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2018.10.06
都内のお寺でプラネタリウム!? 天文家の住職によるライブ解説に予約殺到の「プラネターリアム銀河座」
※こちらの記事は2018年10月6日に公開された記事です。 全国約300ヶ所にあるプラネタリウムのなかでも、お寺に併設されているのが珍しい「プラネターリアム銀河座」。オリジナルの番組や住職と女性解説員の2人のかけあいで行われる星空解説がおもしろいとリピーターも多く、予約がなかなか取れないほど人気です。
贅沢な気分で鑑賞できる私設のプラネリウム
證願寺は創建400年以上。天文台の建物に描かれた壁画や設置されたスペースシャトルの模型も探して
「プラネターリアム銀河座」は、葛飾区立石の「證願寺(しょうがんじ)」にあります。京成立石駅から5分ほど歩き、境内に入ると本堂の前にライオンの石像と恐竜のオブジェ。重厚感のある瓦屋根と円形の天文台が視界の中に一緒におさまる風景もユニークです。
投影は1時間、入場料は1000円(中学生以上限定)。靴を脱いで入り、リラックスして鑑賞できる
プラネタリウムの一般投影日は、毎月第1と第3土曜の月2回。完全予約制で、ホームページで発表される予約日に予約フォームから申し込み、抽選結果の返事を待ちましょう。投影当日は、待合室で温かいお茶のサービスもありますよ。
プラネタリウム本機の台をよく見るとさまざまなフィギュアが並び、Nゲージも走っている
投影室は60名を収容できる広さですが、ゆったりとした気分で星空を楽しんでほしいから定員を25名に。足を伸ばして座れるリクライニングシートが用意され、ふかふかのレザーに体が心地よく沈みこみます。寒い季節には床暖房も入って、快適です。
多才な住職が毎月制作する番組で宇宙へ
地球の周りを飛ぶ4000基の人工衛星を表した映像。オリジナル映像も多く使用
證願寺の第17代目住職で、銀河座の館長の春日了さんは、5歳の時に天文学者になろうと決め、天文一色の少年時代を過ごした人。大学では仏教を学び、国内外で活躍する声楽家や元CNNニュースキャスターとして幅広い活動を積み重ねた後、お寺を継いだのだとか。
東京上空に接近したハレー彗星をイメージした映像。解説に合わせて手動で投影する
そして、むずかしいと思われがちな仏教の教えをどうしたら人々に聞いてもらえるかを考えた時、思いついたのが少年時代に夢中になった天文学の世界。法話にプラネタリウムを取り入れたところ好評となり、一般の人向けの投影もするようになったそうです。
太陽系の惑星からほかの惑星を見ると、どのように見えるかがテーマの月も
一般投影では仏教の話はなく、星にオス・メスはある? 織姫と彦星は一生会えないって本当? 宝くじ当選者は双子座の人が多い? などのテーマを毎月設定。身近な話題から宇宙科学のあれこれにせまる話は、そうだったんだ! と思わず膝を打つものばかりです。
2人の楽しいやりとりに笑いも起こる星空解説
春日了さんと第3土曜担当の解説員・丹野佳代子さん。写真提供:プラネターリアム銀河座
人気のもう1つの理由は、春日さんと女性解説員によるライブ解説。むずかしい話でも2人で言葉をおぎない合いながら進むので、耳にすんなり入ってきます。テンポがよくて楽しく、脇道にそれたり、突然クイズが出たり、投影の1時間があっという間ですよ。
星座のさまざまな伝説の裏側にある意味など、ほかでは聞けない辛口な話も飛び出す
春日さんの豊富な経験や知識をもとに斬新な切り口で深く掘り下げたテーマの話は、聞けば聞くほど宇宙への好奇心がかき立てられ、興味がますます膨らみます。いつものプラネタリウムでは物足りなくなった人にもおすすめ。ぜひ予約を申し込んでみてくださいね。
プラネターリアム銀河座
プラネターリアムギンガザ
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森田奈央 撮影:彌永浩次
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