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2014.06.17
アジサイ咲く飯森山公園を散策し、「土門拳記念館」を訪ねてみませんか?
酒田市出身の写真家・土門拳の記念館がある飯森山公園は、全国有数のアジサイの名所。色も形も多彩なアジサイの花園を散策して、可憐な花に元気をもらい、イサム・ノグチの彫刻がある土門拳記念館に立ち寄って、巨匠たちのアートに触れる心豊かな休日を過ごしてみませんか。
池の周りを彩る気品あふれるアジサイの花

101種類1万200株のアジサイが彩る池の周りをさんぽ
酒田駅からバスで約16分。市内中心部から出羽大橋で最上川を渡ると、「向う酒田」と呼ばれる自然豊かな文教地区があり、広々した飯森山公園が見えてきます。 こちらは全国屈指のアジサイの名所。6月下旬から7月上旬にかけて、その美しさはちょっと言葉にならないほどです。 公園の一角には斬新な設計が人目をひく「土門拳記念館」が建っています。建物の前には明るい人工池「白鳥池」があり、周囲には、101種約1万200株という豪華な規模のアジサイ園が広がっています。 まずは池を巡って、多彩な花々の饗宴をゆっくり楽しんでみましょう。気品が漂う大輪の紫、可憐なピンクの花、レースのように繊細な白い花、一口にアジサイといっても、その色や形はさまざまで、ひとつひとつ眺めながら歩いていると、時の経つのも忘れるほどです。 花々に癒されてふと目線を上げれば、アジサイの花越しに光が戯れる白鳥池、土門拳記念館のシャープな建物、その背後に鳥海山が聳える壮大な風景が、一枚の絵となって目に飛び込んできます。 アジサイは、梅雨に濡れるしっとりした風情も、梅雨の晴れ間の夏空の下で鮮やかに輝きを放つ様も、とちらもとっても魅力的。瑞々しい花のそばに立てば、それだけで気分が浮き立ち元気が湧いてきそうです。 ○飯森山公園(いいもりやまこうえん) [所]山形県酒田市飯森山2-13
静かな展示室で迫真の写真作品と対話する

色彩豊かなアジサイの花に心を躍らせた後は、土門拳記念館へ。 静謐な仏像や寺院を題材にした代表作「古寺巡礼」をはじめ、大きく引き伸ばされた数々の写真は、どれも時代を超えて奥深い日本の美について私たちに語りかけてくるかのようです。 1983(昭和58)年に開館した日本初の写真美術館。設計者はニューヨーク現代美術館新館も手掛けた谷口吉生氏です。作品の印象だけが強く 残るようにと設計 された展示室はとってもシンプル。写真保護のために少し照明を落とした展示室で、仏像の写真に向かい合う張りつめた時間は、この作品、この空間ならではの特別な体験です。
イサム・ノグチの彫刻のある中庭で時を忘れる

イサム・ノグチの彫刻のある中庭
土門拳記念館の見どころは、展示室だけではありません。そこは生前の土門拳と親交のあった多くの芸術家たちが、庭の設計や彫刻のなどで「友情出演」している、ぜいたくなアート空間だからです。 まずは、イサム・ノグチの彫刻のある中庭へ。そこには、温かくて厳しい不思議な存在感を放つ「土門さん」の像が静かにたたずんでいます。 館内の視聴覚室からは、勅使河原宏が作った庭が望めます。直線的な建物とは対照的に全部曲線で表現した「流れ」という名の枯山水。ほの暗い室内の椅子に座って、流麗な線が織りなす枯山水の庭を眺めていると、普段は感じられないような静かな境地がひたひたと体の中に満ちてくるようです。 アジサイの花咲く公園で多彩な花の饗宴に酔いしれ、芸術家たちが心を傾けた極上のアート空間に立ち寄って、心豊かな初夏の一日を過ごしてみてください。

ラウンジから眺める勅使河原蒼風デザインの庭にうっとり

土門拳記念館
ドモンケンキネンカン
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横橋美奈子
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