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2025.10.29
森に溶け込む築450年の古民家レストランでゆったりランチ♪ 湘南唯一の蔵元が営む「モキチ トラットリア」
茅ヶ崎駅から少し足を伸ばした、住宅街の一角。「MOKICHI TRATTORIA (モキチ トラットリア)」は、明治5年創業の老舗「熊澤酒造」が営むダイニングレストラン。築450年の古民家を活かしたモダンな空間で、ゆったりおいしい時間を過ごせます。おすすめは、平日限定のお得なピザランチ。彩豊かなサラダや、モキチベーカリーのパン盛り合わせ、季節のドルチェもセットになって、心もお腹も大よろこび。初めて訪れる人は「湘南にこんな場所があったなんて…」と驚くはず。
緑のトンネルを抜け、隠れ家的なお店へ

敷地内への入り口
茅ヶ崎駅から車で約10分。最寄り駅の香川駅からだと、歩いて5分ほど。注意していないと、うっかり通り過ぎてしまいそうな住宅街の一角にエントランスがあります。 奥へとゆるやかに続く小径は、すぐそこが駅とは思えないほど異世界感たっぷり。緑に包まれたトンネルを一歩、また一歩…。足を進めるたび、「この先に、どんなすてきな物語が待っているんだろう」と想像を掻き立てられます。

上部に設えた木彫りの意匠から、当時の職人の手仕事が伝わってくる
和モダンな空間になじむ、北欧デザインの名作照明

ポール・ヘニングセンの代表作が店の顔に
この建物は、1624年に武州金沢のお屋敷として建てられたもの。昭和初期、実業家・菅原道済によって鎌倉山へ移築されたのち、現在の場所へと移され、2年半かけてよみがえりました。 訪れた人を出迎えるのは、ポール・ヘニングセンが1958年に発表した照明「アーティチョーク」。時代を超えて愛される巨匠の名作が、目の前に。インテリア好きなら、ときめかずにはいられません。

太い梁や格子などは、当時のものをそのまま活かした造り

リニューアル前から使われていた食器棚は、今も衝立として店内に。棚の中には、独特の存在感を放つヴィンテージ雑貨が飾られています。

そして、右手のスペースには、2つの印象的な照明が吊るされています。巨大な球体のシャンデリアは、かつてフランスの邸宅で使われていたもの。黒いペンダントライトは、フランスの工場で実際に使われていたヴィンテージ。ひとつひとつがセンス良く配され、渋みや深みをもたらしています。


この場所からは、ライブキッチンの様子も見られます。シンボルともいえる薪窯は、1950年代に使っていた酒造りのタンクをかぶせた、世界に二つとない手造り。約400度の炎でピザが焼き上がる瞬間は、まるでショーを見ているでドキドキ。

建物は2階建て。2階は天井が低く、アメ色の梁が頭上に見えるほどの近さです。今も使われているこの梁は、建築当初のもの。約450年の歴史がしみこんでいて、どっしりとした風格を感じられます。

さらに、2階のドリンクカウンターには、湘南ビールが開業したときに特約店に配られた、看板が飾られています。 このビールをつくっているのは、湘南でただひとつの酒蔵「熊澤酒造」。冬しか仕込めない日本酒の代わりに、夏でもつくれるお酒として、1996年にクラフトビールを作り始めました。そんな敷地内で醸造されたビールを、“できたて”の状態で味わえるのも、このお店ならでは。
お得な平日限定のピザランチ

「ピッツァのランチ」(2500円)
おすすめは、「モキチトラットリア」の味をお得に楽しめる、平日限定ランチセット。月替わりで替わるメインに、モキチベーカリーのパン盛り合わせ、前菜、ミニデザート、ドリンクがついてきます。

地元の無農薬野菜を中心に使った前菜
前菜は生野菜に加えて、ボイル野菜やラタトゥイユ、イタリアの家庭料理「ポレンタ」も盛り込まれた、満足感のある一皿。サラダには野菜のゼリーが添えられ、皿の上には、おからとオリーブを使った“大地”の演出も。

パンアラビエール、レザンノアなど

この日のピザは、「3種茸と熟成粕香る豚挽き肉の木こり風 トマトソースピッツァ」。 薪窯で焼き上げたピザは、縁がカリッと香ばしく、内側はもっちり。さっぱり目のトマトソース、香り豊かなキノコ、熊澤酒造の熟成麹で漬け込んだ旨味たっぷりのひき肉、とろけるチーズが一体となって、口の中が幸福感でいっぱいに。

ドリンクはコーヒーor紅茶orフルーツハーブティーからセレクト
熊澤酒造の熟成麹は、デザートにも活用されています。この日のミニデザート、パウンドケーキには、生地に練り込まれていました。食べてみると、しっとり、やさしい甘さが口の中にほどけていくよう。

「酒粕ガトーショコラ」(850円)、「洋梨レモネード(ソーダorウォーター)(780円)」
さらに「酒粕ガトーショコラ」は、熊澤酒造の酒粕を使ったビタースイーツ。ひと口で広がる芳醇な香りと、奥行きのある味わいにうっとり。甘さ控えめの、大人の味わいです。米麹を使った洋梨のレモネードとも、相性バツグン。

ビールは年間を通して、10〜12種類を用意。「ショートサイズ」250ml(750円~)

季節によって表情を変える中庭のシンボルツリー・メタセコイア
日常の喧騒を離れて、のんびりとランチを楽しめる「モキチ トラットリア」。ランチタイムは、11時30分・12時・13時30分の3枠で予約を受け付けています。人気店なので、事前予約のうえ、お出かけくださいね。

MOKICHI TRATTORIA
モキチ トラットリア
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安藤美紀
Writer
安藤美紀

湘南を拠点に全国を旅するフリーライター。執筆した記事は1000以上。温泉の資格も複数保持。
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