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2018.09.07
海や山里の風景を眺めながら、時間を忘れて滞在したくなる房総のカフェ5選
太平洋を望む港町に停車したり、田畑に囲まれた山里を走ったり。房総半島をぐるりと走る列車に乗って旅をすると、訪れる先々で心に残る素朴な風景に出会えます。ドライブ旅では渋滞が心配ですが、列車旅ならオンスケジュール。日帰り旅も気軽にできます。まずはJR新宿駅から土・日曜、祝日運行の特急新宿さざなみに乗って約2時間、温暖な気候の南房総へ。旅の目的は、すてきな出会いや体験が待っている小さなカフェです。
【館山駅】海辺のスタジオでヨガが楽しめる「SEA DAYS」

スムージー(580円~)はエナジーやビューティーなどのテーマから選んで
南房総の旅はJR館山駅が起点。駅から館山湾方面に10分ほど歩くと、海岸沿いの通りにカフェ「SEA DAYS」があります。 こちらでいただきたいのは、グリーンスムージーの第一人者である山口蝶子さんが監修した特製のスムージー。気分や効能ごとに選べるメニューがそろい、海を望む店内や屋上でいただけば、心身ともにリラックスできます。

トライアルヨガ体験(1回2700円)。アロマヨガやボールケアマッサージなど多彩。要予約で、定員に空きがあれば当日も申し込み可能
カフェの楽しみはもうひとつ。フィットネススタジオが併設されていて、旅行者でもトライアルでヨガ体験ができます。開け放たれたガラス戸からは明るい太陽の光が差し込み、風に乗って潮の香りが。10人ほどでいっぱいになる小さなスタジオでは、アットホームな雰囲気でレッスンが受けられます。 ヨガと同じくお試しで参加できる、館山湾でのSUP体験も気になるところ。丁寧に指導してくれるので、初心者でも安心して挑戦できますよ。

弓状に広がる館山湾の中ほどにある北条海岸がすぐ目の前
シャワールームでヨガの汗を流した後は、周辺さんぽへ出発。カフェの前に広がる北条海岸を歩いたり、JR館山駅の横にある観光協会で電動レンタサイクルを利用してみたり。陸続きになっている沖ノ島など、自然豊かな海景色に癒されます。

SEA DAYS
シーデイズ
【千倉駅】太平洋を見ながらくつろげる「散歩カフェ」

サラミやオリーブののったミックスピザ(630円)、マンゴースムージー(500円)
館山駅からJR内房線で2駅先の千倉駅。駅前から路線バスに乗り、15分ほどで「道の駅 ちくら・潮風王国」に到着します。目の前には太平洋が広がり、磯遊びができる千田海岸や海に面した芝生広場など、開放的な風景が広がります。 こちらの施設内にあるのが「散歩カフェ」。船や貝殻をモチーフにしたかわいい雑貨が飾られた店内はビーチハウスのよう。海岸さんぽの途中でふらりと立ち寄る人も多く、窓から見える海を眺めながら、ピザやホットドッグなどの軽食のほか、本格的なカプチーノやラテ、季節のソフトクリームなども楽しめます。

カフェのある建物に隣接する船形の展望台からの眺め。太平洋や芝生広場を一望
軽食やドリンクはテイクアウトもOK。屋外に広がる芝生広場にはベンチやテーブルがあるので、天気のいい日にはピクニックをするのもおすすめですよ。

カフェではオーナーがセレクトしたマリンテイストのマグやトートバック、文具のほか、地元の大工さんが作った木工雑貨などを販売
帰りにはカフェの雑貨コーナーや、特産品などが売られている道の駅でおみやげ探しも楽しんで。

散歩カフェ
サンポカフェ
【長者町駅】「ブラウンズフィールド」で自然暮らしを体感

目の前に田園風景が広がる「ライステラスカフェ」
房総では里山のカフェも魅力的です。JR外房線の長者町駅からタクシーで11分ほど。いすみ市にある「ブラウンズフィールド」は、写真家のエバレット・ブラウンさんと料理研究家の中島デコさんがプロデュースした、半自給自足の暮らしを提案する複合施設です。広大な敷地内にはカフェや宿泊施設があり、食や体験を通して、古くて新しい房総のファームステイ気分が楽しめます。

米粉のクッキー(2個250円~)や酵素ジュース(キウイ、梅など各600円)(左)、カフェの店内(右)
「ライステラスカフェ」では、卵や乳製品、砂糖を使わない焼き菓子や、豆乳を使ったスイーツが好評。農園で採れるフルーツを使った酵素ジュース、大麦やライ麦などを原料にしたコーヒーに豆乳を入れた穀物ラテ(600円)など、ちょっと珍しくて体にやさしいドリンクもそろっていますよ。 お昼どきには、羽釜炊きの玄米、6種類のおかず、自家製塩糀のスープなどがつく、玄米菜食を基本とする週替わりのランチプレート(1200円)を。目の前の田んぼで収穫された米や無農薬野菜、自家製の調味料を使った、動物性の素材を一切使わない食事を楽しんで。

