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2023.10.31
千駄木の「森鴎外記念館」と「モリキネカフェ」で文学とカフェを楽しむ豊かなひととき♪
夏目漱石や森鴎外などの文豪が暮らし、多くの文学作品にも登場する千駄木。ここに立つのが凛としたたたずまいの「文京区立森鴎外記念館」です。併設する「モリキネカフェ」では鴎外ゆかりのドイツのメニューをいただけます。人気の谷中銀座や根津神社も歩いてすぐ。文学に親しむひとときを過ごしたら、文豪と同じ道をたどってお散歩をしてみては。

ドイツの街並みをイメージした美しい建物

団子坂から見た記念館。鴎外が暮らしていた当時は文学者のサロン的な場所でもあった
森鴎外は、明治・大正時代を代表する文豪です。軍医として従事する傍ら、小説家・評論家・翻訳家など多彩に活躍しました。小説の代表作には「舞姫」「山椒大夫」「高瀬舟」などがあります。「文京区立森鴎外記念館」は鴎外が30年暮らした自宅、観潮楼跡に立っています。当時2階から東京湾がのぞめたため、観潮楼と名づけられました。周辺の地形がほぼ変わっていないので、鴎外の見た風景をしのぶことができます。レンガ造りの建物はモダンで美しいたたずまいです。館内外にある、ドイツの小道をイメージした路地をゆっくり散策するのもいいですね。

薮下通り側の入口。鴎外はよくここから薮下通を散策したそう

分かりやすく美しい展示の文学館

読みやすい文章が魅力の鴎外には、女性ファンも多い
建物の地下が展示室になっています。直筆の手紙やノート、愛用品など貴重な資料から、鴎外の生涯や作品を知ることができます。軍医としても活躍した鴎外はかたいイメージがありますが、実は家族思いで美意識の高い人だったようです。子供服を海外から取り寄せ、洋食レストランの精養軒や、百貨店などに家族で出かけていたというエピソードから、当時の豊かな暮らしを楽しんでいた様子がうかがえます。

明治期の書籍のデザインはモダンなものも

中庭をのぞむ静かなカフェで過ごす豊かな時間

クラシックが静かに流れる空間。カフェのみの利用もできる
館内にある「モリキネカフェ」は、シックで書斎のようなインテリアのカフェです。天井が高く、中庭をのぞめる席は文学館にふさわしい落ち着いた雰囲気。中庭には、鴎外が暮らしていた時からある銀杏の木や、幸田露伴らと撮影した「三人冗語の石」も残っています。緑を眺めながらくつろぐ特別な時間が過ごせます。

モリキネプレート1000円(ドリンク付)。プレッツエルがコンビーフやソーセージの塩気に合う

グッズを見たり図書室をまわるのも楽しい

奥は過去のコレクション展の展示ガイド各300円。手前左から、ブックカバー3色セット600円、特別展「鴎外と旅する日本」(展示終了)図録860円、東京方眼図600円
建物入口にあるショップでは、書籍やオリジナルグッズを扱っています。特に人気なのは、鴎外の時代の地図「東京方眼図」です。過去のコレクション展の内容が分かるおしゃれな展示ガイドもよいお土産になりそう。2階には図書館もあり、森鴎外の書籍が揃うのはもちろん、近代文学の初版復刻コーナーも文学ファンなら見逃せません。どちらも観覧料なしで利用ができます。

図書館は貸出はなく閲覧のみ利用できる

文京区立森鷗外記念館
ブンキョウクリツモリオウガイキネンカン
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