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2019.12.23
旧朝香宮邸の庭を眺めながら過ごすくつろぎの時間。東京都庭園美術館「café TEIEN」
「café TEIEN」は白金台の東京都庭園美術館にあるカフェ。昭和初期築の「旧朝香宮邸」の建物を活用した美術館の庭に面し、展覧会の鑑賞後に都内とは思えない豊かな緑を眺めながらひと休みすることができます。南青山のフランス料理の老舗「ロアラブッシュ」が手がけた色とりどりのケーキや体が温まるスープで、くつろぎの時間を過ごしませんか。
アート鑑賞と合わせて楽しみたい美術館カフェ
「café TEIEN」がある新館。隣の敷地は国立科学博物館附属自然教育園。広大な緑あふれる場所にある
目黒駅から徒歩約7分の東京都庭園美術館。「café TEIEN(テイエン)」は新館1階にあり、展覧会を開催している時のみオープンします。正門のチケット売り場で展覧会のチケットを購入し、緑に囲まれた敷地の奥にある本館「旧朝香宮邸」と新館に進みましょう。 旧朝香宮邸は外装、内装、家具の装飾まで、シンプルでモダンなアール・デコ様式で統一。建設時、西洋に憧れる日本人の思いを実現した“幻の建築”といわれたそうです。建物の外に広がる芝庭、西洋庭園、日本庭園は展覧会や庭園のチケットで自由に散策できます。
緑に囲まれ、白いテーブルや椅子が映える店内。入店に必要なチケットは展覧会によって料金が異なる
天井までガラス張りの開放感いっぱいの店内は自然のやわらかな光が注ぎ込み、気持ちのいい空間。目の前の庭園が美しく、秋にはモミジが紅葉するなど季節のうつろいも感じられます。天候のよい日はテラス席も人気が高く、ブランケットも用意されていますよ。 東京都庭園美術館は正門の横に「レストラン デュ パルク」も併設し、カフェとともに南青山の有名なフレンチレストラン「ロアラブッシュ」が運営。カフェではさまざまな味わいのケーキやドリンク、スープやサンドイッチなどの軽食を用意しています。
美しく上品な甘さの大人スイーツ
ケーキ(715円〜/税込)。お皿は「ノリタケ」とコラボで、旧朝香宮邸の階段装飾をデザイン
定番ケーキは3品。写真中の「ピスタチオムース」は濃厚なナッツの風味と閉じ込められた甘酸っぱいカシスソースの相性を楽しめます。左の「フリュイルージュとチョコレートフォンダン」は口どけのよいフランボワーズのムース。中のチョコレートもとろとろです。 右の「季節のフルーツをのせたチーズケーキ」は軽い味わいのベイクドチーズケーキ。フルーツとチーズの酸味のバランスがよく、土台のクッキー生地はサクサクです。
いちばん左は展覧会とコラボしたケーキ。ドリンクセットのコーヒーまたは紅茶は550円/税込
ほかにも、旬のフルーツを使ったショートケーキ、秋から冬にかけてはモンブランがあります。チョコレートの甘みとコーヒーの苦味が重なり合うオペラを抹茶味にアレンジした「佐賀県うれしの釜炒り抹茶オペラ」は外国人客にも人気なのだとか。
ゆっくり味わいたいドリンクとフーズ
「デミ抹茶&ほうじ茶」(880円/税込)。和三盆の干菓子が付く
ドリンクにも和のテイストを用意し、「デミ抹茶&ほうじ茶」は抹茶オペラと同じ佐賀県嬉野産の抹茶やほうじ茶を使用。注文ごとにたてる釜炒り製法の抹茶は香りが高く、特有の芳ばしさがあります。とろりとした口あたりで後味はさっぱり。苦味がケーキともよく合います。 有機栽培された茶葉を高温で煎ったほうじ茶は、ほわんと甘い香りでまろやか。コクのある甘みが広がりつつすっきりとした味わいで、抹茶と飲み比べるのが楽しいですよ。
「ミネストローネ」(1100円/税込)。エスカルゴバターのバゲットと期間限定の帽子型パスタ付き
お腹がすいている時は「ミネストローネ」を。こちらの美術館では女性客が多いので野菜たっぷりのメニューを用意したのだそう。ぎゅっと凝縮された素材の旨みにおもわず頬がゆるみます。 また、展覧会とコラボしたサンドイッチやケーキも人気。2020年1月13日まで開催の「アジアのイメージ 日本美術の東洋憧憬」展では豚の角煮のグァパオサンドや、中国の香辛料を使用し、中華どんぶりによく描かれている渦巻き模様のクッキーがのったケーキを提供。 コラボメニューはカフェのFacebookで紹介され、楽しみにしている人も多いとのこと。次回は2月1日から4月7日まで「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック」展が開かれます。どうぞ展覧会と合わせて訪れ、鑑賞後の時間をゆっくりと贅沢に過ごしてくださいね。
café TEIEN
カフェテイエン
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森田奈央 撮影:彌永浩次
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