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2019.11.10
あんこもちのようなトーストをシングルオリジンの緑茶とともに/西荻窪の日本茶カフェ「Satén Japanese tea」
西荻窪にある「Satén Japanese tea」は日本茶をコーヒーのように日常的に楽しめるカフェ。「Leaf to Relief 茶葉から一服へ」をコンセプトに、農園から直接仕入れた茶葉を大切に一杯ずつ淹れて提供しています。まずいただきたいのは、一つの農園で作られたシングルオリジンの緑茶。それぞれの個性豊かな風味を味わえ、トーストなどとの相性を楽しむのもおすすめです。
日本独自のカフェとして開店した日本茶スタンド
店名のSaténは“喫茶店”と“茶リスタとバリスタの2人がつむぐサテン生地のような上質な空間”から
西荻窪駅から高架線沿いを歩いて約3分。ガラス張りで、天候のよい日には窓が全開になる「Satén Japanese tea(サテン ジャパニーズ ティー)」があります。コンパクトなお店ながら開放感たっぷり。気軽に入れるコーヒースタンドならぬ日本茶スタンドです。
日本茶のいい香りが漂うカウンター。窓際にカウンター席がもう一つ、奥にテーブル席もある
店内に入ると、ゆったりとした造りのカウンター。日本の喫茶店で見かける紺色のベルベット生地の椅子が並べられている一方、壁やカウンターはライトグリーンやブルーの北欧カラーに塗られ、日本と北欧、濃と淡が心地よくなじむ洗練された空間になっています。 日本茶のバリスタである“茶リスタ”の小山和裕さんとバリスタの藤岡響さんが、日本茶をコーヒーのように日常的に楽しめるカフェを作ろうと2018年にオープン。日本各地の農園から届くシングルオリジンの緑茶をはじめ、お茶のさまざまな味わいを提供しています。
茶畑からカップまで責任をもって抽出
茶リスタとして長年腕を磨いてきた小山さん。手際よく淹れる様子を見るのもわくわくして楽しい
「生産者と直接取り引きする茶葉は安心だけでなく、お客さんの声をフィードバックできるので品質向上に繋がります。茶葉ごとに風味が異なるのは、生産者が各地でそれぞれの思いをもって作っているからとお客さんに気づいてもらえるといいですね」と小山さん。 そのため、茶葉の品質を守り、一杯一杯丁寧に淹れています。「カウンターのお客さんの目の前で淹れるのは、淹れ方や道具にも目を向けてほしいから。味わいを楽しんでもらうのはもちろん、何かに気づいてもらうことが日本茶のこれからに繋がると思うんです」。
個性を楽しめるシングルオリジン
緑茶「おくはるか」(480円/税別)。ポットにたっぷり2杯分。かしこまらずに飲めるようにカップで
シングルオリジンの緑茶は農園から届く10種類の茶葉のうち、そのときにおすすめの2種類で提供。訪れた日は静岡県掛川の農園「ひらの園」産の茶葉をブレンドしたものと埼玉県狭山の農園「横田園」産の「おくはるか」という単一品種の茶葉が用意されていました。 「おくはるか」を淹れていただくと、桜餅の葉を思わせる華やかな香り。飲み口は青々しく爽やかで、渋みの奥にコクのある甘みを感じます。いつも飲んでいる日本茶と風味がこれほど違うのははじめて。シングルオリジンの豊かな個性に驚きます。
「あんバタートースト」(500円/税別)。あんこもちをイメージしたというだけあってパンがもちもち
一緒に味わってみてほしいのは「あんバタートースト」。経堂の人気ベーカリー「onka」に特注しているパンを低温で焼き、香ばしく、もっちりとした食感。ほんのり甘い粒あんと塩気のあるバターが調和し、緑茶といただくと口の中が“和菓子の世界”になります。
抹茶ラテやプリンも奥深い味わい
「抹茶ラテ」(560円/税別)。抹茶とクリーミーなミルクが合わさってまろやか
京都宇治にある農園「辻喜」産の抹茶を使った「抹茶ラテ」は、ふんわりやわらかい口あたり。艶やかで美しい緑色の抹茶は香りが高く、まろやかな風味の中にコクと旨みを感じます。上質のお茶をいただいているという満足感のある味わいです。 毎日手作りしているという「抹茶プリン」には、渋みが強めの抹茶を使用。抹茶、生クリーム、牛乳の3層になっており、それぞれ食感が違うので層ごとに楽しむ人もいるのだとか。3層合わせていただくとほどよい甘さ。抹茶のおいしさをひときわ感じますよ。
「抹茶プリン」(530円/税別)は数量限定。緑茶と食べ合わせるとまた新たな味わい
10時から12時まではトーストセットなどのモーニングメニューも用意。ほうじ茶や「ひとくちもなか」(160円/税別)、京都のアメリカンスタイルの「焼き菓子」(350円〜/税別)などのメニューもあり、一息つける時間が待っています。ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
Satén japanese tea
サテン ジャパニーズティー
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森田奈央 撮影:彌永浩次
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