88
2021.06.17
一つひとつの素材にこだわって作る至福の甘味。押上「あんみつの深緑堂」
押上にある「あんみつの深緑堂」は、和の甘味が楽しめる甘味処です。 看板メニューは店名の通り、1日50個限定の「あんみつ」。ジューシーなあんずや食感の良い寒天、もちっと弾力のある白玉など、あんみつを構成するトッピングの一つひとつにこだわっています。
“その日使う分だけ”を丁寧に手作りする、甘味の専門店
店名にもなっている、“深緑”色をしたシェードが目印
押上駅から徒歩約10分。「あんみつの深緑堂」は、隅田川へと続く閑静な桜橋通りにある甘味処。店主が吟味した素材から丁寧に作った甘味が評判です。 カウンターと小さなテーブルが2つのこぢんまりとした店内はどこか懐かしく落ち着ける雰囲気。カウンターに座ると、甘味が作り上げられていく工程もライブで見ることができ、ワクワクした気分で待ち時間も楽しめます。
穏やかな時間を過ごせる、和の雰囲気が漂う店内
素材それぞれの良さを引き出した店の代名詞、あんみつ
おしるこもいただける「しるあんセット」(1200円)。おしるこのつぶあんも自家製。あんみつは単品(750円)もあり)
ぜひオーダーしたいのは、ひとつのお碗にたくさんのこだわりが込められた「あんみつ」。みずみずしい半透明の寒天は、つるんとなめらかでみずみずしい歯ごたえ。伝統的な製法で丁寧に皮を取り除いたこしあんや、注文を受けてから茹でる白玉、信州産の干しあんずとくるみが華やかに彩ります。食べてみると、素材それぞれの食感が楽しい驚きを連れてきます。 沖縄の島々で作られた豊かな風味を持つ黒糖を使った黒蜜は、コクのある甘さ。好みの量を絡められるのが嬉しいですね。
サービスのお茶は、京都の老舗茶舗「一保堂」のほうじ茶。甘味によく合う優しい甘さと香ばしい香り
甘いあんことほろ苦い抹茶が相性ばつぐん!抹茶ぜんざい
抹茶も餅と同様に、オーダーを受けてから点てたもの
あんこ好き、抹茶好きなら、ぜひ「抹茶ぜんざい」も食べてみて。 ふくよかに炊かれたあんこに、焼きたてのお餅。別添えの抹茶を回しかけてからいただきます。抹茶ならではの香りの良さとほろ苦さが、あんこのコクのある甘さを引き立て、ぷくっと膨らんだお餅の表面はパリッと香ばしく、良く伸びてあんことの相性もばつぐん。 メニューに合うように、「ぜんざい」には粒あん、「あんみつ」はこしあんと、作り分けているので、あんこの食感の幅を楽しめます。
「抹茶ぜんざい」(10月~4月の期間限定)。うぐいす色の見た目も美しい抹茶
吟味した素材をメニューに合うように手作りで
写真左上:店頭に飾られた原料の天草。一般ではなかなか見ることがない貴重なもの。写真左下:あんこを濾す作業
あんみつのトッピングやあんこなどの材料は、店主の鈴木さんが全国から選りすぐった素材をひと手間かけて調理しています。 あんこは、コトコト煮た後に伝統的な竹ざると馬毛のこし器でしっかり皮を濾してこしあんにします。寒天は、原料となる海藻・天草を産地から直接仕入れ、天草を寸胴鍋で煮て丁寧に手作り。ほかにも、一日に使うぶんだけ作る赤えんどう、ふっくら優しい口当たりにするため水で戻したあんずなど、おいしさを追求したこだわりが散りばめられています。
四季を映した、期間限定の甘味もお楽しみ
春限定の「桜あんみつ」(800円)
季節限定のあんみつも登場します。冬には「柚子と生姜の冬味あんみつ」、春の「桜あんみつ」など、旬を映したメニューがいただけます。 夏は「冷やし白玉ぜんざい」が登場しています。ぜひお店でチェックしてみてくださいね。
あんみつは手みやげにも♪
「お土産あんみつ」(550円)には、白玉のかわりに求肥が入る
あんみつは、テイクアウトもOK。家で待つ家族や、友人宅への訪問に、手みやげとして渡せば、おいしさの共有できて会話もはずみそう。 天気が良ければ、店を出て右に進むと見えてくる隅田川の堤防のベンチでのんびりと食べるのもいいですね。甘味のおいしさを再確認できる「あんみつの深緑堂」を訪れてみませんか。
あんみつの深緑堂
アンミツノシンリョクドウ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
朝光洋理 撮影:小林利穂
の人気記事