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2021.06.18
【プレゼントも】思わず一首詠みたくなる!歌人・俵万智さんと巡る宮崎県日向市「短歌旅」
日本中を旅して短歌を詠んだ歌人・若山牧水の出身地である宮崎県日向市。山や海などの自然の豊かさ、国生み神話などの深い歴史といった魅力あふれるこの地には、短歌の文化が根付いています。万葉の時代から気持ちを伝える表現として続いてきた短歌ですが、現代でもSNSなどを通じてまた注目を集めています。 色々な葛藤があるときだからこそ、自然と一首詠みたくなるような景色や体験に溢れる地・日向を巡り、自分の想いや素直な気持ちを短歌に残してみませんか? 記事の最後には素敵な商品がもらえるアンケート&プレゼントキャンペーンも♪ぜひ応募してみてくださいね。

日向市と短歌の関係とは?

日向市の小学生は若山牧水のことを「牧水先生」と呼ぶそう。幼い頃から短歌に触れる土壌がある
宮崎県日向市は、教科書にも歌が採用される歌人・若山牧水の出身地。若山牧水は、日向の美しい自然や風景に囲まれて育ち、その中で歌を詠む心も育みました。彼は恋心や郷愁など、自分にはどうにもできないやるせない気持ちを生涯かけて短歌に昇華させた歌人でした。日向には、そんな若山牧水の短歌や文化が長く受け継がれており、全国規模の高校生の短歌大会「牧水・短歌甲子園」の開催や、短歌文学の分野で傑出した功績を挙げた者に贈られる「若山牧水賞」の受賞者による記念講演会など、短歌活動の拠点にもなっています。 今回は、現在日向市で行われている「ヒュー!日向 ヒュー!短歌」キャンペーンのために作られた、日向の地を題材にして詠んだ短歌とイラストのポスターもご紹介しながら、日向市の名所を巡っていきます。 ガイド役は、過去に「若山牧水賞」の受賞歴があり、「牧水・短歌甲子園」の審査員でもある宮崎県在住の歌人 俵万智さん。ご自身の日向での経験も交えつつ、日向市の景色や文化、短歌づくりのポイント、今回の「ヒュー!日向 ヒュー!短歌」キャンペーンのポスターや短歌を見て感じたことをお伺いしました。


【日向岬】悠久の自然が創り出した絶壁から臨む美しい海

願いが叶うクルスの海
自然が作り出した海岸線のダイナミックな美しさで知られる「日向岬」。馬ケ背の先端にある「日向岬展望台」に立つとはるか遠い水平線を見渡せます。十字の形をした「クルスの海」は、十字架のような入り江。訪れると、願いが叶うというロマンチックな言い伝えもあります。

日向岬展望台を詠んだヒュー!短歌はこちら

岬にて 見つめる先に 誰がいる 一周まわれば わたしがいるけど
俵万智さんコメント
・短歌ワンポイントアドバイス
丸い水平線が見える景色は心がひろびろします。絶景スポットで短歌を詠むときは、波の様子、風の感じなど気になったことを言葉にしておくと、その言葉を手がかりに風景がよみがえります。

【日向岬・立ち寄りスポット】小さなパン屋さん「グラム」

開店前に行列ができることもある「gram」。総菜系からデザートになるパンまで種類も豊富
散策がてら、ピクニック気分でおいしいパンのランチやおやつはいかが? こぢんまりとしたパン屋「グラム」には、国産小麦や体に優しい素材を使用し、天然酵母や長時間低温熟成した生地で焼き上げるパンが並びます。おすすめ商品は「あんバター」(180円)。低温熟成のソフトフランス生地に北海道産のあんことバターがサンドされています。 店主の黒木さんに馬ケ背の景色について伺うと、「岬の最先端から見下ろす海原の大パノラマはまるで空を飛んでいる気分に。日の出も美しく、初日の出も人気です」と教えてくれました。

gram
グラム

【美々津】古事記の神話にもその名が残る港町

美々津重要伝統的建造物群保存地区
日向神話の舞台にもなっている海沿いの町・美々津は、日向の国から、初代天皇となった神武天皇が東へ旅立ったとされるお舟出伝説が伝わる場所。江戸から明治にかけての町屋が多く残る「美々津重要伝統的建造物群保存地区」として景観が守られています。海の交易の拠点となり栄えた港町に残るのは白壁土蔵の建築群。風情ある町並みはのんびり歩きたくなります。
美々津
ミミツ

