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2016.10.04
金沢発。女性作家さんのセンスが光る、キュートな伝統工芸こもの3選
※こちらの記事は、2016年10月4日に公開されたものです。 裕福な加賀藩の城下町だった金沢。昔から伝統工芸が盛んな街として有名で、「石を投げれば作家(職人)に当たる」と言われるほどです。 そんな金沢の工芸界には、女性作家も多く、繊細さや色使いなどやわらかなセンスが作風に反映されています。なかでも、水引、金工、ゆびぬきと各ジャンルで注目を集める金沢在住の3人の気鋭作家さんを訪ねました。 どれも思わず「かわいい」と手にとりたくなるものばかりですよ。
加賀水引を現代風にアレンジ「mizuhikimie」

(左)作家の東郷美栄子さん (右)葉っぱモチーフのピアス
ご主人の仕事の都合で金沢に移住した際、伝統工芸である加賀水引に出会ったという東郷美栄子さん。以来、その魅力に引き付けられ、市内で行なわれていたワークショップに足を運ぶようになったのだとか。そこで学んだ技術をもとに、鮮やかな水引のカラーバリエーションを生かして、自分も身につけたくなるようなものを作ろうと思い立ち、オリジナル作品の制作を開始するようになりました。

(左)水引の色見本(右上)りぼんブローチ(各1700円)(右下)ヘアピン(500円 ~)、バレッタ(2500円)
工芸品のイメージを一新するユニークでポップなアクセサリーやご祝儀袋は、SNSでたちまち人気を博し、2014年にオリジナルブランドを設立。本格的に作家としてのスタートを切りました。現在は、水引を使ったデザイン業にも挑戦中とあって、さらに違った水引の魅力を伝えてくれそうです。

玉むすびピアス(2000円)
○mizuhikimie(ミズヒキミー)が購入できる場所 [限定アクセサリー] 群青の広見(あおのひろみ) [住所]石川県金沢市木ノ新保町1-1 金沢百番街「あんと」 [TEL] 076-260-3700(代) [時間]8:30 ~20:00 [休]無休
ぬくもりを感じる、西川美穂さんの金工作品

(左)作家の西川美穂さん(右)人気が高いパスタフォークやスープスプーン(各2000円~)
金沢市内の住宅街にある古い民家に、金工作家・西川美穂さんの工房があります。カトラリーやアクセサリーを制作したり、展示会を行なったりと大忙しで、全国にファンを持つ人気作家です。西川さんの作るものは、金属にもかかわらず、やわらかくやさしい印象があります。金属は叩くと固くなるため、熱してやわらかくしてまた叩くという作業を繰り返して形を作っていくそうです。

西川さんのライフワークである金属で作る箱もの作品と、繊細な形のアクセサリー
金属でできた小さな箱の作品も代表作のひとつ。学生時代から作っているそうで、西川さんが生涯テーマにしている〝箱もの作品〟です。 「小さい頃から箱が好きで集めていましたね。プレゼントをもらったときの箱を開ける喜びを表現したくて」と西川さん。「わたしが作って意味のあるものを作りたい」と、自信作である〝箱もの作品〟への思いを語ってくれました。
万華鏡みたい。「加賀てまり毬屋」のゆびぬき

目が覚めるような鮮やかで細やかな柄を纏ったゆびぬき。こちらはすべて大西さんの作品
金沢に伝わる工芸のひとつに「加賀ゆびぬき」があります。加賀友禅の着物を仕立てるお針子さんが、余った糸で作ったことが起源とされ、色とりどりの絹糸を1本ずつかがり、幾何学模様のような配色に仕上げるのが特徴です。

(左)作家の大西由紀子さん (右上)ゆびぬき用の糸。和裁に使うのと同じ絹の縫い糸で200色以上
そんな加賀ゆびぬきの伝統を受け継ぎ、今に伝えるのが「加賀てまり毬屋」の大西由紀子さんです。加賀てまりを作る名人だった祖母と、その下で学んだ母から、大西さんは加賀ゆびぬき作りを教わりました。 「他県の大学に進学した際、金沢の文化の独特さに気付きました。金沢でもの作りがしたいと、地元に戻って、ゆびぬき作りを学ぶことにしたんです」と大西さん。店舗で教室を運営するほか、来年5月には金沢21世紀美術館で、全国から手作りのゆびぬきを集めた展示会も開催予定。ゆびぬきの魅力を伝えるべく、精力的に活動中です。

○加賀てまり毬屋(かがてまりまりや) [住所]石川県金沢市南町5-7 小出南ビル1F [TEL] 076- 231-7660 [時間]9:30 ~18:00 [休]火・水曜
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ことりっぷ編集部
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