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2020.06.18
アジア初進出のホテルから話題のカフェまで。京都・烏丸御池「新風館」がリニューアル
京都・烏丸御池にある「新風館」が2020年6月11日、装いを新たにオープン。アジア初となる「エースホテル京都」をはじめ、国内外のブランドによるショップやカフェ・レストラン、映画館が集まる複合施設として生まれ変わりました。
地元で親しまれてきた建物が新たな文化交流の場に
烏丸通りに面した保存棟は近代モダニズムの先駆者といわれる建築家・吉田鉄郎の代表作
烏丸御池の交差点から少し南へ。オフィスビルなどが建ち並ぶ烏丸通りで一際目をひくレンガ造りの建物が「新風館」です。1926年に「旧京都中央電話局」として建てられ、その後2001年に商業施設「新風館」として開業。街中の憩いの場として親しまれた施設が約4年の休館を経てオープンしました。 歴史ある建物や街の景観との調和を大切にしながら一新された空間には、核となる「エースホテル京都」の他、地下1階にシネマ「アップリンク京都」、1階フロアには20のショップやカフェがオープン。注目のお店を中心にその魅力をご紹介します。
旅を彩る文具たち「トラベラーズファクトリー 京都」
歴史ある建物の風合いを活かした空間。かつて香港の劇場などにあったチケット体重計などが置かれる
「旅するように毎日をすごすための道具」をテーマにしたオリジナルプロダクトや世界中から集めた“旅を感じる”アイテムがそろう「トラベラーズファクトリー」。日常使いはもちろん、旅先で出会ったものや感じたことを記したりチケットやショップカードを貼ったりと、自分だけの1冊がつくれる「トラベラーズノート」をはじめ、革のノートカバーや真鍮の文具といった永く大切に使いたくなるアイテムに愛好者が増えています。
「トラベラーズノート KYOTO EDITION」(4620円)などここだけの限定アイテムがたくさん
関西初出店となる「トラベラーズファクトリー 京都」では、京都の旅をテーマにした限定アイテムも展開。「トラベラーズノート KYOTO EDITION」は、京都らしいモチーフをあしらった表紙に限定仕様の紙を使ったリフィルも登場し、定番アイテムのブラスボールペンは、神社の丹塗りをイメージした朱色、桜色など京都オリジナルカラーのボディに名前や好きな言葉が刻印できます。 店内には、購入したアイテムを使ってその場でノートをカスタマイズしたり居合わせた人と見せ合ったりできるライブラリースペースも。ノートを通じて新たなコミュニケーションが生まれるリアルな場だからこその楽しみに出会えます。
TRAVELER'S FACTORY KYOTO
トラベラーズファクトリーキョウト
ブランドの世界観を五感で楽しむ「カフェ キツネ 京都 新風館」
「ほうじ茶ラテ」「抹茶ラテ」「玄米茶ラテ」(各800円)
ファッションや音楽レーベルを手がけ、多様なカルチャーが合わさったライフスタイルを提案するパリ発のブランド「メゾン キツネ」による、日本初となるショップ併設のカフェ。店内はパリのカフェやビストロを思わせるインテリア、日本の伝統的な素材など多彩な要素を取り入れながらも奇をてらわないシックな雰囲気です。 メニューは、パリの店でも人気の宇治抹茶を使う抹茶ラテに加え、ほうじ茶ラテ、玄米茶ラテと、店舗限定の日本茶ラテシリーズを用意。京都の老舗ベーカリー「進々堂」のクロワッサンや自家焙煎するオリジナルブレンドのコーヒーもあり、モーニングにもおすすめです。
内装デザインはブランド共同設立者の黒木理也さんによるもの
隣接する「メゾン キツネ 京都 新風館」では、オープンを記念してショッパーデザインを配したTシャツとスウェットシャツを販売。シルエットやディティールにもこだわってつくられた限定のオリジナルアイテムです。 洗練されたBGMと音響も音楽レーベルを運営する「メゾン キツネ」ならでは。ショップとカフェそれぞれの雰囲気に合わせた曲のセレクトと音質で、パリのレーベルチームにより随時アップデートされるプレイリストが聴けるのも楽しみのひとつです。
