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2019.07.10
雨の音も心地よい。畳でまったりくつろげる、千駄木の隠れ家カフェ「雨音茶寮」
古い町並みのなかに溶け込むおしゃれなお店を探すのが楽しい谷根千エリア。次々と新しいお店が生まれるこの注目のエリアに、2018年9月にオープンした「雨音茶寮」は、細い路地にひっそり佇むこぢんまりとしたカフェです。古い家屋の趣きをそのままに、大胆にリノベーションされた店内は、雨の日でも長居したくなる、くつろぎの空間です。
見つけたら、きっとうれしくなる隠れ家カフェ
暖簾のかたちも可愛い
千駄木駅から不忍通りを根津方向へ。5分ほど歩いて細い路地に入ると、すぐ左手に「雨音茶寮」があります。 こぢんまりとした佇まいに、うっかり見逃してしまいそうですが、店先に置かれた立て看板と雨の雫のマークがついた暖簾が目印。 見つけたらきっとうれしくなる、まさに“隠れ家”のようなお店です。
和と洋が同居する、くつろぎ空間
さりげない照明の傘や壁飾りにはポイントに真鍮が使われている
ガラス戸を引いて店内に入ると、日の光がよく差し込む明るい空間に、木のぬくもりを感じるおしゃれな空間が広がります。 まず目を引くのは、大きな木製のカウンター。天井を見上げると、2階の床下地がそのままあらわれています。
置かれているテーブルや椅子はどれも背が低いもの
2階に上がると、奥には8畳ほどの畳スペース。 靴を脱いでゆったりくつろげます。 手前は椅子席になっており、好みに合わせて選ぶことができます。 和風な畳や棚が、カフェの空間によく馴染み、何時間でも長居したくなるような、くつろぎの空間となっています。
インテリアは小物まで柔らかな曲線を描く。花器はフランス人作家の作品
京都でやっと見つけたものだというシルエットが可愛いい座布団や、さまざまな形をしたガラスの花器に生けられたグリーンなど、細部に店主の那須野さんのこだわりを感じます。
光の取り入れ方も絶妙。屋根裏部屋に上るようなワクワク感も
思春期の約7年間をイギリスで過ごし、そこでヨーロッパのカルチャーや、古い建物に長く住み続ける文化に触れたという店主。 この建物の築年数は正確には不明ですが、50年以上は経っているのではないかという古い建物をリノベーションしています。 和も洋も、レトロなものも、モダンなものも、さまざまなものを取り入れて、どれもお気に入りのものだけを集めて生まれたのがこの「雨音茶寮」です。
素材の味を生かした、充実ごはん
「Cセット」(1000円)
お腹が空いていたら、出汁茶漬けに、お肉料理と3つの小鉢がついたCセットがおすすめ。 必ず1品はお肉料理が付き、さらに素材の味を生かした野菜中心のおかずが3種類、はちみつ漬けの梅干しに塩昆布、胡麻といった出汁茶漬けのお供も別に添えられています。 おかずは毎日数品ずつ変わります。この日の肉料理は肉じゃがで、小鉢は小松菜、ニンジン、油揚げの胡麻和えに、トマトのマリネ、ナスの揚げびたしの3品。 どれも優しい味付けで、素材の美味しさを存分に楽しむことができます。
今回使用したのは、右から2番目のもの
この店らしい雨の雫の模様や、可愛らしい鳥があしらわれたものなど、いくつも種類がある可愛らしいお茶碗にも注目。 どれも店主がセレクトした日本人作家の作品です。 お盆のなかの食材の彩りや、それぞれの食器の組み合わせを考えて、いつも店主やスタッフが食器をコーディネートしてくれますよ。
お茶の味を3度たのしむ
「Aセット」(800円)
店名にもなっているお茶を味わうなら、お茶菓子と緑茶がセットになったAセットを。 この店の緑茶はどれも、茶の原点とされている本山茶の産地、静岡市の水見色の緑茶を使っています。 数種類の茶葉がありますが、おすすめは甘みの強い「つゆひかり」です。
まずは、お店の人が淹れてくれる1煎目をいただきます。 家で淹れたのとはまったく異なる、まろやかな緑茶の美味しさに驚かされます。 続いて、自分でお湯を注いで2煎目を。
そのままポリポリ食べてもおいしい
3煎目は、添えられた玄米をくわえ玄米茶にして味の変化を楽しみます。 添えられるお茶菓子は日によって異なりますが、この日は生チョコのようなチョコの濃厚さがたまらない「ショコラテリーヌ」。 粉砂糖で雨の模様が描かれています。
「雨の音が好き」という店主。古い建物では、雨の音が良く聞こえるのだとか。 雨の音に耳をすませて、ゆったりとした時の流れを味わう。雨の日のおこもりにもぴったりな、とっておきの隠れ家カフェにでかけませんか?
雨音茶寮
アマネサリョウ
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榎田真奈 写真:永岡邦彦
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