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2018.08.13
祇園の町家カフェで見つけた新・京都みやげ! 和素材がアクセントの「祇園クッキー」
祇園の西花見小路通にオープンした町家カフェ「万治カフェ」では、京都の老舗洋菓子店カトレアのお菓子がいただけるとともに、和素材を使った京都らしい焼菓子の詰め合わせが手みやげとして人気となっています。完成までに2年をかけたというそのクッキーとは?
1864年創業の炭販売店を改装したカフェ
石畳が敷きつめられた風情ある路地
京阪祇園四条駅から徒歩6分。祇園のメインストリート花見小路を1本西に入った細い風情ある路地にたたずむのが今回ご紹介する「万治カフェ」です。 こちらは元々オーナーご夫妻の奥様の生家であった場所。文久元(1864)年に、京都で歴史あるお茶屋の分家として茶屋ゆかりの「万」の字をもらい、「万治」という屋号で炭を販売したのがはじまりで、以降、時代に合わせて扱う商品を変えながらこの地で長く商売を営んできました。 生まれ育ったこの地で、もっと人同士がつながりあえるような空間を作りたい、との想いから建物を改装、2017年11月にカフェとしてオープンしました。
苔が美しい坪庭が望める席
昔ながらの土壁や障子にシンプルでモダンな家具が調和し、懐かしくも新しい落ち着いた空間。靴を脱いであがるスタイルなので、歩き疲れた足を伸ばしてゆったりとくつろげるところも魅力のひとつ。 こちらではオーナーのご主人が社長を務める洋菓子店「カトレヤ」のお菓子がいただけるとともに、おみやげにぴったりな京都らしい焼菓子が並びます。
広々とした店内。奥にはカウンター席も
完成までに2年を費やしたクッキーアソート
「祇園クッキー 万じセレクション」(2808円) ※取り置き可
ふたを開けて目にとびこんでくるのは、祇園のシンボルであるつなぎ団子が描かれた提灯に黄色のアイシングで飾られた千鳥。缶いっぱいに敷き詰められた焼菓子に思わず心がおどります。 提灯型のクッキーは柚子の香りがふわりとただようサブレ、中央の細長い焼菓子はお味噌のような風味の大徳寺納豆を隠し味にしたビスコッティ、甘さ控えめな抹茶のボルボロン、千鳥のクッキーはココナッツに白ゴマを合わせた香ばしいサブレ、小さくコロコロしたメレンゲ、そして山椒の香りと塩気がチョコレートに不思議と合うクッキー。食感も味も異なる6種類の焼菓子が楽しめる詰め合わせは、味も形も京都らしいと今ひそかに人気を集めています。 実はこちらのクッキーたち、何と完成までに2年の歳月をかけたそう。たとえば「山椒とチョコレートクッキー」は、熱で山椒の香りが飛んでしまったことから粉山椒を実山椒に変更。実山椒にしたものの今度は皮が口に残り食感が損なわれてしまったため、各地の実山椒を試し、皮が柔らかい丹波産の実山椒にたどり着いたといいます。 他にも素材の工夫を重ね、今の華やかで京都らしい焼菓子が誕生しました。 ひとつひとつ手づくりのため、量産できないそうなのでお求めの際は事前に電話で問い合わせを。
メレンゲがサクサクの「できたてモンブラン」
「できたてモンブランと抹茶のセット」(1512円)は小菓子付き
こちらでぜひいただきたいのが、注文を受けてから仕上げられるお菓子たち。「できたてモンブラン」は注文後クリームを絞ってくれるので土台のメレンゲがサクサク!和栗を使った濃厚なクリームとメレンゲの軽い食感が相性抜群です。 コーヒーや紅茶もおすすめですが、京都に来たのなら老舗茶匠の抹茶を味わってみて。祇園辻利の長久の白と柳桜園の初音の2種類から選べます。 また器にもぜひ注目を。この日モンブランのお皿は昔「都をどり」で配られたもので、オーナーのお父様である先代のコレクション。今では見かけない手描きのだんご模様に京都の歴史を感じます。
すべて手づくりの焼菓子は大切な人への贈り物に
「抹茶のブラウニーとほうじ茶のブラウニー」(各1944円)など
お店に入ってすぐ右手には焼菓子を販売するコーナーがあり、祇園クッキーのほか、京都らしさを感じるお菓子がそろいます。 洋菓子店で培われた確かな技術で作られたおいしいお菓子たち。祇園散策の休憩に、また大切な方への贈り物を求めに、ぜひ訪れてみて下さい。
万治カフェ
マンジカフェ
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鈴木玲奈 写真:小川康貴
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