CAFÉ KITSUNÉ KYOTO ShinPuhKan
カフェキツネキョウトシンプウカン
季節の移ろいを味わう「本と野菜 OyOy」
レシピ本や食文化関連の本を中心に、 カルチャー系の雑誌、絵本など多岐にわたるラインナップ
「百年先も続く、農業を。」というメッセージを掲げ、京都を拠点に化学合成農薬や化学肥料を使わずていねいに育てられた野菜を扱う「坂ノ途中」と、東京で書店「かもめブックス」などを展開する校正会社「鴎来堂」がコラボレーション。同じ野菜でも育つ環境により風味が違ったり、季節の移ろいととともに少しずつ変化したり、「坂ノ途中」で扱うその時々の野菜の個性豊かな味わいが楽しめるレストランをオープンしました。 店内の本棚には、“移ろっていくことを楽しむための本”というテーマで「鴎来堂」が選書した本がぎっしり。食にまつわるものだけでなく、独自の視点で選りすぐった多彩なジャンルの本が並びます。
「OyOyスープ」(1300円)ランチはスープをメインに副菜とご飯かパンが付く。ポタージュは+385円
メインとなるのは、季節の野菜を味わうスープ。京都の山間部で採れた畑シメジと昆布の出汁をベースに、その日届いた野菜を合わせたものです。生のままだったりグリルしたり、野菜は素材そのものの味が楽しめるようシンプルに調理して盛り付けます。 野菜のある生活をもっと気軽なものにしたいという想いから、店頭で野菜やおすすめの調味料、調理道具などの販売も。店で食べて気に入った素材があれば買って帰ることができますよ。
本と野菜 OyOy
ホントヤサイオイオイ
カカオの魅力を堪能「グリーンビーントゥバーチョコレート」
「京都店限定チョコレートタブレット」(2160円)、「ボンボンショコラ」(1粒350円〜)
その名の通り、チョコレートづくりの全工程を自社で手がける「グリーンビーントゥーバーチョコレート」。世界各地のカカオ農家から直接仕入れる上質なカカオとオーガニックシュガーのみを使い、効率よりクオリティーを大切に一つひとつ手作業でつくられるチョコレートが評判。カカオの種類や割合による風味の違いも個性豊かです。 色とりどりの和紙に包まれた定番ラインナップに加え、京都店では昆布の出汁を使った限定チョコレートがお目見え。タブレットは、京都の老舗「うね乃」とコラボレーションして種類豊富なカカオと昆布の中から相性の良い組み合わせを追求したそう。昆布だしの香りがマダガスカル産カカオの濃厚な風味を引き立てる一品です。ボンボンショコラも京都らしい素材を使う限定4種がそろい、自分用はもちろんおみやげにも喜ばれそうです。
green bean to bar CHOCOLATE
グリーンビーントゥバーチョコレート
多様な価値観と出会うシネマ「アップリンク京都」
地下鉄烏丸御池駅に直結している
地下1階には、映画の配給や映画館の運営を行う「アップリンク」によるシネマが関西初進出。観ることで一人ひとりが考えたり想像したりできる作品を中心に、メジャーからインディーズまで国内外からセレクトした様々な映画を上映します。 4つあるスクリーンは、それぞれレッド、レインボー、抹茶、ストライプをコンセプトにデザインされた個性的な空間。国内屈指の音響メーカーによるスピーカーや上質な椅子を完備し、映画を楽しむ時間をより特別なものにしてくれます。ロビーには、映画を観ない時でも立ち寄れる映像ギャラリーやマーケットがありオープンな雰囲気。普段なかなか映画館へ行かないという人も、まずは気軽に覗いてみてください。
UPLINK京都
アップリンクキョウト
地元で人気のグルメやスイーツ、ポップアップスペースも
保存棟から中庭を挟んで新築棟が建つ
今回紹介した以外にも、館内を歩けばまだまだすてきなお店やスペースがたくさんあります。地元の人はもちろん、京都旅行の注目スポットとしても話題の「新風館」へ、ぜひ訪れてみてください。
新風館
シンプウカン
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岩永茜 写真:鈴木誠一
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