近所の人が気軽に集う街のオアシス

静かな通りに面したお店。窓から店内の様子もうかがえる

喫茶 ミトンへは最寄りの地下鉄矢場町駅から歩いて約10分。にぎやかな繁華街から少し離れた住宅街の中にあります。長く親しまれた喫茶店だった店舗を改装して、2022年春にオープンしました。年齢を問わず幅広い人に愛される、地域に密着したお店にしたいと「喫茶」を店名に加えたそう。その思い通り、近所のおばあちゃんやおじいちゃん、SNSを見て訪れる若者、ランチを楽しむビジネスマンなどさまざまな人たちが集まり、店内で過ごすひとときを楽しんでいます。

ゆったりと席が配置された店内。調理の音や香りも感じられるオープンキッチン

フランスの食文化やビオに興味を持った店主の村井さんは、フランスに滞在してファームステイやオーガニックカフェでの勤務を経験。帰国後も北海道で農業体験をしたり、オーベルジュで調理やサービスを学んだりと、料理や農業に関する修業を重ねました。 そんな村井さんが手がけるのは、喫茶店の定番とは少し違ったヨーロッパ風の本格的な料理。モーニング、ランチ、おやつとそれぞれに魅力的なメニューがそろっています。

旬の野菜やあたたかさにほっとする料理

ランチメニューの一つ、季節のスープとキッシュとサラダ1200円。この日のスープはクラムチャウダー

10時30分までのメニューは、ドリンク代のみでトーストやゆでたまごが付いてくる名古屋流モーニングと、プラス100円のホットサンドから選べます。 ランチには週替わりと定番の計３品。定番の一つ、季節のスープとキッシュとサラダでは、季節の野菜のおいしさを感じられるたっぷりのスープと、サクサクのパイにとろりとしたフィリングがマッチしたキッシュの両方を味わえます。これまでには、かぼちゃやさつまいも、夏にはパプリカやとうもろこしの冷たいスープも。季節ごとにどんなスープが頂けるのか楽しみです。新鮮なレタスにキャロットラペなどを添えたサラダも付く、バランスの良さも魅力です。

牛すじカレー800円

もう一つの定番は4時間かけてじっくりと煮込む牛すじカレー。あめ色に炒めた玉ねぎとスパイスがほどよく効いて、毎日でも食べ飽きないおいしさ。とろりとした半熟卵や、サクサクした食感が小気味よい長芋のピクルスも喜ばれています。 週替わりメニューには、ラザニアやドリアなどあたたかいオーブン料理がラインナップ。「ミトン」の店名は、夏でも欠かさないオーブン料理に由来しています。 ランチタイムを過ぎても、スープとパンのセットやホットサンドセットが用意されているので、ちょっと小腹が空いたときにもうれしいですね。

手づくりのおやつも楽しみ

寒い時期は定番のおやつになりそうな、おしるこ500円

一杯ずつドリップするコーヒーと手作りのおやつも楽しみです。パウンドケーキやビスコッティなどの焼き菓子をはじめ、プリンやコーヒーぜんざい、あたたかいスイートポテトなど季節ごとに変わるおやつもあります。冬のおすすめとしてファンを増やしているのが、おしるこ。モーニングのホットサンドにも使っている自家製のあんこがたっぷり頂けます。お餅は、素朴な風味とプチプチした食感が楽しい玄米餅。バターのトッピングでコクもプラスされるので、少しずつ溶かしながら味わってみてくださいね。

海外で買い求めた雑貨やドライフラワーなどが店内を飾る

店内のBGMには懐かしい雰囲気のジャズが流れ、村井さんがヨーロッパで手に入れたお気に入りの雑貨も飾られています。メニューにもお店の雰囲気にもヨーロッパ風と名古屋喫茶テイストがほどよくミックスされていることも、幅広い人に親しまれている理由のようです。常連さんと村井さんが交わす何気ない会話にも接客を超えたあたたかさがあり、いつの間にか心が和むのを感じます。 繁華街から少し足を延ばすと出会える、ほっとくつろげる空間とじんわりあたたまる料理。寒い季節には特にうれしい、ほっこりしたぬくもりを味わいに行きませんか。