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2024.11.15
草津温泉からひと足のばして、大自然を間近に感じる八ッ場・長野原へ
草津温泉への玄関口・長野原草津口駅がある群馬県長野原町は、雄大な景色に囲まれた自然豊かな町で、2020年には八ッ場ダムもできました。八ッ場あがつま湖を遊覧する水陸両用バスや、眺めのいいキャンプ場など、大自然を間近に感じるアクティビティやスポットが点在しています。ドライブでの観光はもちろん周遊バスもあるので、草津温泉からも足をのばして小さな旅を楽しめますよ。今回は穴場の温泉や人気の道の駅をはじめ、こだわりの蕎麦店や隠れ家カフェ、老舗の酒蔵など、長野原町で立ち寄りたいスポットをご紹介します。
水陸両用バス「八ッ場にゃがてん号」で湖上さんぽはいかが?
紅葉の見頃は11月中旬以降
長野原町の大自然を気軽に体感するなら、八ッ場ダム湖とその周辺を周遊する水陸両用バス「八ッ場にゃがてん号」がおすすめです。まずはこの水陸両用バスに乗って、八ッ場エリアの絶景を楽しみましょう。 長野原町のゆるキャラ「にゃがのはら」が描かれたカラフルなバスは、道路を走るだけでなく、水の上では遊覧船に早変わり。山に囲まれた八ッ場ダム湖の雄大な景色を、陸からも湖からも眺めることができます。
水しぶきをあげて、湖へダイブ
所要50分ほどのツアーのハイライトは、道路から湖にダイブする瞬間です。想像より迫力満点で、まるで遊園地のウォーターアトラクションのような爽快なスプラッシュを体験できますよ。バスには窓がなく、前の方の席だと入水時に濡れてしまうこともあるので、レインウェアがあると安心です(乗船スポットでも購入できます)。
湖の駅丸岩には展望スポットがあり、山々に囲まれたダム湖が一望できる
バスの乗車場所はJR長野原草津口駅横と八ッ場湖の駅丸岩の2ヶ所です。電車でアクセスする場合はJR長野原草津口駅横、マイカーや観光バスで訪れる人は八ッ場湖の駅丸岩からの乗車が便利。周遊バス「八ッ場ぐるりん」ならどちらでもOKです。 なお、水陸両用バスの運行期間は11月末頃まで。冬期は観光船での水上遊覧になります。
八ッ場にゃがてん号ツアー
ヤンバニャガテンゴウツアー
ジャズが流れる店内で、こだわりの蕎麦を味わう「蕎麦茶寮nanakusa」
自然に囲まれたシックな店内で極上の蕎麦をいただける
八ッ場エリアから草津温泉に向かう途中にある「蕎麦茶寮nanakusa」は、石臼挽きの十割蕎麦や蕎麦の実を使った甘味、地産食材の一品料理が楽しめる人気のお蕎麦屋さんです。 白壁に大きな梁が映えるシックな店内にはアンティークの調度品が設えてあり、和洋折衷の洗練された雰囲気。小川が流れる裏庭には枯山水を模したオープンテラスもあり、紅葉を愛でながら食事を楽しむことができます。
濃厚な蕎麦つゆが美味な「鴨葱」2000円。蕎麦は地粉十割(+300円)をセレクト
お店の自慢は、店主・山口浩司さんがつなぎを加えずに打つ十割蕎麦。厳選された国産の蕎麦の実を丹念に石臼で挽き、地元の清水のみで打ち上げています。 「天せいろう」や「鴨葱」、「きのこ三昧」など、いずれの蕎麦メニューも、この十割蕎麦のほかに更科や挽きぐるみといった蕎麦から好きなものを選んで注文します。
「天せいろう」2200円。海老や季節の地野菜、名産の舞茸の天ぷらはサクサク
蕎麦メニューは旬の食材を使った前菜の三種盛りと、自家栽培のわさびを添えて提供されます。わさびは砂糖をつけて鮫肌で擦りおろし、蕎麦の上に乗せて食べると、わさび本来の風味が味わえるそう。ぜひお試しを。
「野点風抹茶」と「ななくさ風あんみつ」1400円
