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2021.09.09
飛騨の秋とクラフトをめぐる、心温まる岐阜の旅へ
岐阜県飛騨地方は、古くから「飛騨の匠」と呼ばれる木工職人が活躍し、木工クラフトの産地として有名です。面積の9割以上を森林が占め、秋になると山々が鮮やかに色づきます。趣ある古い町並みを散策しながら、家具や雑貨を探してみましょう。周辺には美人の湯として人気の下呂温泉、合掌造りで有名な白川郷などがあり、ドライブしながらめぐるのがおすすめですよ。
【飛騨古川エリア】城下町の面影を残す情緒豊かな町を歩いて
瀬戸川沿いが紅葉するのは11月以降。白壁土蔵街周辺には「飛騨古川まつり会館」や「飛騨の匠文化館」などがあり、古い町並み全体を歩いてめぐることができる
飛騨高山の奥座敷と称され、飛騨に残るもう一つの古い町並みとして知られる飛騨古川。 町の中心を流れる瀬戸川沿いに出格子の家屋や白壁土蔵が並び、町の象徴として親しまれています。瀬戸川には春から秋にかけて鯉が泳ぎ、その数は約1000匹。ぜひ餌やりをしながら散策してみましょう。
瀬戸川と白壁土蔵街
セトガワトシラカベドゾウガイ
明治期に移築された古民家でひとやすみ「壱之町珈琲店」
築100年を超える古民家がカフェに
明治中頃、飛騨市に移築された町家をカフェへ活用した「壱之町珈琲店」。20年前の開店時、地元職人が造った家具は風合いが増し、手作りメロンパンやスペシャルティコーヒーを味わいながら、ゆっくりとくつろげます。
(左)1日10食限定、国産小麦粉のメロンパン220円。地元産牛乳「牧成舎」の牛乳を注ぐ氷コーヒー480円(右上)牧成舎アイスクリーム450円、スペシャルティコーヒー430円(右下)テーブル席や座敷席がある
壱之町珈琲店
イチノマチコーヒーテン
飛騨の広葉樹を生かした、ずっと愛せる家具づくり「kino workshop」
「くるみの椅子」56000円
飛騨古川の古い町並みからさらに山に入ると、家具職人夫婦が猫3匹と暮らすギャラリー併設の工房兼住宅「kino workshop」があります。地元の広葉樹をはじめ、近隣の山から原木を買い、製品へ加工するまでを一貫して手がけているそう。木の表情や形を見極めながら、端材まで活用して生み出す家具や食器がギャラリーに並びます。 特に好んで使うクルミ材は、あたたかみのある色とやわらかな肌触りが特徴で、使うほどに味わい豊かに。ガラスや陶器作家との共作にも意欲的に取り組んでいて、店内に多彩な作品がそろっています。工房に不在の場合があるため、事前に連絡するのがおすすめです。
(左)実際に商品を見て触れながら選ぼう(右上)近隣に棲む鳥をタモ材やクルミ材で表現。「とり皿」各2750円(右下)ガラス作家とコラボしたキャニスター4400円〜
kino workshop
キノワークショップ
【高山エリア】江戸時代の技を受け継ぐ荘厳な町家建築「日下部民藝館」
宮川朝市からほど近く、伝統的な建造物が並ぶエリアに位置
高山の古い町並みに建つ「日下部民藝館」は、もとは飛騨を代表する豪商の旧家屋。建物は1879(明治12)年、名工川尻治助が江戸の建築様式を踏襲し、切妻造りの2階建て、一部吹き抜けの総檜造りで仕上げたものです。囲炉裏や仏壇が残る屋内すべてが民芸館として公開され、古美術品が並ぶ文庫蔵まで見応えたっぷり。
(左)1966(昭和41)年に国の重要文化財に指定されている(右上)ギャラリーショップで販売される木版手染めぬいぐるみ各1100円(右下)邸内ではジャズイベントなども開催
日下部民藝館
クサカベミンゲイカン
椅子張り技法で仕上げる、バッグや文具がずらり「kinari-ten」
古民家をリノベーションした店舗
家具を受注製作するご主人と、家具メーカーで椅子張り技術を学んだ奥さまの工房「キナリ木工所」のギャラリーショップには、2人の技術を融合させたオリジナル雑貨が充実。家具用の国産ナラ材を底に使い、椅子の座面用生地や特殊ナイロンを張り合わせたバッグ、ペンケースなどが好評で、家具さながらに丈夫で使いやすいと好評です。店には暮らしの道具や古書まで幅広くセレクトされ、10月以降はカフェコーナーが誕生する予定。コーヒーを飲みながら家具の使い心地を確かめたり、本を読んだりして過ごせます。
(左)椅子用生地と家具用のナラ材を組み合わせたペンスタンド2970円(右上)看板猫のシイタケがお出迎え。古書も豊富にそろう(右下)木工はご主人、縫製は奥様が担当
kinari-ten
キナリテン
暮らしになじむうつわと民芸品に出会える店「やわい屋」