美々津を詠んだヒュー!短歌はこちら

神様が 勇気を出して 船出した 美々津で私は 何を始めよう
【俵万智さんコメント】
・美々津のおすすめポイント
町全体がきれいに保存され、タイムスリップしたような感じで散策が楽しいです。おしゃれなお店もあり、東京から短歌仲間が来たときに案内しました。また、牧水が初めて海を見たのは美々津。山奥で育った牧水が、山の上から見えるキラキラ光る海に憧れていたという感慨深いエピソードもあります。

【美々津・立ち寄りスポット】「雑貨&カフェ民」でひと息

「抹茶ぜんざいとお茶のセット」(660円)
ひと休みには、築120年の古民家を利用した「雑貨&カフェ民」へ。カフェでは素材にこだわった甘味やランチのほかに季節限定メニューがいただけます。 ショップスペースには「季節の手ぬぐい」(1100円~)をはじめとする和雑貨や自然素材を使った衣料品など、手仕事の温もりを感じるアイテムが並びます。陶芸や金継ぎのワークショップ、2階のギャラリーで月替わりの展示といったイベントも行われているのでぜひチェックしてみて。 美々津では、近くの海や河口といった自然と、歴史的な町並みのなかでゆったりとした時間を過ごせますよ。
雑貨&カフェ 民
ザッカアンドカフェミン

【お倉ヶ浜】日本中から波乗りが訪れる美しい砂浜

お倉ヶ浜海水浴場
「日本の渚・百選」に選定されているお倉ヶ浜は、日本有数のサーフポイントとして知られる海水浴場。温水が出るシャワー室やロッカーを備えたビーチハウス、海岸前の広い駐車場といった利便性も抜群とあって、全国からお客さんがやってきます。遠洋まで見通しの良い砂浜では、美しい日の出を眺めることができますよ。

お倉ヶ浜を詠んだヒュー!短歌はこちら

この広い 浜辺のどこかに きみがいる 波が前より やさしく聞こえる
【俵万智さんコメント】
・お倉ヶ浜のおすすめポイント
きれいな朝日で知られるお倉ヶ浜。歌人仲間におすすめされた「大御神社」にもぜひ行ってみたいです。
・短歌ワンポイントアドバイス
短歌を詠むときは、そのとき見た風景と歴史に想いを馳せながら言葉に落とし込むと良いですよ。

【お倉ヶ浜・立ち寄りスポット】日向のお伊勢さま「大御神社」

写真左上は、国内最大のさざれ石群。「神坐(かみくら)」と名付けられた、さざれ石の前はパワースポットとされている
神話に登場する、天照大御神をご祭神とする「大御神社(おおみじんじゃ)」。創建は古く、この地への天孫降臨の伝承も残されています。境内では、縄文時代からの龍神信仰を伝える「龍の玉」と呼ばれる遺跡や、地球のエネルギーが長い時間をかけて固まった柱状岩やさざれ石の景観を見ることができますよ。

【東郷】山に川、滝など地形にも富んだ自然豊かなエリア

若山牧水の歌碑
標高438メートルの低山・冠岳では初心者向けの整備道でハイキングを楽しめます。春の山桜、秋の紅葉など、四季ごとに異なる表情豊かな自然に気分もリフレッシュ。東郷エリアは自然が豊かで、落差が約30メートルある観音滝や、山麓を流れる坪谷川や耳川を見晴らす景色も美しい眺めです。
若山牧水生家
ワカミヤボクスイセイカ

東郷を詠んだヒュー!短歌はこちら

ふるさとは 生まれた場所とは かぎらない 帰りたくなる 場所がふるさと
【俵万智さんコメント】
・東郷のおすすめポイント
牧水の生家や記念文学館を何度も訪れています。牧水ファンにとっては聖地のような場所で、野山の美しさを感じながら、海への憧れが募る気持ちもわかるようでした。地元の山菜や東郷名物の「山太郎(やまたろう)蟹」を使った「蟹まき汁」がとても美味しかったです。

【東郷・立ち寄りスポット】歌人の聖地「牧水公園」
起伏に富んだ地形の広大な園内をゆっくり散策して
歌人・若山牧水の生家の近くにある「牧水公園」。テニスコートや多目的グラウンドなどのスポーツ施設から、坪谷川を利用した夏季限定の河川プール、キャンプ場までもあり、一日を通して楽しむことができます。 園内にある「つつじ園」には7種類、約3万本のつつじが植えられています。例年4月中旬の見ごろに合わせて開催される「春のつつじ祭り」は多くの観光客でにぎわいます。
牧水公園
ボクスイコウエン