お蕎麦を食べた後は、蕎麦の実を使ったこだわりの甘味もぜひ味わって。 おすすめの「ななくさ風あんみつ」には、地元の名産である花豆のほか、栗の甘露煮やわらび餅などが盛りだくさん。そばの実のフリテュール(揚げ物)をあしらった、蕎麦屋ならではの逸品です。自分で点てるお抹茶とセットでどうぞ。
蕎麦茶寮 nanakusa
ソバサリョウナナクサ
お茶と本とおやつで、癒やしのひとときが過ごせる「cafe SADAHIKO」
白壁に観葉植物のグリーンが映える店内
JR吾妻線川原湯温泉駅から徒歩5分ほど。八ッ場ダム湖畔にたたずむ白い一軒家が「cafe SADAHIKO」です。 金曜から日曜のみ営業している隠れ家カフェで、エントランスに小さな看板を掲げているだけなので、一見するとカフェとは気づかずに通り過ぎてしまうかもしれません。
ちょっとすてきな時間が過ごせるカフェ。タルトタタン550円には吾妻産りんごがたっぷり
中に入ると、白を基調とした小さな店内には観葉植物や北欧風のイスが配してあり、のんびりとくつろげる雰囲気が漂っています。 壁際の本棚には漫画から美術書まで、さまざまな本が並んでいて、好きな本を手に取り、ページをめくりながら静かなお茶の時間を過ごせます。
深蒸し緑茶と和菓子のセット1000円
こちらのカフェでは自家製ケーキや焼き菓子のほか、季節によってはお汁粉やパフェなどもメニューに登場します。 なかでもおすすめは、深蒸し緑茶と和菓子のセットです。訪れた日の和菓子は、菊の花を模した美しい練り切り。高崎の和菓子職人さんから仕入れているそうで、舌ざわりがとても滑らかで上品な味わい。添えてある小さなカステラは店内で手作りしています。
急須にお湯を注いだら、砂時計を返して1分蒸らす
深蒸し緑茶は、淹れ方を教わりながら自分で注いで楽しんで。地元の水との相性がいいという熊本産の茶葉で淹れるお茶は、まるでお出汁のような上品な旨みが口の中に広がります。 おやつのほか、トーストとスープのセットなどもあるので、軽めのランチにもよさそう。旅の合間に、ちょっとひと息つきたい時にぜひ訪れてみてください。
cafe SADAHIKO
カフェ サダヒコ
手ぶらキャンプに温泉も♪ 一日遊べる「川原湯温泉あそびの基地NOA」
キャンプ場までは駅から歩いて1分
JR吾妻線川原湯温泉駅に隣接する「川原湯温泉あそびの基地NOA」は、キャンプやバーベキュー施設のほか、日帰り温泉やカフェ、観光案内所を併設する複合施設です。 駅前にある絶好のロケーションで、都内からは電車や高速バスでアクセス可能。用意されている カーシェアやレンタサイクル、周遊バスなどを利用すれば、現地移動もラクラク便利ですよ。 八ッ場あがつま湖に面したコンパクトなキャンプ場は、持ち込み利用はもちろん、すべての道具を用意している「手ぶらでCAMP」プランもあり、手ぶらで訪れてキャンプが楽しめます。大型テントの下に本格的なガスグリルを備えており、日帰りバーベキューもOK。
笹湯には内湯のほか露天風呂も。湯上がりにはクラフトビールでほてった体を冷まして
施設内にある日帰り温泉「笹湯」は、源頼朝公が発見したと伝わる川原湯温泉から引いた源泉かけ流しの天然温泉。川原湯温泉は、柔道の父・嘉納治五郎が愛した温泉としても知られています。 湯上がりには館内の笹湯カフェでまったりと過ごしましょう。併設のブリューワリー「川原湯温泉醸造舎」で作っているクラフトビールで乾いたのどを潤すもよし、地元の牛乳屋さん「豊田乳業」のミルクで作るコーヒー牛乳や木苺牛乳もおすすめです。
カヤックやSUPなど、湖で遊ぶツアーも催行
電車や高速バスで訪れた場合はレンタサイクルやカーシェアを利用し、ここを拠点に周囲をサイクリングしたり、車で草津温泉まで足をのばすのもよさそう。長野原町のもうひとつの玄関口・川原湯温泉駅を拠点にエリアを散策してみてはいかがですか?
