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2014.11.29
沖縄・名護市のまちぐゎー(市場)に溶け込む「inno coffee shop」
沖縄本島北部エリアの拠点、名護市にある市営市場。その裏手に、控えめに、ですがもう何年もそこにあるような存在感をかもし出しているコーヒースタンドがあります。

懐かしいムードが漂う路地裏に、ひっそり
お店の名前は「inno coffee shop」。隣接する市営市場は市街地のアイコン的存在で、昔ながらの精肉店、菓子店、衣料品店が並ぶ一角。ノスタルジックな雰囲気が残るこの界隈を散策すれば、旅人でも地元っ子気分が味わえます。 また、名護は2014年9月に放映された映画『がじまる食堂の恋』のロケ地として登場したりと、いま気になるエリアです。

手作り感いっぱいの小さなコーヒースタンド

沖縄の方言で、小さな商店や商店が軒を連ねる商店街のことを「まちぐゎー」と言います。その雑多なまちぐゎーの路地裏に、この小さなコーヒースタンドがオープンしたのは2013年の冬。 古めかしい木材や壁材を使い、どことなく温かみを感じる店構え。あたりに漂うコーヒーの香り。直感的においしいコーヒーとの出合いを予感し、心なしか早足になります。 店の小窓をのぞくと、コーヒーを淹れているマスターがお出迎え。店主の松井さんは店構え同様、優しい印象のメガネ男子。聞けば、入口の木枠や小窓など大がかりな改装を松井さんご夫妻で仕上げたのだそう。作り手の想いが伝わる、あったかくて親しみやすいお店です。


地元食材とコーヒーのgoodコンビネーション

メニュー表には、地元食材を取り入れたコーヒーがラインナップ。隣おの大宜味村のきゆな牧場から直接仕入れる生乳と、黒糖を組み合わせた「黒糖ミルクコーヒー」はコーヒーの苦みを打ち消すことなく、味のアクセントになっている黒糖とコクのある生乳のバランスが絶妙です。 また、「ナグーノ」は深みのあるコーヒーに、爽やかな酸味をプラスした一杯。エスプレッソに砂糖とレモンを合わせて飲むイタリア風のコーヒー「ロマーノ」をアレンジして、名護の特産「勝山シークヮーサー」をレモンの代わりに加えています。アメリカーノとエスプレッソでどうぞ。

黒糖ミルクコーヒー(480円)

アメリカーノ・ナグーノ(300円)

毎日、焙煎したての豆がスタンバイ

夕暮れ時になると、1kg釜でコーヒー豆を自家焙煎するのが松井さんの日課。鮮度の良さはもちろん、さまざまな産地や豆の個性に合わせて、ベストな焙煎方法で煎るので、焙煎する松井さんの感性が光る、手間ひまかけたコーヒーが楽しめるのです。レジの横で、10種類程度の豆を販売しています。 「コーヒーという、人によっては取るに足らないものを媒介に、街や人とつながっていきたい」という松井さんの気持ちは、小さな豆から大きな人のつながりへ、どんどん拡散中。 今ではお客さんから「手軽に本格的なコーヒーが飲める場所ができてうれしい」という感謝の声をかけてもらえるほどの評判店に。のどかな街角のご当地コーヒーで、ひと息ついて行きませんか?


inno coffee shop
イノーコーヒーショップ
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文:砂川有紀/写真:上原哲郎
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