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2025.06.10
茨城の栗や芋を使った地元でも愛されている焼き菓子の手みやげ4選
茨城県水戸市はレベルの高いパティスリーが点在している町。県の特産品の栗やサツマイモなど厳選した食材を生かし、洋菓子店のオーナーシェフが生み出した極上の水戸みやげがそろいます。 岩間栗や干し芋のテリーヌが評判の「Leblanc」、県産食材で作るパウンドケーキが人気の「CINARIS」、栗の形がかわいらしい焼き菓子がおすすめの「パティスリーKOSAI」、親子2代にわたって作るアーモンドケーキが味わえる「パティスリーシュール ミガワ」の4軒をご紹介。

フランスの伝統菓子や茨城産素材で作るテリーヌが人気の「Leblanc」

木目調で温かい雰囲気の店内
千波湖の近くにある洋菓子店「Leblanc」は1982年にオープン。フランスでも腕を磨いたオーナーシェフの磯崎啓一郎さんが作るのは、伝統的なフランス菓子をベースにした洋菓子です。素材にもこだわり、茨城県産のいちごやメロン、ブルーベリー、シャインマスカット、リンゴなど季節のフルーツも厳選した農園から仕入れています。

希少な干し芋を贅沢に使う上品な甘みのテリーヌ

濃厚で、食べ応えのある「レジオン ド 干し芋」3600円
「Leblanc」のオリジナル人気菓子は、茨城県産の食材を使ったテリーヌ。 磯崎シェフの地元、ひたちなか市産の干し芋をたっぷり使った、干し芋のテリーヌ「レジオン ド 干し芋」。干し芋の名産地で作る希少品種「いずみ」の丸干しと平切りを使用。テリーヌの断面を見ると干し芋の形がわかり、ふんだんに使われているのがよくわかります。ねっとりした干し芋と芋のペースト、バターケーキの相性がよく、バターの風味が芋の旨みを際立たせたテリーヌです。販売は1~9月です。 秋限定の笠間市岩間地区の栗を使った「レジオン ド マロン 岩間70%」は、その時期だけのお楽しみ。岩間栗の先駆者が育てた極上の栗を70%以上使い、テリーヌに仕上げています。岩間栗の評判も高まった贅沢なスイーツです。

フランス・ボルドーの製法で作られたカヌレ
「Leblanc」はモンブランやフルーツタルトなどのケーキ、チョコレート、伝統的な製法で作るカヌレのほか、焼き菓子にも力を入れています。 茨城県産を使うボヤージュシリーズと名付けた焼き菓子も販売。岩間栗入りのオーバル、干し芋を使ったバルケット、須藤本家の純米大吟醸「郷乃譽」の酒粕を練りこんだクッキー、茨城県産きな粉を使ったクッキーの4種類があります。ギフトにもぴったりです。

茨城の素材を使った4種類の焼き菓子はおみやげに

Leblanc
ルブラン

生産者を訪ねて、厳選した素材でスイーツを作る「CINARIS」

右から「パウンドケーキ 焼き芋紅はるか」1566円、「水戸乃梅」1566円、「笠間モンブラン」1944円
水戸市の南に位置し、那珂市出身の吉成隆宏さんがオーナーシェフを務めるパティスリー「CINARIS」は、2021年にオープン。埼玉県の名店「アカシエ」で修業をしていた時から生産者の元に足を運んでいた吉成シェフは、当時からお付き合いのある生産者や、茨城県内の生産者のもとを訪ねて、旬や良質の素材を仕入れています。茨城県のお茶農家のお茶や糀店の味噌なども使いますが、思いを聞いて、お菓子にしているそう。 シュークリームやクイニー・アマン、ガレットには、水戸市に隣接する城里町の強力粉を使っています。「この小麦にしかない旨みがあります」と吉成シェフ。「CINARISの味、ほかにはないテロワール」といいます。ぜひ味わってみて。

茨城の3つの食材を表現した華やかなパウンドケーキ

パッケージのデザインにもこだわった3種類の「パウンドケーキ」
茨城を代表する梅、芋、笠間栗を使った「パウンドケーキ」は、見た目も華やか。「水戸乃梅」は、熟すとアンズみたいな味がするという水戸産梅「ふくゆい」を使った、水戸のおみやげらしい一品。梅が咲いたようなデコレーションに心がときめきます。梅の甘酸っぱさがアクセントになったパウンドケーキです。 「焼き芋紅はるか」は、那珂市にある「まるも農園」の紅はるかを焼き芋にして使用。さつまいもは焼き芋にするのが甘みがひきたつことから、パウンドケーキで香ばしい焼き芋を表現したそう。「笠間モンブラン」は、笠間栗をマロンペーストにして絞り、モンブラン風に仕上げています。どれもパッケージがかわいらしく、手土産におすすめです。

(左上)香り豊かな笠間栗を使ったモンブラン (右上)白とブルーに包まれた店内。店の青いロゴマークは吉成家の家紋をイメージ (右下)「バスク・バターサンド」は8種類 (左下)城里町産小麦で作る「クイニー・アマン」
「バスク・バターサンド」もギフトにぴったり。フランスの「ガトー・バスク」からヒントを得たお菓子で、ザクザク感のあるクッキー生地でバタークリームをサンドしています。紅はるかや笠間栗、塩キャラメル&くるみ、ショコラ&カカオが人気です。 テイクアウト用ですが、季節の柑橘フルーツを使ったドリンクや、レモンやいちご、桃など季節のフルーツと生クリームで作るパフェ仕立てのフローズンパフェも楽しめますよ。