川原湯温泉あそびの基地NOA
カワラユオンセンアソビノキチノア
090-6942-1223
笹湯入浴料990円
https://yamba-kawarayu-noa.com/
※キャンプ場は12月〜2025年3月まで工事の予定。4月にリニューアルオープン
八ッ場エリアの歴史を学べる「やんば天明泥流ミュージアム」
周遊バスでもアクセスできる
ミュージアムの名前にもなっている「天明泥流」とは、江戸時代後期の天明3年に、浅間山の大噴火による泥流が八ッ場の村落を一瞬にして埋め尽くした未曾有の自然災害のことです。 このミュージアムでは、当時の村の日常生活の様子や、噴火から泥流発生にいたる過程など、これまであまり知られていなかった泥流被害を実物展示やジオラマ、映像などで紹介しています。
八ッ場ダム建設にともなう発掘調査で発見された縄文土器も展示
展示室には、当時の集落の様子を再現したジオラマや、被害の痕跡が残る出土品を展示し、この地域の文化と歴史をわかりやすく解説しています。 約10分の映像を上映する「天明泥流体感シアター」には、大画面スクリーンやサラウンドスピーカーなどの最新技術を導入。まるで映画館のような臨場感で天明泥流がどのような災害だったのかを体感できるので、こちらも見逃せません。
郷愁を誘う木造校舎。靴を脱いで中に入れる
敷地内に併設されたレトロな木造建築は「長野原町立第一小学校旧校舎」。1911(明治44)年に建てられた県内最古級の木造校舎で、八ッ場ダムの水没地から移築されたものです。 中は当時の学校の雰囲気そのままで、ノスタルジックな気分に浸れます。教室には、この学校の出身者でもある浦野匡彦(うらのまさひこ)が生み出した群馬県ゆかりの「上毛かるた」が展示してあり、実際にかるたで遊ぶこともできますよ。
上毛かるたとは、群馬の歴史や自然などを読んだ郷土かるたのこと
やんば天明泥流ミュージアム
ヤンバテンメイデイリュウミュージアム
酒蔵ならではの多彩なおみやげがそろう「浅間酒造観光センター」
おしゃれなパッケージの商品が多く、おみやげにもぴったり
浅間酒造観光センターは、創業150余年の歴史を誇る造り酒屋「浅間酒造」が運営する人気の立ち寄りスポットです。お店の前に広い駐車場があり、マイカーはもちろん、周遊バスでもアクセス可能。 店内では、看板商品の「秘幻」や「Asamayama」などの日本酒を中心に、採れたての地物野菜からスイーツまで、幅広いおみやげを扱っています。
酒粕入りのバスクチーズケーキやどら焼きなどのスイーツのほか、珍しい日本酒入りのコーヒーも
日本酒ビギナーにおすすめしたいのが「浅間のヨーグルト酒」。成分の約60%は長野原町の浅間高原で育った乳牛の生乳で仕上げた濃厚なヨーグルトで、飲むヨーグルトのような、まろやかでやさしい味わいが女性に人気なのだそう。 ほかにも、酒粕を使ったバスクチーズケーキやクリームチーズ、麹を使ったグラノーラなど、酒蔵ならではのスイーツや発酵食品がバラエティ豊かにそろっています。
テイスティングは要予約。5000円〜
店内奥のコーナーでは、日本酒のテイスティングも可能です。こちらのテイスティングは、酒器と日本酒のペアリングを楽しむというユニークなもの。陶器やガラス、金属など、酒器の素材や見た目で変わる味わいの違いを体験してみては?
