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この世とあの世を行き来した!?小野篁が開いた閻魔様をお祀りする京都・西陣のお寺「千本ゑんま堂」

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この世とあの世を行き来した!?小野篁が開いた閻魔様をお祀りする京都・西陣のお寺「千本ゑんま堂」
京都・西陣の地に、閻魔様をご本尊としてお祀りするお寺があります。
千本通にあることから、「千本ゑんま堂」として、地域の人々に親しまれています。閻魔様と言えば、そのお顔から恐ろしい印象を抱く人もいるかもれませんが、実は人間にとってはとても身近な存在。閻魔様はこの世とあの世の「間」、地獄と極楽の「間」におられ、人間界を守護していると考えられているのです。
今回は、そんな閻魔様をお祀りする「千本ゑんま堂」についてご紹介します。

閻魔様に仕えた小野篁が開いたお寺

閻魔様に仕えた小野篁が開いたお寺 かつてこのあたりは葬送の地であり、卒塔婆が無数に立っていたことから「千本通」との名が残る
市バス「千本鞍馬口」から徒歩すぐ、千本通沿いに「千本ゑんま堂」はあります。かつてこの辺りは、京の都のこの世とあの世の接点であったとされる場所。「千本ゑんま堂」とは通称で、正式には「引導」と同じ意味から「引接寺(いんじょうじ)」と言います。
「千本ゑんま堂」のある辺りは、閻魔前町との名前がついていることからも、地域に親しまれたお寺であることが分かります。
毎年8月の「お精霊迎え」や大晦日の「除夜の鐘」では、鐘を撞くことができる
この地に閻魔様をお祀りし、お寺を開いたのは歌人としても知られる小野篁(おののたかむら)。この世とあの世を行き来したという伝説が残る人物です。昼間は宮中に仕える一方、夜は閻魔様に仕え、先祖をこの世に迎える「精霊迎えの法」を授かったと言います。これは現在のお盆の文化へとつながるもの。その根本道場としてお堂を建て、閻魔法王像を安置したのが「千本ゑんま堂」の始まりです。

本当はやさしい閻魔様

本当はやさしい閻魔様 毎年5月には京都三大念佛狂言のひとつ「ゑんま堂狂言」が上演される
閻魔様はこの世とあの世の間、地獄と極楽の間を取り仕切る存在。一方で、人間は天と地の「間」に存在することから、閻魔様は人間を司る存在であるとされます。死者の行先を決める裁判長的存在であり、人間を地獄道、餓鬼道、畜生道の三悪道に行かせまいとするやさしい気持ちから、その怖さを伝えるため、一見恐ろしい表情をしているのだとか。とりわけ「千本ゑんま堂」の閻魔様は、京都の都を守る存在でもあるのだそう。
本堂にはご本尊である閻魔法王を中心に向かって右に司命尊像、左に司録尊像がお祀りされています。通常非公開ですが、毎月16日の「ゑんまさまの日」には、特別にお参りすることができます。

あの世で不遇な扱いを受けた紫式部を供養

あの世で不遇な扱いを受けた紫式部を供養 堀川通にある紫式部の墓は小野篁の墓と隣り合っている
境内には、紫式部の供養塔があります。これは、式部の子孫とも言われる圓阿上人が見た夢に由来。壮大な物語「源氏物語」の中に実在名で「嘘」を書いたことから、「嘘をつくものは地獄に落ちる」という仏教の中に戒めによって、式部はあの世で恵まれない待遇を受けている、というのです。それを不憫に思った圓阿上人が、供養のため建てたと伝わります。

春には桜の名所としても知られ、花冠のまま椿のように落ちる珍しい「普賢象(ふげんぞう)桜」が咲き誇ります。この地にはたくさんの桜が咲いたことから、「千本」の由来を今に伝える桜であるとも言われています。特に供養塔の周辺を彩るように咲き誇り、まるで桜も式部を供養するかのようです。

境内にある紫式部の供養塔

ユニークなおみくじが人気

ユニークなおみくじが人気 愛らしい「ゑんま様おみくじ」(600円)
授与品も充実しており、なかでも閻魔様のおみくじはその愛らしさで人気があります。
閻魔様の置物の中におみくじが入っており、底の紐を引くと取り出すことができます。悪いものから守ってくれそうな凛々しいお顔の閻魔様は、持ち帰ってお守り代わりにしても良いですね。
小さいけれど精巧なつくりの「扇子おみくじ」(300円)
他にも扇子のかたちをした「扇子おみくじ」は、開くと扇面に運勢が書かれています。キーホルダー型になっているので、運勢の良いものはかばんやポーチに付けて持ち歩くのもおすすめです。
閻魔様の存在の大きさを連想させる大きな湯呑
本堂の正面上部には、閻魔様の湯呑「萬倍碗」があり、見事お賽銭を入れることができれば、「万倍」のご利益があるのだそう。ぜひ試してみてください。

閻魔様にお参りして、日ごろの生活や行いを振り返るきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

千本ゑんま堂(引接寺)(センボンエンマドウ(インジョウジ))

京都府 京都府京都市上京区寺之内上ル閻魔前町34 MAP

075-462-3332

境内自由(社務所9:00~17:00)

無休


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文:

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