
43
2021.07.04
建物のレトロな情緒を楽しめるカフェ、能登半島・能登町「水上診療所」
能登は海のイメージが強いかもしれませんが、実り豊かな里山も、能登の魅力です。 宮地地区は、昔話に出てくるような懐かしい風景が残っている場所のひとつ。そこに残る元診療所だった木造の建物が、カフェ「水上診療所」として生まれ変わりました。
のどかな里山風景に溶け込む木造の建物をカフェに

小高い場所にある「水上診療所」。そばには大きな木蓮の木が
「水上診療所」がある宮地は、のと里山空港から車で15分ほどの場所にあります。周辺には農家民宿「春蘭の里」があり、田園風景のなかに昔ながらの民家が点在。まさに“里山”といった温かくのどかな空気が流れる場所です。 オーナーの河崎麻美さんは、加賀市出身。知人を介して、この建物に巡り合いました。40年ほど放置されていたという建物は、「水上診療所」という名前の通り、診療所だったもの。病院だった頃の面影がそのまま残っており、ほとんど手を加えることなく、カフェとしての「水上診療所」がスタートしました。

調剤室や診察室などのプレートは、今とは違い、右から左へ文字が書かれている
古めかしい扉を開けると、そこには当時のままの受付や調剤室、診察室が。 旧字体の表記や、昔ながらの調度品。築100年にもなるこの建物は、隅々まで長い年月を感じさせる雰囲気が漂い、映画のセットに迷い込んだような気分にさせてくれます。
ボリュームたっぷりのランチプレートをいただきます

日替わりの副菜やデザートが付くランチプレート1500円
ランチプレートは、カレーライスが主役。オーナーの河崎さんは「野菜を刻むのが大好き」とのことで、だいたい10種類の野菜をたっぷりと刻んでカレーに入れるのだそうです。みじん切りの野菜の旨みが閉じ込められたカレーは、甘みとコクを感じる滋味深い味わい。ワンプレートに溢れんばかりのボリュームは、食べ応えも申し分ありません。

診察室は、キッチンでもあり客席でもある
ランチプレートは無くなり次第終了ですが、ほかにホットサンドプレートや「いつでもモーニングプレート」なるメニューも。モーニングという名前が付いてはいますが、何時に行っても食べられるので、ランチが売り切れていても安心です。 「お店が12時からオープンなので、全然モーニングじゃないんですけどね」という河崎さんですが、そんなおおらかさも、このカフェの居心地よさの理由かもしれません。

オーガニックのカフェインレスコーヒー400円
能登という土地の魅力を教えてくれる場所

オーナーの河崎さん。近所の人たちや、カフェを訪れる人たちとの関わりを大切にしている
以前はアパレルなどの仕事をしていたという河崎さん。知り合いを通じて出会ったこの場所の、空気のきれいさや自然の豊かさを気に入って移住を決意しました。最初からカフェを開こうと思っていたわけではなく、たまたまこの建物を紹介されたことから、カフェ経営を思いついたそうです。 河崎さんにとっては、この場所の自然だけではなく、住む人たちも大きな魅力。「近所の人たちが野菜をくれたり、気にかけてくれたりすることがうれしい」と話します。 自分自身も暮らしを楽しみつつ、カフェを通じて宮地の良さを伝えたいという思いから生き生きと働く河崎さんの姿に元気をもらえます。
セラピストでもある河崎さんは、レイキヒーリングや音叉を使ったボディメンテナンス、オラクルカードのリーディングなどもおこなっているので、気になる人は事前に予約・問い合わせを。 単にカフェというだけでなく、心のデトックスやリフレッシュを楽しめるスポットです。

水上診療所
ミズカミシンリョウジョ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
中川瑶子 写真:黒川博司
の人気記事









