浅間酒造観光センター
アサマシュゾウカンコウセンター
地元の食材たっぷりのご当地ピッツァが食べられる「KURATTORIA150」
明るい光がふりそそぐ開放的な店内
浅間酒造観光センターの2階にある「KURATTORIA150」は、地元産の新鮮な野菜や浅間酒造の酒粕など、地産食材にこだわったピッツェリアです。 一面ガラス張りで明るく広々とした店内は、カジュアルで落ち着いた雰囲気。窓の外に広がる木々を眺めながらのんびりと食事が楽しめます。
川場村産⽣ハムと新鮮野菜のサラダピッツァ1300円〜
「川場村産⽣ハムと新鮮野菜のサラダピッツァ」や「吾妻産新鮮バジルのマルゲリータ」などの5種類の定番メニューのほか、季節ごとに旬の食材を使った限定ピッツァも登場します。ほかに「窯焼きレタスのシーザーサラダ」や、ハムとソーセージを盛り合わせた「川場村産ライブの山賊焼き」といった窯焼きのアラカルトメニューやパスタもあるので、ランチに立ち寄るのもおすすめです。 浅間酒造の冷酒や地元産のワインがグラスで飲めるので、料理とのマリアージュを楽しんでみるのもいいですね♪
KURATTORIA150
クラットリア150
おいしいおみやげを探すなら「道の駅八ッ場ふるさと館」へ
自然に溶け込むモダンな外観
雄大な山々とダム湖を見渡す絶好のロケーションに建つ「道の駅八ッ場ふるさと館」。とれたての新鮮な野菜や果物、地元の特産品がそろうとあって、平日でも朝から多くの人でにぎわう人気スポットです。 広い敷地内には、農産物市場のほか、レストランやコンビニも併設。湖を見渡せる天然温泉の足湯もあり、お買い物の前後にちょっとした旅情気分も楽しめます。
採れたての特産品や手作りの加工品を求めて、多くの人が訪れる
入口前の直売所には、地元の生産者が丹精込めて作った農産物がずらり。これからの季節は、白菜や大根などの冬野菜のほかりんごが中心の品揃えです。りんごはシナノスイートやぐんま名月など、異なる品種を組み合わせた食べ比べセットも販売されていて、味や食感の違いを楽しむことができますよ。 店内の陳列棚には、ドレッシングやピクルスといった色鮮やかな加工品も。特産の花豆を使った人気のミルクバターなどのスプレッドやパッケージもかわいい調味料は、おいしいもの好きな人へのおみやげにすると喜ばれそう。
「まゆ丸、丸岩をのぼる」240円
こちらの道の駅の特徴は、八ッ場ダムをモチーフにした商品が多いところ。なかでも、コンビニ「Yショップ」で販売している「八ッ場ダムカレーぱん」は一番人気。14種類のスパイスが入ったカレーは本格的な味わいです。 キュートなビジュアルの「まゆ丸、丸岩をのぼる」も人気商品。長野原町の名所である丸岩をモチーフにしたメロンクリームパンで、見た目のかわいさだけでなく、味も抜群です。 ほかにも「塩花豆ぱん」や「くるみみそぱん」など、ご当地パンが何種類も。これらのパンは隣接する工房で製造していて、このお店でのみ購入できる限定商品なので、ぜひチェックしてみてくださいね。
湖を望む無料の足湯
道の駅八ッ場ふるさと館
ミチノエキヤンバフルサトカン
長野原町の名所のひとつ「丸岩」は、カップケーキのような不思議な形の山
草津温泉からのアクセスがいい長野原町は、温泉旅にちょっとプラスして訪れたい穴場の観光エリアです。周遊バス「八ッ場ぐるりん」でめぐれば、エリアの魅力を余すことなく楽しむことができますよ。
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文:小野澤啓子 写真:清水ちえみ
長野原町OFFICIAL GUIDE「ながのはら♪ら♪ら」
大きな大きな浅間山と、大きな大きな八ッ場 の湖。自然と共に生きる幸せを知っている、強くてやさしい人たち。 ながのはらには「ら♪ら♪ら」な魅力がいっぱい。ちょっとゆっくりしたい時、ワクワクが足りない時、ながのはらへどうぞ♪
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