山の手の閑静な住宅街にある白い洋館

品川駅の高輪口を出て、第一京浜沿いを歩いて行くと御殿山ガーデンが見えてきます。そこから閑静な住宅街に入ってすぐのところに、白い洋館の原美術館があります。大正・昭和の実業家、原邦造の邸宅として建てられ、1979年に美術館としてオープンしました。2008年には全館リニューアルも行われています。

トイレにもユニークな常設インスタレーションが

館内に入り、まず目がいくのは存在感のある階段。そして、美しい曲線を描いた廊下です。私邸だった頃、ホームシアターとしても使われていたという広い客間にも引き込まれます。 この個性的な建築様式を十分に活かして、現代アートが展示されています。中でも面白いのが、トイレをそのままアートとして活用しているところ。常設の作品、森村泰昌の「輪舞（ロンド）」です。

不定期に変わる奈良美智の「My Drawing Room」

奈良美智 「My Drawing Room」2004年8月～ ／制作協力：graf ／撮影：木奥惠三

階段を上がって２階に行くと奥に、奈良美智の常設インスタレーション「My Drawing Room」があります。 たまに奈良さんご本人が来館し、置いてある作品の配置を変えたり、クリスマス時期にクリスマスツリーを置いて行ったりするそうです。 いつ何が変わるかは分からず、何か変化があったら原美術館のTwitter（https://twitter.com/haramuseum）でお知らせしてくれるとのこと。

緑に囲まれた静かな庭に面したカフェでホッと一息

ヘンリー ダーガー展のイメージケーキ 735円

芝生の中庭に面したガラス張りの「カフェ ダール」には、入館した人しか入れません。このカフェのファンも多いのだとか。展示されているアートをイメージしたケーキは、かわいくて食べるのがもったいないくらい。 中庭に出ると、そこにもさり気なく色々な作品が展示されています。静かな風を感じながら庭にたたずんでいると、どこにいるか忘れてしまいそう。心が落ち着きます。 もともと私邸というだけあって、誰かの家にお邪魔したような、くつろいだ気分でアートを鑑賞できる。そんな美術館です。