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2018.11.29
池袋から徒歩で! 庭園が美しい、ときどきオープンしている〝お寺〟カフェ「ぼうず’n coffee」
※こちらの記事は2018年11月29日に公開されたものです。 「ぼうず’n coffee」は、創建480年以上の歴史を誇る池袋・祥雲寺の副住職が手がけるカフェ。別邸の書院に設けられた席に座ると見渡す限り庭園が広がり、都心とは思えない静けさ。お寺の行事のない日のみの営業なので、“ときどき開いているカフェ”として話題を呼んでいます。
天井絵がめずらしい山門をくぐって境内へ
山門の脇にはかわいいフクロウの像が佇んでいる
一日中人通りが絶えることのない池袋駅から歩いて10分ほど。交通量の多いバス通りに面して、「祥雲寺(しょううんじ)」はあります。
客殿の入り口。営業日には客殿や山門の前にカフェの看板が出現
まず、よいことがおこる兆しを意味する雲“祥雲”が天井に描かれた山門をくぐって。本堂の右側に建つ客殿に入ると、「カフェにお越しの方、カーンてして下さい」と案内された鐘が出迎えてくれます。お寺の人がいない場合は、カーンと鳴らしてみましょう。
客殿の玄関で靴を脱ぎ、注文をしてからカフェへ
「ぼうず’n coffee」は、カフェ好きが高じて専門学校にも通った副住職がオープン。法事やお彼岸、お盆など、お寺の行事がない日に開いています。毎週日曜に更新予定のFacebookでその週の営業日をお知らせしているので、チェックしてみてくださいね。
縁側に座って過ごすおだやかな時間
書院には畳の清々しい香りが漂っている。BGMは鳥の鳴き声
カフェは、旧皇族から譲り受けたという建物内にあります。書院と呼ばれる広間の欄干やランプには皇族の家紋が入っており、気品ある佇まい。廊下の戸には昔の手造りガラスがはめ込まれ、その歪みで庭が波打っているように見える美しい景観にもため息が出ます。
特等席は縁側。紅葉の見頃は例年11月下旬から12月初旬にかけて
季節ごとに表情が変わる中庭は、とくに初夏の新緑、秋の紅葉が見事。住職と副住職がはった苔にも風情が感じられ、縁側に座ってのんびりと眺めれば心が洗われます。ふと気づくと、聞こえてくるのは鳥のさえずりのみ。自分が都心にいることを忘れてしまいます。
お坊さんが提供するコーヒーやスイーツ
「あんバタートースト」(400円)と「カフェラテ」(350円)
こんな貴重な時間とともにいただけるのは、副住職が苦味の少ない豆で一杯ずつ淹れる「カフェラテ」。ふんわりミルクの甘い口あたりにほっとします。京都や静岡の抹茶を使った「抹茶ラテ」、スイーツとセットで注文できる「抹茶」もやさしい味わいです。 ちょっとお腹がすいた人は、バターがしみこんだトーストにあんこをたっぷりのせた「あんバタートースト」を。もっちりパンの香ばしさとあんバターの甘塩っぽさに頰がゆるみます。日本橋の知り合いの和菓子店から届く「どら焼」(250円)も評判なのだとか。
季節ごとにメニューも風景も変わります
秋からの新メニュー「白玉宇治金時」(400円)
寒いときにぴったりの温かいスイーツも用意しています。秋からメニューに加わった「白玉宇治金時」は白玉がもっちりとしていて、あんこと抹茶との味のバランスが絶妙。季節メニューも人気が高く、春はほうじ茶プリン、夏はほうじ茶ゼリーなどを味わえますよ。
本堂のテラス席。境内のお墓には「仮面ライダー」の作者・石ノ森章太郎も眠る
桜や紅葉の季節には中庭をライトアップし、足下にランタンも。また、ほかにもカフェの席として本堂のテラスを開放し、春はバス通りの桜、秋は山門の脇にそびえ立つ銀杏の紅葉がきれいです。ぜひ、ときどき開いている日にねらいを定めて、おでかけください。
ぼうず'n coffee
ボウズ'ンコーヒー
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森田奈央 撮影:彌永浩次
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