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2015.07.31
京都・北白川で楽しむ彩り鮮やかなベトナムフレンチ「スアン」
京都の市街地からひと足のばして北白川へ。閑静な住宅街にあるベトナムフレンチレストラン「XUAN」(スアン)では、地元産の野菜をたっぷり使った本場さながらのベトナム料理が楽しめます。
疏水沿いのモダンな一軒家。小さな看板が目印です
市バス銀閣寺道停留所から、北の方角へ歩いて5分程度。今出川通のひと筋北を走る志賀越道から分かれる路地に建つ「スアン」は、フレンチの要素を取り入れたベトナム料理のレストランです。昨年、京都でもっともにぎやかな四条エリアから移転。リニューアルオープンした場所は、近くに疏水が流れ、地元の人がいつものんびりと散歩を楽しんでいる静かな住宅街の一角にあります。 ベトナム料理といえば大衆的な屋台がすぐに思い浮かびますが、歴史的な経緯もあり、フランスの文化を取り入れたおしゃれなレストランも多いそう。「ちょっとおめかしして出かけるようなベトナムの素敵なレストランをイメージしています」と、シェフとともにお店を切り盛りするマダム・桑島依子さんが教えてくれました。
ゆっくりと時間をかけて楽しみたい昼限定のミニコース
北白川ランチミニコース
おすすめは、店を訪れる人のほとんどがオーダーするという「北白川ランチミニコース」(1944円)。葉っぱの形をしたオリジナルのプレートに盛り付けられた5種のオードブルをはじめ、京野菜サラダ、季節のメイン料理、鶏のフォーの5品にベトナムコーヒーか蓮茶がつきます。 「ベトナム料理の最大の魅力は新鮮な野菜をたっぷりと使うこと」とシェフは言います。温暖な気候のもと、農作物がふんだんに採れるベトナムでは、その日の朝に収穫した野菜をたっぷり使うのが当たり前。その習慣を再現してこそ本場の味が再現できると考えたシェフは、市場からの仕入れをやめて自ら農園に足を運んで野菜を仕入れることにしたそうです。「スアン」で使う野菜はすべて有機野菜。農家と二人三脚で作り上げてきたという野菜の数々は、どれも驚くほど濃い味がします。
現地調達から老舗の利用まで。素材のひとつひとつを吟味
コースにつく鶏のフォー。エビ、牛、チャーシューなど具材を選べるコースもあります
ベトナム料理に欠かせないライスペーパーやフォーなどは、現地の人が手作りしている品質の良いものを直接仕入れて使っています。たとえばライスペーパーは、生春巻きには野菜の水分だけで柔らかくなるほど薄いものを、揚げ春巻きには軽く上がるよう網目の入ったものを使うなど、現地の人にならって数種のものを使い分けるそう。また、ベトナムはソースの種類が豊富で、かつ料理との組み合わせがしっかり決まっているので、「スアン」でも料理の一つひとつにあわせソースをていねいに作っています。 とりわけおいしいと評判なのが、生春巻きに使う味噌だれ。現地では赤みそベースが主流ですが、ここでは京風にアレンジした白みそベース。ベースとなる白みそは老舗の味噌屋で特別にあわせてもらっているそうです。
年に数回ベトナムを訪問。現地の雑貨も販売しています
シェフとマダムは、毎年数回ベトナムを訪れるそう。ベトナム料理の今を知るとともに、「私にとっては、原点に立ち返るいい機会になっています」とシェフは言います。 ベトナムに通いはじめてから15年以上経つという「スアン」では、現地の職人とのつながりからアオザイのオーダーも受けています。また店内では、現地で購入したり、オリジナルで作ったりしている雑貨も販売。どれも素材や使い勝手にこだわったものばかりなので、普段使いにも重宝しそうです。 京都大学に近いという場所柄、ベトナムからの留学生も多く訪れるといいます。そんな彼らが「この店が、地元にもあったらいいのに」というくらい現地さながらの料理を提供する「スアン」。気さくなシェフとマダムの笑い声が絶えない居心地よいお店です。ぜひ一度、足を運んでみませんか。
ベトナムフレンチ XUAN
ベトナムフレンチスアン
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清塚あきこ
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