなまま、家族に代々伝えられるものとして珍重されてきた。

鮮やかな黄色に黒や鳶色の格子柄が印象的な絹織物、黄八丈。森を歩いた際に見た、八丈島に自生するコブナグサ、シイノキ、タブノキのほか、ヤブツバキの葉を刈り取って染料や媒染液をつくり、それぞれ20〜40回ほど丹念に絹糸を染めてやっと織り機で織ることができる希少な織物です。 そんな黄八丈の製作工程を見学できる「黄八丈めゆ工房」は、東京都指定無形文化財技術保持者であった故山下めゆさんが開いた工房です。今では島に一軒しかない貴重な染織元だけに、ここでしか見られない、触れられない、本物の美しさに目を奪われてしまうはず。

image

今も現役の江戸時代の機織り機を使って織る山下誉さん。重しに玉石が使われているのが八丈島らしい。

spot

黄八丈めゆ工房

キハチジョウメユコウボウ

leaf

自分でつくる、黄八丈のアクセサリー

image

所要時間は1時間程度。スワロフスキー、天然石など自分好みのビーズと組み合わせてピアスまたはイヤリングをつくる。

着物は高価ですが、アクセサリーなら気軽に手に入れられそう。「雑貨屋ラミ」では、黄八丈の糸でつくったストラップやブレスレット、ピアスを販売しています。 オーナーの松本恭子さんは、黄八丈の着物を持っていても袖を通す機会があまりなく、もっと手軽に身につけられないかと模索していたところ、偶然知り合いからもらった糸でアクセサリーにすることを思いついたのだとか。 せっかく訪れたのなら、本物の黄八丈の糸を使ってピアスやブレスレットを自分でつくってみてはいかが? 事前に黄八丈アクセサリーづくり体験に申し込んでおけば、マンツーマンで教えてもらえます。

image

こちらは、販売しているもの。タッセルピアス、ストラップ、ブレスレット、ミサンガなどがある。

leaf

1日の終わりに、海辺で深呼吸をするひととき

image

岩に打ち付ける波、吹き抜ける風、黒々とした玄武岩。八丈島が火山の噴火によってできた島だということを実感する場所。

夕暮れどきは、「南原千畳岩海岸」へ。八丈富士が噴火した際に流れ出た溶岩が海にそそぎこみ、黒く、ゴツゴツとした玄武岩の岩場をつくり上げました。 長さ500mほどの範囲の岩場を歩いてみたら、真っ黒に固まった溶岩流と大海原が広がる島ならではの絶景に、地球の胎動を感じることができるでしょう。 八丈小島に沈む夕日を眺めたら、深呼吸をして島の1日は終わります。

spot

南原千畳岩海岸

ナンバラセンジョウイワカイガン

leaf

2日目は、朝からはしご湯

image

末吉エリアにある「みはらしの湯」は、露天風呂から眼下に見渡せる雄大な風景で人気がある。行くなら朝一番、もしくは星空のタイミングを狙って。

島の南東部の「坂上(さかうえ)」と呼ばれる樫立・中之郷・末吉地区は、温泉の宝庫。島にある7ケ所の温泉施設がすべてここにあります。中には無料のものもあり、水着を持参しての温泉めぐりは八丈島ならではの自然を感じる「はしご湯」となりそう。 車があるなら、最初に行った場所で1日周遊券を購入すると有料の温泉施設4ケ所に入れますが、もし車がなくても、路線バス乗り放題で島湯めぐりのできるチケット「BU・S・PA」があります。2日間温泉入り放題なので、道中に宿泊地を決めて回ってもいいですね。 海沿いの温泉施設では、運がよければクジラを見られることもあるとか。

image

「裏見ヶ滝温泉」は無料で入れる温泉。男女混浴なので水着着用で入浴する。そばに滝があり、気持ちがいい。

leaf

春が旬のトビウオ、生でもくさやでも

image

写真はくさや加工で知られる藍ヶ江水産の工場内 にある『地魚干物食堂』のトビウオの干物とランチの「地魚の漬け丼」。毎日くさや液を撹拌しているので、食べやすい。

八丈島の春の味といえば「八丈春とび」です。産卵期に合わせて伊豆諸島あたりの海域にやってくる世界最大級のトビウオ、ハマトビウオ。その中でも八丈島で水揚げされたものを、そう呼んでいます。八丈島では、新鮮なものを刺身やたたきでいただきます。ふっくらとした身と淡白な味わいは、老若男女問わず多くの人に人気。その甘みのある旬の味わいを知ってしまったら、滞在中、毎日でも食べたくなるはずです。 特に八丈島を代表する発酵食「くさや」にしたトビウオは、あっさりとして食べやすいので、くさや初挑戦の方にもおすすめですよ。

spot

藍ヶ江水産工場内 『地魚干物食堂』

アイガエスイサンコウジョウナイ ジザカナヒモノショクドウ

leaf

明日葉スムージーでリフレッシュして帰途へ

image

明日葉の生葉をたっぷりと使い、八丈島ジャージーヨーグルトドリンクやカシューナッツ、蜂蜜、豆乳と一緒にミキサーにかけてスムージーに。ビタミン豊富で抗酸化作用もあり、食物繊維も豊富。

