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2016.05.17
京都の旧小学校校舎を使った隠れ家カフェ。レトロな雰囲気がたまらない「トラベリングコーヒー」
※こちらの記事は2016年5月17日に公開されたものです 京都の市街地の真ん中におよそ20年前にその役目を終えた小学校があります。 映画祭や骨董市などさまざまなイベント会場として利用されてきたその建物の一室に、昨年夏、カフェが登場しました。香り高いコーヒーとともに、ここでしか味わえない雰囲気が楽しめると多くの人が足を運んでいます。
アールデコ調の意匠が魅力。昭和初期に建てられた小学校
阪急・河原町駅から木屋町通を北へおよそ5分。高瀬川沿いにどっしりと建っているのが元・立誠小学校です。 開校は1923(昭和3)年。繁華街・木屋町通にあり、東には花街・先斗町(ぽんとちょう)、西は目抜通りのひとつ、河原町通が走るなど、京都の市街地のなかでも特に賑やかな界隈ですが、住民の減少により1993(平成4)年に閉校。以降は、イベント会場などとして利用されてきました。 建物の前に立つとまず目を引くのがアーチ型の玄関。繊細な装飾が施されたバルコニーなどを備えたアールデコ様式の美しい建物です。
カフェは元・職員室。地元の人々の熱い思いで常設に
カフェがあるのは校舎の1階。玄関から入ってすぐの元・職員室です。 “もともとは2ヶ月間限定のカフェだったのです”。そう話すのは一人できりもりする牧野広志さん。元・立誠小学校が、2015年春に京都で開催された「パラソフィア京都国際現代芸術祭」のビジターセンターとなった際に期間限定でオープンし、芸術祭の閉幕と同時に終了しましたが、“みんなが集まれる場所に”と特に地元の人たちの熱い要望を受け、2015年8月に常設店舗としてオープンしました。
こだわりのオリジナルブレンドを味わって
メニューは、ブレンドコーヒーやカフェオレ、ビールなどドリンクのみ。自慢のコーヒーは、ビジターセンターのとき同様、1杯300円で提供しています。 豆は、タンザニアとコロンビア、ブラジル、3種の豆をブレンドし、深煎りに。年代を問わず受け入れられる、すっきりとした味わいのコーヒーを、ペーパードリップでていねいに淹れています。 “コーヒーは人と人とをつなぐもの”だと牧野さんはいいます。天気や気温、その人の様子などをみて、少しずつ味わいに変化をつけているそう。おいしいコーヒーを一緒に飲みながら話をすることで、出会いやイベントなど、ここから何かが生まれればいいと思っている、と朗らかに話してくださいました。
氷にもひと手間。アイスコーヒーもおすすめ
コーヒーはたっぷりサイズ。街なかとは思えない静かな空間でのんびりとした時間を過ごすことができます。雑味が出ないようにと気を配って淹れられたコーヒーは、時間が経つほどに少しずつ酸味が立ってきて、淹れたてとはひと味違う風味を楽しむことができます。 また、これからの季節は「アイスコーヒー」(400円)もおすすめ。マイナスの温度でしっかりと冷やし固めたかちわり氷を使うことで、すっきりともたつきのない味を実現しています。
テーブルや椅子などはすべて校内にあったものを利用しているそう。理科室の机や音楽室の机など、どれも空間にすっかり馴染んでいて、卒業生でなくても懐かしさを感じます。この特別の場所をこだわりのコーヒーとともに楽しんでみませんか。
TRAVELING COFFEE
トラベリングコーヒー
京都府 京都市中京区備前島町310-2 元・立誠小学校 職員室
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清塚あきこ
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