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2022.03.14
日比谷のランチに元祖ピザトーストを。心穏やかに過ごせる喫茶店「紅鹿舎」
今では食卓でおなじみの「ピザトースト」を約60年前に考案したお店として知られる「紅鹿舎」は、日比谷にある老舗の喫茶店。豊富なコーヒーメニューとともに、風味豊かなチーズが盛られた食べごたえのあるピザトーストを味わってみませんか。
変わっていく日比谷を60年以上見守り続けてきたお店
日比谷のJR高架の向かいに建つビルの1階。昭和の面影を残すレトロな外観
JR有楽町駅から日比谷方面へ徒歩5分ほど。晴海通りから折れた路地のビルの1階にあるのが、1957(昭和32)年から営業する「紅鹿舎(べにしか)」です。 もとは洋食店として開業し、喫茶を始めたのは1964(昭和39)年という「紅鹿舎」は、 現在の場所に移転してから56年、オーナーの村上さんで3代目を数える老舗。まだ大きなビルが建ち並ぶ前から日比谷の街の変遷を見守ってきました。
入り口側から奥に細長い店内。分煙スタイルなので入店時に確認を
店内は開業時の内装が多く残ります。天井から下がるランプシェードの笠や、使い込まれて飴色になった家具は、時を経た穏やかな雰囲気。店内には、村上さんのご両親である初代オーナー夫妻が趣味の海外旅行で集めたエキゾチックな古道具や絵画が飾られています。一人でも、友人と訪れても、居心地の良い空間で思い思いの時間を過ごせる空間です。
エキゾチックな古道具とクラシックな内装が不思議とマッチ
名物は「元祖ピザトースト」
お店の名物は、チーズたっぷりで食べ応えのある「元祖ピザトースト」。現在は家庭で一般的に食べられるようになったピザトーストを考案し、お店のメニューにのせたのが‘元祖’の理由です。レシピを考案したのは、村上さんのお母様でもある2代目オーナー。
ピザトーストセット(セットリンク付き・1450円)。単品(1000円)はテイクアウトも可能
「店をオープンした当時はイタリア料理店がまだ珍しくて。きちんと予約を入れて出かけないとピザもパスタも食べられないかったんです。ピザのおいしさを手軽に再現できないかと試行錯誤して母が思いついたのが、パンをピザ生地代わりに使うことでした」と村上さんは語ります。
サイフォンで淹れるコーヒーと、豊富なアレンジメニュー
「べにしかブレンド」(750円)はサイフォン式で淹れるお店のオリジナルブレンド。柔らかな酸味とコクのある深みは、食事やデザートにも合うように考えられた味わいです。
均一でまろやかな風味を出せるサイフォンは、いつでも同じ味わいの安心感
そのほか、コーヒーのメニューが充実。産地ごとの定番からアレンジを利かせたオリジナルまで、メニュー表には約30種類が紹介されています。時間帯や気分に合わせて試してみたい、心惹かれるラインナップです。
ティータイムにはパイ生地のオリジナルデザートを
サクッと軽い食感のパイ生地の「ストロベリーパイ」(1150円。セットドリンク付きは1450円)
午後のひと休みのおともにしたいパフェやホットケーキなどのデザートも豊富です。 オリジナルメニューの「ストロベリーパイ」は、オーダーしてから焼き上げるパイに、バニラアイス、生クリーム、イチゴのソースをデコレーションしたあったかデザート。ほんのりあたたかいパイ生地を切り分け、アイスと生クリームをのせていただきます。
クラシックなポットで注ぐ、生クリームを味わうアイスコーヒー
「クリームド・モカ」(950円)のコーヒーは、サイドからゆっくり入れるのがコツ
豊富なドリンクメニューから、甘党に嬉しいコーヒー「クリームド・モカ」をご紹介。 オーダー後に運ばれてきたのは、生クリームがこんもり盛りつけられた氷入りのグラスと細い注ぎ口のポット。自分でグラスにそうっとアイスコーヒーを注いで飲むユニークなスタイルです。生クリームは甘さを抑えているので、好みで添えられたガムシロップをプラスして。コーヒーのほろ苦さとクリーミーさが相まって、デザート感覚で楽しめます。
ゆったり時間が流れる喫茶店
「日比谷へのおでかけの定番コースとして、親子3代通い続けてきてくださる方もいらっしゃいます」と村上さんが話してくれました。休日は、舞台鑑賞やショッピングを楽しんだ、年齢も性別もさまざまなお客さんがゆったり過ごされていくのだそう。 移り変わる日比谷の街にありながら、時を止めたような穏やかな時間を過ごせる「紅鹿舎」で、穏やかな時間を過ごしてみませんか。
cafe紅鹿舎
カフェベニシカ
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