35
2021.10.13
新しい刺激や発見、驚きがいっぱい。カウンターのある古書店/神楽坂「アルスクモノイ」
神楽坂にある「アルスクモノイ」は、アートや写真集、海外文学など幅広いジャンルの国内外の古書をメインに、ここでしか手に入らない希少なインドの書籍や、かわいらしいレトロな雑貨類を揃える古書店。本を読みながら、カウンターでコーヒーやお茶、ワイン、ビールもいただけます。時空を超えた新しい本との偶然の出会いを楽しんで。
紙文化を大切にする街の古書店
蜘蛛の網のマークが目印
神楽坂駅から赤城神社を超えて西五軒町へ向かう相生坂を下ること約7分。印刷所や出版社などが集まるエリアの一角に古書店「アルスクモノイ」はあります。渋谷の古書店で約10年に渡ってキャリアを積んだ店主の上原麻紀さんが独立、オープンしました。
木のぬくもりを感じるゆったりとした空間
本が本を呼ぶセレクション
珍しい海外の書籍も多数
店内の書棚には、アート・ファッション・写真集・デザイン・海外文学・詩・哲学・サブカル・絵本など幅広いジャンルの古書が約1000点以上陳列されています。本を選ぶときに一番大切にしていることは、「刺激や驚き、発見があること」と上原さん。
ダイナミックな仕様の飛び出す絵本「赤ずきんちゃん」
古書ファンに人気の本も
美しいドイツのインゼル文庫(800円~)がよりどりみどり
書棚には、希少なドイツの古書「インゼル文庫」など古書ファンにはたまらない本もあります。「インゼル文庫」は、ヴィヴィッドな表紙のデザインが印象的な独特な風合いが美しいハンディな古書。リルケの詩集やベードーベンの楽譜、キノコや貝殻の図鑑など本の内容はさまざま。ちょっとしたディスプレイのアイテムとしても重宝しそうです。
左)『Fünfzig Fabeln für Kinder(子どものための50の寓話)』(2000円)
ヴィヴィッドなブルーの世界へ
珍しいタラブックスの本や雑貨も
ここでしか手に入らない本もあります。インド西部の先住民族ワーリ族のアーティストが日本の粟島を旅して感じた生命と水の関わりを描いた絵本「the deep」(5500円)は、南インド・チェンナイの小さな出版社、タラブックスの新刊本。版元と直接やりとりして仕入れているそう。
さまざまなブルーが印象的な「the deep」
4席のハイチェアのあるカウンター
「本屋さんって、落ち込んだ時や心に迷いがある時に訪れる場所だと思うんです。アルスクモノイがそんな人の心の拠り所になれば嬉しいです」と上原さん。カウンターでは、コーヒー(温300円、冷350円)やビール(500円)など約10種類のドリンクやアルコールを提供。本を片手に静かなひとときを過ごすことができます。
葡萄酒(赤)(500円)
昔懐かしの雑貨にときめく
レトロなデザインがかわいい雑貨類たち
書籍の他にも、昭和30年ごろのレストランや喫茶店にあった薄い木材を用いたマッチ箱(100~1000円)などの雑貨類や、1980年代の北海道を代表する焼き物、こぶ志焼などのデッドストック陶器の販売もしています。
東郷青児が描く銀座の喫茶店「コンパル」(2000円)などのマッチ箱
未知の世界に触れることができる「アルスクモノイ」。いつもの日常に新しい刺激を与えてくれそうです。ぜひ、覗いてみてくださいね。
アルスクモノイ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
田賀井リエ 写真:キムラミハル
Writer
田賀井リエ
東京都在住。フリーエディター&ライター。趣味は街歩きと食べること。
の人気記事