温泉上がりの乾いたのどには、健康的な飲み物が飲みたい! 島の薬草で抽出するハーブティーや八丈フルーツレモンをふんだんに使ったソーダなど健康志向なメニューを提供する「癒香 大里店」で、オリジナルの「明日葉スムージー」をいただきます。 アロマとヨガのセラピストであるオーナーの玉井由木子さんが、美容と健康を意識したスムージーを開発。3月いっぱいまでは明日葉、4月からは島いちごのスムージーが味わえます。新鮮な地の素材をつかったスムージーを飲めば、温泉でゆるんだ心と体がしゃっきりと元気に再生しそうです。

image

12月中旬から3月上旬の八丈フルーツレモン収穫の時期には、レモンをたっぷり使ったソーダも。

image

「癒香 大里店」は、大里地区の玉石垣の集落にあり、窓から集落の風景が見える。時間があれば、温めた玉石を使ったセラピーもおすすめ。

spot

癒香 大里店

ユコウ オオサトテン

leaf

フリージア満開の季節に、圧巻の風景を体感しよう

image

春の八丈島といえば、毎年恒例のフリージア祭り。3月下旬には空港そばの八形山に植栽された35万株ものフリージアが咲き誇り、カラフルに島を彩ります。 2020年のフリージア祭りの日程は、3月20日(金)から4月5日(日)まで。八形山フリージア畑がメイン会場です。 会場では、フリージアの摘み取り体験のほか黄八丈の着付け体験、明日葉の八つ橋が食べられる野点体験などが開催され、記事でご紹介した内容と合わせて気軽に八丈島の文化を楽しめます。八丈富士を望むフリージア畑の見事な色彩の中に立ち、ポーズをとったなら、とても素敵な記念写真になりそうですね。花畑では、甘い花の香りに包まれる五感の体験も。 ひと足早い春の訪れる八丈島へ旅立つならば、東京からは空路で50分ほど。渋滞なしの移動です。春の週末は、ゆったり構えてのんびりと八丈島で過ごしてみませんか?

image

今から100年前にフリージア栽培を始めた八丈島。島とフリージアの歴史は長い。

第54回 フリージアまつりの詳細はこちらから→

arrow

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。

TAMASHIMA.tokyo

avatar

山頂から望む真っ赤な夕焼け。クジラやイルカたちが泳ぐ大海原。100年以上の歴史を持つ老舗酒造に、話題のアクティビティも。一度知れば、きっと驚く。 「東京に、こんなすごい場所があったんだ」と。このホームページでは東京の多摩と島の魅力を様々なテーマで紹介しています。

sunshine
pin東京都

の人気記事

sunshine

おすすめ記事

sunshine
pin東京都

× したいことから

他の記事を探す

週末旅温泉旅絶景旅ご利益めぐり街さんぽごほうびいやされるひとり旅日帰り旅ご当地グルメアートさんぽお茶時間アフタヌーンティー洋館・名建築読書雨の日
sunshine

あわせて読みたい

onlinestore
onlinestore
magnifier
アプリでもっと便利に
おすすめスポット90,000件を掲載
あたらしい情報を毎日お届け
季節の景色や名所、おいしいスイーツやグルメ情報などこれからの旅、週末に行きたい素敵なスポットが見つかります♪
point
自分だけの旅行・おでかけ
情報がみつかる
map
気になるスポットを
お気に入り登録
これから行きたいスポット情報や記事投稿を
クリップしてあなただけのリストを作れます。
search
便利な検索機能で
行きたい場所が見つかる
旅行前の情報収集で使える観光エリア、
ジャンル、ハッシュタグ検索から、
今いる場所から周辺の見どころや
カフェを探せる現在地まで
役に立つ検索機能がたくさん。
passport
電子書籍が手軽に読める

ことりっぷガイドブック・マガジンの
電子書籍版の購入ができます。
旅行・お出かけ中にさくさく閲覧♪
月額400円で120冊以上が
読み放題になる「ことりっぷpassport」も。
point
旅の思い出を共有、
旅好きユーザーとつながる
photo
かんたんに
思い出の写真を投稿
旅先のとっておきの瞬間や、
お気に入りのスポットをアップすることができます
app
さぁ、あなただけの
小さな旅を
見つけましょう♪
ios_download