【へべす】地元で愛される、風味豊かな特産柑橘を味わう
ドリンクに混ぜるほか、肉や魚介に振りかけると料理のおいしさが引き立つ
日向市の在来種の果実「へべす」は、すだちやかぼすとよく似た見た目の柑橘です。 漢字では「平兵衛酢」と書き、今から180年ほど前、長曾我部平兵衛さんが見つけたことから、へべすと名づけられました。ほどよい酸味とさわやかな香りで、ビタミンCが非常に豊富。食事に取り入れると、フレッシュなアクセントが加わります。

へべすを詠んだヒュー!短歌はこちら

みんなには 教えたくない 教えたい へべすの味で きみを思い出す
【俵万智さんコメント】
・へべすのおすすめポイント
主張しすぎない爽やかな酸味がさまざまな食材に合い、柑橘系の中でも特にお気に入りです。焼酎にもよく合いますし、さっぱりした風味の「へべすうどん」や、へべす入りの白あんを練り込んだお菓子も大好きです。
・短歌ワンポイントアドバイス
私自身も食の歌が多いのですが、そのとき感じた味を言葉にし、短歌にすると、写真では記録できない思い出を残すことができます。

【へべすを味わうなら】馬ヶ背茶屋限定の「へベすソフト」

「へべすソフト」(300円)温暖な気候の日向の旅のお供にぴったり
生の果実は初夏から出回りますが、観光中に地元でぜひ味わってみたいもの。「馬ヶ背茶屋」で大人気の「へベすソフト」は、ソフトクリームのなめらかで甘い味わいの中に、へべすの軽やかな酸味を楽しめます。 店内で扱う「へべすジュース」(130円)「へべすぽん酢」(454円)「日向へべすのおいしいお酒」(1130円)はおみやげにもぴったり。時期が合うなら果実そのものもおすすめ。例年6月から7月にはハウスものが、8月から11月上旬までは露地ものが販売されています。
馬ヶ背茶屋
ウマガセチャヤ

短歌は気持ちひとつですぐに始められる表現方法です
俵万智さんに、短歌初心者に向けて詠むヒントをもらいました。 「短歌は、5・7・5・7・7以外の難しいルールはなく、道具も不用だしお金もかからないので、手軽で身近な表現方法です。定型があるため、なんとなく窮屈に思われがちですが、短歌の良さは形があるからこそ。どの言葉を残すべきかと考えることのきっかけになり、気持ちを端的にまとめられ、心が整理できます。難しく考えずにぜひチャレンジしてくださいね」 短歌にゆかりのある日向の地を訪れて、素直な気持ちを歌に残してみませんか?いつか見返すと旅の情景が浮かび、写真とはまた別の気持ちがよみがえってきますよ。

【ヒュー!日向 ヒュー!短歌】歌人・若山牧水をテーマにした楽曲の配信も

配布パンフレットイメージ
今回のキャンペーン「ヒュー!日向 ヒュー!短歌」のイラストは、村上春樹の装画も手掛けた台湾のイラストレーター・漫画家の高妍(Gao Yan)さんが描いたもの。また、ミュージシャン・トクマルシューゴさんが楽曲を書き下ろし、アニメーション監督に平岡政展(ひらおか・まさのぶ)さんを迎えたMV(ミュージックビデオ)も配信します。歌人・若山牧水をテーマに、短歌の街・日向に生きる今の若者の心がリンクする瞬間を描いているそう。心が沈みがちになることも多い時代に、自分ではどうにもできない気持ちを自分だけの短歌に込めて詠むことで、この日々をかけがえのないものにしてもらいたい、そんな想いが詰まっているMVです。短歌を身近に感じ、日向市を旅する気分でご覧くださいね。 「ヒュー!日向 ヒュー!短歌」のガイドブックも日向市内の各スポットで配布されます。日向を旅しながら、冊子の空白に自分で短歌を書き込んで、世界に一つだけのパンフレットを作成しましょう。

【アンケート&プレゼント】抽選で5名様に「ヒュー!日向 ヒュー!短歌」キャンペーンオリジナルグッズをプレゼント♪

アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で5名様に「ヒュー!日向 ヒュー!短歌」キャンペーンオリジナルグッズをプレゼントいたします。みなさまのご応募をお待ちしております♪ 賞品:「ヒュー!日向 ヒュー!短歌」キャンペーンオリジナルグッズ 応募期間:~7/11(日)まで 賞品の発送:7月下旬 ※当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。
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ことりっぷ編集部
ヒュー!日向 ヒュー!短歌

若山牧水が生まれ、短歌を詠む心を育てた美しい日向。素朴な大自然に恵まれたこの大地には、思わず一首詠みたくなるような、景色や体験があふれています。あなたもぜひ日向を旅しながらこのパンフレットの空白に短歌を書き込んで、世界にひとつだけのパンフレットを作ってみてください。
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