客室の一例(左)、一枚板の机が印象的な食事処(右上)、羽釜で炊いたご飯がおいしい和食コースの夕食(右下)
敷地内にある宿・慈慈の邸(じじのいえ)に泊まれば、さらにのんびりとした時間が過ごせます。藁、粘土、竹など地元の自然素材を使って改装した古民家で、「テロワール(その土地の味わい)と発酵」をコンセプトにした夕・朝食でもてなしてくれます。 地元産のオーガニック野菜やブラウンズフィールドでつくられた加工品など、自然派食品&雑貨を扱うショップも敷地内にあるので、立ち寄ってみて。

ブラウンズフィールド
ブラウンズフィールド
http://brownsfield-jp.com/
慈慈の邸は1泊2食付き19440円(2名1室利用の場合の1名料金)、チェックイン15:00/チェックアウト11:00
【久留里駅】「古民家Cafe&Gallery 郷里」で里山ランチ

郷里ランチプレート(1512円)
木更津駅から、房総半島の内陸に向かってのんびり走るJR久留里線。久留里駅周辺は、江戸時代に城下町として栄えたレトロな雰囲気のエリアです。そんな町を抜け、タクシーで5分ほど走ると到着するのが「古民家Cafe&Gallery郷里」。築約140年の古民家を改装した居心地のいい建物は、周囲の里山風景にとけこんだ民話の世界のような趣があります。 4種あるランチメニューのなかでも、一番の人気は地元・君津の野菜をふんだんに使った日替りプレートランチ。この日はサクサクに揚げられた鮭のフライをメインに、卵焼き、サラダ、ひじきの和え物などのお惣菜が並びます。シンプルな料理ながら、新鮮な素材の味が引き立ち味わい深いものばかり。天然酵母を使った自家製パンも素朴なおいしさです。

珈琲(432円)、ごろっと入る実も香ばしいくるみのケーキ(378円)、セットで50円引き
食後には、手回し式焙煎器でじっくりと煎ったこだわりの豆を久留里の名水で淹れた香り高いコーヒーと自家製のスイーツで、ゆっくりくつろいで。

とんぼ玉工作(1人2000円+材料費)。10~16時の範囲で、のんびり工作体験ができる。予約をしたほうが無難
ランチのあとは、カフェの向かいにある蔵を利用したギャラリーに立ち寄りましょう。オーナーや友人が企画する写真や陶器の企画展を常時開催していて、のんびりとアートにふれることができます。 また、カフェに隣接した工房・いたづら工作室では、プロの作家に教わるとんぼ玉やステンドグラスなどのクラフト体験が楽しめますよ。

古民家Cafe&Gallery 郷里
コミンカカフェアンドギャラリーフルサト
http://kururifurusato.web.fc2.com/index.html
いたづら工作室は10:00~16:00、月・火・金曜日休(不定休あり)
【安房鴨川駅】「棚田カフェごんべい」で癒しのひと時

アンズジュース、しそジュース(各300円)。テイクアウトして、棚田を見下ろすロケーションに建つ棚田倶楽部のテラスなどでいただくこともできます
最後にご紹介するのは、美しい棚田と一緒にめぐりたい山里の古民家カフェ。稲作が盛んな鴨川市の長狭平野にあり、JR安房鴨川駅からバスで30分ほどの場所です。 バスを降りてから山あいの坂道を20分ほど歩くと、やがて視界がぱっと開け、千葉県指定の名勝でもある棚田・大山千枚田が眼下に現れます。絨毯のように広がる大小の田んぼと、棚田を見守るかのように連なる遠くの山々。穏やかな日本の原風景に、ウォーキングの疲れも吹き飛んでしまいます。 その棚田のすぐ近くにあるのが、「古民家レストラン 棚田カフェごんべい」です。大山千枚田を管理する棚田倶楽部が運営し、古民家を移築した店内は、田舎のおばあちゃんの家を訪れたような懐かしい気分になります。

地元のブランド米・長狭米を使ったチッコライスバーガー(500円)
メニューは、田んぼの周辺に植えられたアンズや梅の実からシロップを作った素朴なジュースや、市場には出回らないという希少な大山千枚田産のお米を使った料理。郷土料理をアレンジしたチッコライスバーガーもお試しを。

大小375枚の田んぼが連なる大山千枚田。10月上旬までは彼岸花が目を楽しませてくれ、2018年10月26日~2019年1月6日の期間は、棚田がLEDでライトアップされる幻想的な夜景色も見逃せません
古民家レストラン 棚田カフェごんべい
コミンカレストランタナダカフェゴンベイ
特急列車に乗ってのどかな房総半島へ
いかがでしたか?首都圏に位置していながら、自然に囲まれてゆったりとした時間を過ごせる房総半島。JRの特急列車を使えば、都心から館山駅や安房鴨川駅へ気軽に訪れることができます。現地では外房線や内房線などの列車に揺られながら、海へ山へと移り変わる風景をカメラにおさめたり。渋滞を気にせず、のんびりと旅をしてみたくなるエリアです。
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さとうようこ、田代萌 写真:井上英祐、齋藤雄輝、山下コウ太
JR東日本 千葉支社

房総半島へは、特急列車を利用するのが便利です。JR東京駅からは外房方面へ特急わかしおが運行。JR新宿駅からは、特急新宿さざなみと特急新宿わかしおが、土・日曜、祝日に運行しています。お出かけ前にチェックして、列車旅をどうぞお楽しみください。
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