211
2021.01.07
日常から離れて心休まるひと時を。“おしゃべり禁止”のブックカフェ「アール座読書館」
高円寺の片隅に佇む「アール座読書館」は、“おしゃべり禁止”という珍しいルールを掲げたブックカフェです。静かで穏やかな空気が流れる、ちょっぴり現実離れした個性的な空間は、本の世界にとっぷり浸るのにうってつけ。仕事やプライベートの慌ただしさから解放されて、心休まるひと時が過ごせます。
「現実逃避」がテーマの非日常空間
内装はすべてオーナー自ら手がけたのだそう
JR高円寺駅南口から、個性的な店が軒を連ねる商店街を5分ほど歩いた場所にある「アール座読書館」。2階にあるので見つけづらいかもしれませんが、小さな看板とレトロな木のゲートが目印で、その先に細い階段が続いています。
アンティーク雑貨もすべてオーナーのコレクション
扉を開けると、なんとも不思議な空間が。店内のあちこちに植物が茂り、水槽で熱帯魚が悠々と泳ぐ姿も見られます。アンティークの家具や雑貨が配され、壁一面に造られた本棚には本がぎっしり。ここが東京とは思えない、まるで“森の中の図書館”のような趣です。
私語厳禁の静かな店内で本の世界にトリップ
本はその日の気分に合わせて気軽に選んで
本棚に並ぶ1000冊ほどの蔵書は、すべてオーナーの私物。訪れた人が気軽に手に取れるよう、写真集や画集、絵本、詩集、短編集など、短時間で読みきれるものを中心に置いているのだとか。アートや科学、旅、SFなどジャンルはさまざまなので、あえて本を持たずに訪れて、ここで普段手にしないような本との出会いを楽しむのもよさそうです。 “おしゃべり禁止”というルールは、「心静かに落ちつける場所にしたい」という想いから生まれたもの。店内には筆談帳やらくがき帳があるので、これらを使って友達と会話をするのも新鮮ですね。
感性を目覚めさせる個性的なドリンク
ポットで提供される「コーヒー」(680円)と「クッキー盛り合わせ」(320円)
飲食メニューにもこだわりがたっぷり。 コーヒーは、生産地の気候や風土がもたらす個性ある味わいを活かすために、ブレンドはなく、ストレートのみ。ブラジルやタンザニアなど、エッジの効いたラインナップが揃います。
「ブラウニー」(220円)
フランスの有名ティーブレンダーが厳選したフレーバーティーも、感覚が開くような香りや味わいのものをセレクトしているのだそう。 スイーツは「クッキー盛り合わせ」や「ブラウニー」など軽めのものが数種類。シンプルな味わいが個性的なドリンクを引き立てます。
ゆったりとした時間の流れが疲れた心を優しく癒す
座席は全部で9席ありそれぞれ異なった趣
大きな窓から光が差し込む日中も居心地がいいですが、夜はぐっと照明が落とされ雰囲気ががらりと変わります。夜遅くまで営業しているので、仕事帰りに立ち寄って心をクールダウンするにもよさそうです。 同じ建物の3階には、「エセルの中庭」という姉妹店があり、こちらもまたファンタジーなインテリア。おしゃべりOKで、軽食やアルコールも提供しているので、友達との会話を楽しみたい時は、こちらもぜひのぞいてみて。
まるで本の世界に迷い込んだかのような感覚が楽しい「アール座読書館」。忙しい日常を少しだけ忘れて、心のゆとりを取り戻してみてはいかがでしょうか。
アール座読書館
アールザドクショカン
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
土屋朋代 撮影:永岡邦彦
の人気記事