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2016.04.10
もちもち加賀麩の和スイーツも♪パフェやぜんざいも充実の日本初の麩料理専門店「茶寮不室屋」
※こちらの記事は2016年4月10日に公開されたものです。 京都に並んで多種多様な麩が生活に浸透している金沢。「茶寮不室屋(さりょうふむろや)」は、そんな加賀麩の魅力と出会えるお店です。 加賀料理やお麩スイーツを味わったあとは、かわいらしい細工麩やおやつ麩もチェックしてみてくださいね。
老舗の蔵を改装、日本初の麩料理専門店
近江町市場のある武蔵が辻交差点から尾張町方面へ徒歩3分。大きく「ふ」と書かれた暖簾のかかるお店が、創業慶応元(1865)年の加賀麩の老舗「不室屋本店」です。およそ100種類の麩商品が販売されているほか、茶寮も併設されています。 蔵を改装したという茶寮は、白い壁が印象的な落ち着いた雰囲気で、テーブル席とお座敷席があります。
十数種類の麩と加賀料理の魅力が詰まった「麩久箱膳」
手前のお椀が金沢の代表的料理「治部煮」
食事メニューは、麩と旬の食材を使った加賀料理が楽しめる月替わりの「麩久箱膳(ふくばこぜん)」(2592円)のみ。“福”が来るようにという願いが込められた箱膳に、治部煮(じぶに)、ご飯、味噌汁、漬物などが付いています。
流水でディスプレイされた「すだれ麩」
まずは金沢の代表的料理、治部煮。こちらの治部煮には、小麦粉でとろみをつけた鶏肉や加賀麩伝統の「すだれ麩」が入っています。板状の麩に筋が入ったすだれ麩には無数の小さな穴があいていて、出汁をよく吸い込んでくれるので、治部煮には欠かせない存在です。一番上に飾られた「てまり麩」はもちもちとした食感でした。
取材に訪れた3月は、花麩や桜麩が春の雰囲気を演出
箱膳の本体「麩久箱」には、お肉のつくねにそっくりなつくね麩が入った「つくね麩入り茶碗蒸し」や、小さなてまり麩が入った「珠麩入り玉子焼き」、もちもちとした食感の生麩に砕いた車麩をまぶしてカリカリに揚げた「生麩岩石揚げ」など、いろいろな麩が使われていました。ひと素材ごとに料理方法や味付けがとてもよく工夫されていて、麩料理専門店ならではの味わいを楽しめます。
「蓋裏膳」の生麩昆布〆はもっちりとした生麩に昆布のうまみがアクセント
「麩久箱膳」全体では13種類もの麩が使われていて、お品書きを見ながらどこに麩が入っているのか探したり、食感を比べたりするのも楽しみのひとつ。まるで宝箱を開けるときのようなワクワク感と共に加賀料理を堪能することができます。
麩を使ったパフェやぜんざいなど和スイーツも充実
麩のおいしさを手軽に味わえる甘味もあります。 一番人気は「不室屋パフェ」(843円)。黒蜜ゼリー、豆乳アイス、わらび餅、餡子、豆乳マフィン、三色生麩、一番上にはふのやき(麩せんべい)とあんずがトッピングされています。さっぱりとした豆乳アイスとコクのある黒蜜ゼリーの相性はぴったり。もちもちの三色生麩にサクッとした豆乳マフィン、ツルっとした黒蜜ゼリーなど異なる食感がミックスされ、最後まで飽きのこないパフェです。
生麩を気軽に味わってみたい方におすすめなのが「生麩ぜんざい(生麩しぐれ煮付き)」(778円)です。一般的に「麩」と呼ばれているのは生地を焼いて仕上げた「焼麩」。それに対して、生地を蒸したりゆでたりして作る麩のことを「生麩」といい、もっちりとしているのが特徴です。「生麩ぜんざい」は香ばしく焼かれた生麩がぜんざいのほどよい甘さとマッチしています。
料理に彩りを添える「細工麩」はおみやげにも最適
「細工麩」(270円)はこばな、おてまり、よもぎなど10種類
食事のあとは、ショップをのぞいてみましょう。「麩久箱膳」でも彩りを加えていた「細工麩」(270円)は、自宅でもお料理のトッピングや汁物の具にすると食卓が華やぎます。こばな、おてまり、よもぎなど10種類、季節に合わせて4種類入った「四季好み」(810円)もあります。
手前が「おやつ麩オリジナル」(778円)。カレー(左)、チーズ(右)もあります
お麩をそのままを食べられるスナック菓子「おやつ麩」(778円)は、ほんのりと甘くサクサクと軽い食感がクセになります。金沢らしいおみやげとしてもおすすめですよ。 ヘルシーで手軽に使いやすく、食卓を豊かにしてくれる加賀麩。藩政時代から冬の間の保存食として愛用され、加賀料理とともに発展してきました。金沢を訪れたら「不室屋」で金沢の食文化の奥深さにも触れてみてくださいね。
茶寮不室屋
サリョウフムロヤ
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吉田 紀子
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