CINARIS
シナリス

水戸や茨城の素材を使い、見た目も楽しいお菓子を作る「パティスリーKOSAI」

選ぶのが楽しい「岩間栗のモンブラン」などの人気のケーキ
小齊俊史さんがオーナーシェフを務めるフランス菓子工房「パティスリーKOSAI」は2000年にオープン。日立市出身の小齊シェフは「自分で作ったお菓子を皆さんにおいしく食べてもらいたい」と、地元の食材など厳選した素材を生かしたお菓子作りをしています。ケーキで人気なのが、フリル状のデコレーションがかわいい「岩間栗のモンブラン」。さわやかなオレンジゼストのクリームを乗せているのがポイントです。 店内はスペインの田舎風の家をイメージしているそうで、心がほっとするような温かさがあります。外にはテラス席も併設。コーヒーや季節のシェイクなどドリンクも用意され、イートインやテイクアウトもできますよ。

生ケーキや焼き菓子など、ギフトにぴったりの商品が並ぶ

大粒の栗が丸ごと入ったころんとかわいい栗のお菓子

「茨城の焼栗」6個入2354円。栗の食感もやわらか
「パティスリーKOSAI」を代表する銘菓は「茨城の焼栗」。2000年のオープン以来の名物です。当時はまだ、茨城は栗どころとして知られていなく、ケーキ類も少なかったそう。独立して銘菓を作りたいと思っていた小齊シェフが、岩間栗を使って考案したオリジナル菓子です。 「茨城の焼栗」は栗の形がかわいらしく、中には大粒の岩間栗の甘露煮が贅沢に1粒入っています。生地の表面をしっかり焼いて香ばしくし、中はしっとりしてやわらか。国産最高級のフレッシュバターも使っているので、風味も豊かです。栗の甘みや旨みを感じられますよ。

赤ワインにも合う「納豆ショコラ」1998円。おつまみとしてもぜひ
水戸らしいみやげとしておすすめしたいのが、コラボ商品の「納豆ショコラ」。納豆の老舗、笹沼五郎商店の「水戸天狗納豆」のフリーズドライを使い、焦がし醤油で風味づけし、キャラメリゼしています。それをカカオハンターが製造したチョコレート「シェラネバダ」に、ホワイトチョコをブレンドしたチョコレートでコーティング。カリッとした歯ごたえで、チョコのあとに醤油のこうばしさ、最後に納豆の風味が広がる楽しい一品です。思いもよらない組み合わせのお菓子を、ぜひ一度試してみて。

パティスリーKOSAI
パティスリーコサイ

繊細なスイーツと受け継がれたケーキが味わえる「パティスリーシュール ミガワ」

ショーケースには見た目も美しいスイーツがずらり
水戸市末広町にある創業50年の「パティスリーシュール」は、地元で長く愛されている洋菓子店。2009年に2代目の岩佐祐司さんが2号店として、水戸市見川で立ち上げたのが「パティスリーシュール ミガワ」です。こちらでは岩佐さんがオーナーシェフを務めています。東京・世田谷にある名店「ル パティシエ タカギ」で修業後、本店で修業して独立しました。 店内はゆったりとした空間が広がっています。「お菓子屋さんらしからぬものにしようと、ゆっくり買い物できるような空間にし、天井も高くしました」と岩佐さん。外にはアーモンドの木がシンボルツリーとして植えられています。

店内は広々として、スタイリッシュな空間

親子2代で作り続ける極上の「アーモンドケーキ」

「アーモンドケーキ」ホール2595円、1ピース360円
店内には岩佐さんが作る独自のスイーツが並びますが、唯一、先代と同じレシピは「アーモンドケーキ」。岩佐さんの父が考案したオリジナルケーキで、「パティスリーシュール」の看板商品です。 薄めのパイ生地の上にしっとりしたスポンジ生地があり、その上にはキャラメリゼしたアーモンドスライスがたっぷり。アーモンド部分は濃厚な甘さで、ザクザクの食感が楽しい逸品です。スポンジにはリンゴのコンポートやレーズンも入って、アクセントに。夏は冷蔵で3日、冬は常温で5日の消費期限ですが、徐々にスポンジがしまり、アーモンドも硬くなっていくので、食感の違いを楽しめるのだそう。こちらは人気商品なので、予約がおすすめです。

2種類のチョコレートを使った「トリュフノワール」
ケーキは毎日ショーケースに、20種類ぐらいが並びます。「いばらきスイーツコンテスト2024」でグランプリを受賞した笠間栗とオレンジを合わせた「マロニエ」、奥久慈の卵や県産牛乳を使った「プリン」などがおすすめです。「クロワッサン」と「パン・オ・ショコラ」や、自家製チョコレートも味わえますよ。 手土産におすすめの焼き菓子も種類豊富にそろっています。修行先の「ル パティシエ タカギ」の高木康政さんのレシピをもとに、こだわりの材料で作った「マドレーヌ」や、アーモンドヌガーたっぷりの「フロランタン」がとくにおすすめだそう。

左から2番目のオレンジ色のケーキが「マロニエ」

パティスリーシュール ミガワ
水戸を訪れたら、地元に愛される銘菓や、地域の食材を使用した茨城ならではのスイーツがあるご紹介した4軒に立ち寄って、水戸ならではのスイーツを選んでみてはいかが。
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文:細江まゆみ 写真:加藤熊三
スイーツ・お菓子
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