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2020.09.08
散策しながらギャラリーめぐり♪滋賀・信楽町でやきものさんぽ
素朴でぬくもりのある器やユーモラスなたぬきの置物など、心ひかれるやきものがいっぱいの信楽焼。信楽の町を歩いてギャラリーや窯元を訪ねると、いろいろな作品に出会えるだけでなく、作り手や町の魅力にもふれられます。町を見学してすてきなやきものも見つけられる、やきものさんぽはいかがですか?
かわいいオブジェを探しながら、散策路を歩きましょ

信楽といえばやっぱりたぬき。オーソドックスなものも進化系もいるので、お気に入りを探してみて
信楽町の中でも多くの窯元が集まっている長野地区。町の風情を感じながら、点在する窯元やギャラリーをめぐり、制作の現場にもふれてほしいという思いから、窯元散策路が設けられています。 やきものを焼く窯を作るのに適した傾斜地で、坂道が多いエリア。散策路はろくろ坂、ひいろ壺坂、窯場坂という3つの坂道と、エリアの外周を回る4つのコースがあります。信楽駅や周辺のお店、窯元などに散策マップが置かれているので、気になるお店の場所などを確認してみてくださいね。

見つけたら思わず笑顔になるような、ほのぼのしたオブジェ。道路の脇や敷石、建物の軒先などをチェックして
散策路の周辺には、かつて使われていた登り窯や無造作に積まれた火鉢、住宅の周りを飾る置物など、やきものの町ならではの風景があちこちに。ところどころで、たぬきをはじめとした動物のオブジェに出会えるのも散策の楽しみです。 マップで紹介されている窯元は見学に好意的なところばかり。事前に連絡が必要な場合もあるので、ホームページなどで確認しておきましょう。歴史や特徴、作陶への思いなどを作家さんやスタッフの方に聞けたら、信楽焼にさらに興味が持てるはず。やきものを選ぶときにも違った見方ができそうです。
ノスタルジックな建物で、やきものと向き合うひととき

赤い煙突がある、2階建ての大きな建物
散策路の窯場坂中腹にある「谷寛窯ギャラリー陶ほうざん」。谷井芳山さんが窯主を務める谷寛窯のギャラリーと工房です。明治時代の師範学校を移築した建物は、広々とした空間。窯が置かれた作業場や、使われなくなった重油窯を利用したギャラリーなどがあり、窯元の日常が間近に感じられます。

谷井芳山さんの作品を常設するほか、絵画や木工などの企画展も行われる重油窯ギャラリー
陶芸作家として活躍する芳山さんの作品を紹介する展示室のほか、信楽の若手作家の作品が並ぶコーナーも。たぬきや猫など、やさしい表情と風合いに心が和む動物の置物や、カラフルな食器など、それぞれに違った個性を放つ作品が集められています。ゆったりとした店内は静けさに包まれていて、やきものとじっくり向き合うのにぴったりです。

(左上)明るい色のマグカップ(1980円)とリムプレート(2970円)(左下)かわいらしいポーズの「お願いたぬき」がお出迎え(右)手描きの絵柄がポイントの菓子皿(1650円)とマグカップ(1650円)
谷寛窯ギャラリー陶ほうざん
タニカンガマギャラリートウホウザン
信楽の歴史と今を伝えるギャラリー&カフェ

見学用に整備された登り窯。周りに置かれた薪や窯の中に積まれたやきものなどに、使われていた当時の雰囲気が感じられる
散策路沿いにある大きな登り窯が目印になっているのが「Ogama(オオガマ)」。明山窯が手がける施設で、信楽焼の歴史を感じる登り窯のほか、ギャラリーやショップ、カフェなどを備えています。 ギャラリーでは自社の新作紹介や企画展が行われ、ショップでは定番商品や地元作家の作品を展示・販売。手ごろで使いやすい食器や置物だけでなく、ゆっくり鑑賞したい芸術的な作品が並ぶこともあります。

(左)節句など季節ごとの展示も行われるギャラリー(右)ショップのラインアップは年に数回入れ替わる

MILK、SAKURAなど全6色がそろう、手のひらサイズのたぬきの置物「SHIGA★ LUCKY」(各1650円)
敷地内には、手びねりやタタラ成形で土とのふれあいを体験できる陶芸教室や、信楽産の朝宮紅茶などが味わえるカフェスペースも。テラス席で登り窯を眺めながらひと休みするのもおすすめです。歴史を感じさせる町のシンボルと日々生み出される新たな作品がそれぞれに、やきものの町の歴史と文化を発信しています。

ドリンクに自家製の焼菓子が付く「Ogamaセット」(750円)。信楽焼の器の感触も楽しんで
Ogama
オオガマ
甲賀市信楽町長野947
信楽の町や人にふれて、その記憶とともに持ち帰るやきものは大切な思い出の品に。とっておきのお気に入りがまた一つ増える、やきものさんぽにでかけてみませんか?
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豊野 貴子 写真:山本 章貴
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