349
2017.06.11
絶景も楽しめる。“天空の寺”秩父「大陽寺」で、癒しの宿坊体験
埼玉・秩父の山奥にひっそりと佇む「大陽寺(たいようじ)」。こちらのお寺に泊まる宿坊体験が、初めての人でも楽しめるという評判で日本人だけでなく海外からも多くの人が訪れています。 厳しい修行は一切なく、大自然のなかでゆっくりと過ごせる時間は、忙しい日々に慣れた自分をそっと癒してくれますよ。
山に囲まれ、森林に埋もれたお寺
山の上にあるため“日本のマチュピチュ”と呼ばれることも
携帯の電波も届かない「大陽寺」が位置するのは、秩父鉄道の終着駅・三峰口駅から11km離れた山の奥地。駅からだと徒歩で2時間以上かかりますが、宿泊する場合は駅からお寺まで送迎を出してくれます(要予約)。
鎌倉時代末期に開山し、歴史は700年以上
敷地内に一歩足を踏み入れると漂う静寂さ。聞こえてくるのは、葉っぱが風に揺れる音や小鳥のさえずりという普段耳に入らない音。 息を大きく吸い込むと爽やかな森林の香りが身体中に満たされ、思わずほっと一息が。
自分のペースで過ごせる、心地よい自由さ
可愛いイラストつきの予定表
春から秋にかけて泊まれる宿坊プラン(1泊あたり¥9000 朝夕つき)では、坐禅や写経などの体験を受けることができ、全て自由参加。 “無理に参加せず、ここでは自然体な自分でいて欲しい”という浅見住職の思いが感じられます。
本殿の長く広がった縁側は太陽の光に照らされ、写経をするのに絶好の場所。筆ペンでお経を一文字ずつなぞれば、次第に頭の中がクリアな状態になってきます。
夜は星空を眺められることも
雄大な自然をより満喫できるのが、絶景をひとり占めできる露天風呂。住職の手作りと聞き、驚く人も多いとか。
まるで旅館に出てきそうな美味しい食事ににっこり
ヘルシーで身体に優しい精進料理は栄養バランスもばっちり
こちらの宿坊で、大好評なのが朝夕に食べられる“精進料理”。お肉やお魚を一切使わず、野菜のみで調理するのが特徴です。 この日の献立は、野菜のかき揚げ、高野豆腐のきのこ和え、なすのオーブン焼き、ほうれん草のごま和え、それにふろふき大根には自家製の唐辛子味噌が添えられるなどボリュームがたっぷり。 味つけも優しめで、野菜本来の旨みがじゅわっと口の中に広がります。
食事をつくるのも、浅見住職が一人で行います。季節感が感じられる献立に気を配り、ひとつひとつ丁寧に調理していきます。
特に宿泊者から人気なのが、朝食に登場する“けんちん汁”。しいたけの柔らかく甘い出汁に、お豆腐やにんじん、大根がごろごろと入り、食べごたえのある一品です。
晴れた日は、縁側で朝食を食べることも多いとのこと。 開放感が感じられ、ご飯もすすみそうですね。
宿坊体験でおすすめしたい、お寺の立地を生かした坐禅
場所を選ばずに行える坐禅ですが、ここ大陽寺ならではの魅力があります。簡単な作法を教わった後、“特等席でぜひ坐禅をしてみてくださいね”と微笑む住職。 また、こちらには坐禅堂ともうひとつ、廊下でも坐禅を行えるスペースがあります。
廊下の窓から見えてくるのは、目の前に迫ってくる大自然のパノラマ。切り立った場所に坐禅堂があるため、まるで空に浮いているよう。まさに“天空の寺”ですね。
自然のなかにいると、自分もその一部になる感覚に。 心地よい朝の時間が流れます。
宿坊のすべてをひとりで行う、浅見住職
“自然のなかにいると自分もだんだん自然体になり、悩みや考えにとらわれず、今の時間を大切に感じるようになります。大陽寺の魅力である、この自然をぜひ体感してほしいです”と穏やかに話す、浅見住職。
夜の法話の時間。質問形式で話が進むことも
年に数人だった宿泊者も最近では週末だけでなく平日も訪れ、リピーターも多いのだとか。 四季折々で違う雰囲気を楽しめるのはもちろんのこと、無理せず自然体になれる大陽寺の優しい空間も通い続けたくなる秘密なのかもしれませんね。
大陽寺
タイヨウデラ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
浅井みらの
の人気記事