高山市街地から車で30分ほど、田んぼの奥にたたずむ古民家
高山市街地から離れた山あいに、築150年の古民家を移築した「やわい屋」。厩舎だった部分を改装した店舗に、店主が信頼する日本各地の作家のうつわや手仕事が生きる道具が集められています。古道具の展示室や屋根裏の私設図書館も居心地がよく、時間が経つのを忘れてしまうほど。店と住居を一体化させた、土地に根ざす店主の暮らしぶりも興味をそそります。
(左)陶芸家・齊藤十郎のランプシェード各15400円(右上)高山市のガラス作家・安土草多の作品も豊富(右下)1階は民芸のうつわの店と展示室、2階に私設図書館がある
【下呂温泉エリア】湯の街通りを散策しながら、秋景色とスイーツめぐり
飛騨高山から車で約1時間。温泉地「下呂温泉」は1000年の歴史を持つ日本三名泉のひとつで、ツルツルすべすべの肌触りから「美人の湯」と呼ばれています。温泉を楽しんだら、下呂温泉発祥の地、湯之島の中心にある「湯の街通り」を歩いてみましょう。 通り沿いにある雑貨とスイーツの店「森のこみち」は、森を再現した店内が幻想的。ドットや花柄の北欧食器が並び、テイクアウトコーナーでは飛騨牛乳100%の手作りジェラートや、飛騨牛入りのカレーパンを味わえます。
(左上)湯の街通りにあるかわいらしい外観が目印(右上)アートパフェ各500円(右下)ポーランドの名窯「セラミカ」の食器が充実(左下)ごろっと飛騨牛カレーパン380円
ドイツ文化と日本の旬を組み合わせたパティスリー「siegfrieda」
(左)モンブラン520円(右上)世界中のヴィンテージ家具を配したカフェ。週末は予約がおすすめ(右下)1日10食限定ミルフィーユ。9月は和栗の予定
ドイツやオーストリアで修業したシェフが営むパティスリー&カフェ「siegfrieda」。素材の風味を引き出すドイツの製法を大切に、伝統的な焼菓子から、地元周辺の牛乳や果物、中津川の栗などを使って独自のスイーツを生み出しています。明治の西洋建築を模した店内で、景色を眺めながら味わってみましょう。
siegfrieda
ジークフリーダ
【白川郷エリア】静かな時間が流れる秋の白川郷へ
茅葺き屋根と紅葉が美しく共演する秋の白川郷
飛騨高山からは車やバスで1時間ほど。ユネスコの世界文化遺産に登録されている白川郷には、114棟の合掌造り家屋が点在しています。秋には黄金色の稲穂やススキ、山の紅葉を背景に、風情豊かな景色を楽しめます。
【岐阜の秋さがし】門前町から続く紅葉が壮観な谷汲山華厳寺へ/揖斐川町
店が立ち並ぶ賑やかな山道をのぼると、華厳寺の玄関口である仁王門が現れる
798(延暦17)年創建、西国三十三所観音巡礼の満願霊場として巡礼者も多い名刹。参道にはみやげ店や食事処が並び、秋は通り沿いの木々が一斉に色づきます。華厳寺の入り口・仁王門から境内すべてが鮮やかな紅葉に包まれ、幻想的な雰囲気に。
谷汲山 華厳寺
タニグミサンケゴンジ
【岐阜の秋さがし】花崗岩ともみじの共演が美しい、鬼岩公園へ/瑞浪市・御嵩町
園内には3つの散策コースがあり、蓮華岩・烏帽子岩めぐりコースの奥には「鬼の一刀岩」と呼ばれる亀裂入りの巨岩がある
飛騨木曽川国定公園の一部であり、数千万年かけて風雨に洗われた巨大な花崗岩が連なる景色を楽しめる場所。起伏に富んだ谷と紅葉のコラボレーションを眺めることができます。散策後は、鬼岩温泉の日帰り湯で疲れを癒やしてください。
いかがでしたか? 飛騨に残る古い町並みと紅葉がおりなす景色や、クラフト工房めぐり、周辺の温泉地や世界遺産を散策して、秋の岐阜の景色を楽しんでみてくださいね。
【終了しています】抽選で5名様に「hiiroのマグカップ」をプレゼント♪
アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で5名様に「hiiroのマグカップ」をプレゼントいたします。みなさまのご応募をお待ちしております♪ 賞品名:マグカップ/hiiro 応募期間:~11月30日(火)まで ※終了しています。 賞品の発送:12月上旬 ※終了しています。 ※当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。 【マグカップ/hiiro】 美濃焼産地、多治見市の陶器メーカー「トーク」が手がけたマグカップは、プロダクトデザイナーの山田佳一朗がデザイン。質感が豊かな陶土を材料に、通常は全面にかける釉薬を上半分だけに施し、マットな釉薬と素地の間に現れる赤い「火色」を表に出す。
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