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2021.07.28
【九谷焼編⑥】うつわのまち・能美市にある、ゆるりと過ごせるすてきなカフェ4選
九谷焼の産地のひとつで知られる能美市は石川県の南部に位置し、金沢まで車で40分の距離にあります。西には白砂青松の美しい日本海を望み、東側には白山山系に連なる能美丘陵が美しい稜線を描いている美しいまち。うつわめぐりをしたあとに、ゆっくり過ごせるすてきなカフェを4軒紹介します。
お庭を眺めながら、身体にやさしい素材でつくる滋味深い焼き菓子を味わう
マフィンやクッキーが並ぶ店内。売り切れることもあるので早めに行くのがおすすめ
「能美市チャレンジショップ1号店」と看板があがる建物の隅っこにある入口をずんずん進んだその先に、焼き菓子店「こびり」はあります。カフェを併設していて、緑の庭に面した小上がり席や、古い家具が置かれた店内はゆるやかでやさしい雰囲気。 素材にこだわり、粉は北海道の小麦粉や能美の米粉、甘みは北海道のてんさい糖や沖縄の黒糖、塩は珠洲の天然海塩などを用いて作ったお菓子が店先のケースに並んでいます。動物性の素材は使わず、油は国産のこめ油、牛乳のかわりに豆乳を使用。噛むほどに素材の滋味深い味わいが広がり、食後も食べ疲れない、やさしい味わいのおやつが味わえます。
一途なファンが多いホットビスケット210円。カフェで味わうときはきな粉や塩、シロップなどをお皿に添えてくれる
こびり
コビリ
雑木林の自然がすぐそばに。ハワイ島の山小屋をイメージしてつくられたカフェ
左/席からは雑木林の緑を一枚絵のように眺められる 右上/フルーティでまろやかなカウコーヒーと旬のフルーツのおいしさが際立つ、甘さ控えめなタルト 右下/勾配のある林を見上げるような位置に、小屋を設計したそう
大きな邸宅が並ぶ住宅街にひっそりたたずむカフェ「cafe Vent」。自然豊かなハワイ島にある山小屋をイメージして作られたという店内の大きな窓からは、雑木林の緑が見渡せます。山の植生に近いという雑木林には季節の花々が咲き、鳥の声が聴こえます。 すぐそばに自然を感じながら味わえるのは、ハワイ島のカウコーヒー。フルーティーで飲みやすく、香り高さに定評のあるコーヒー豆を生豆で仕入れ、少量ずつ自家焙煎してフレッシュな一杯を提供してくれます。元パティシエのオーナーが作るタルトやケーキは、旬のフルーツが味わえて、身体にやさしい素材を使っています。
看板猫のカウちゃん(写真)と黒だんごが店先でお迎えしてくれることもあります
cafe Vent
カフェヴァン
のどかな里山を見渡す高台に立つ、心地いいテラスが一等席のさとやまカフェ
左上/しゅわしゅわとスフレのような食感が味わえる人気のパンケーキ(プレーン)1100円 左下/アンティーク調のインテリアでまとめられた店内 右/眼下に広がる里山を見渡せるテラス席
テラスに出ると、眼下に広がる一面の里山風景。風が心地よく、のどかな風景をぼんやりと眺めているだけで、のびやかな気分になります。 大きな窓にアンティーク調の家具が配置され、テーブル間もゆったり。おすすめは地元の新鮮な卵を使った「レモンサラダオムライス」。バターをきかせた旨みたっぷりのベーコンライスにはレモンの搾り汁が入っており、ぷるんと焼き上げられた卵で包まれています。ライスと野菜サラダにはレモンの酸味がきいており、さっぱりと食欲をそそる美味しさ。デザートにはスフレのような食感が絶妙のパンケーキも人気です。
レモンサラダオムライス990円。バターライスやサラダにレモンの搾り汁をたっぷりときかせることで、ほどよい酸味が食欲を引き立てる
さとやまカフェ
サトヤマカフェ
山の水で淹れた台湾産の烏龍茶とともに、手作りの飲茶ランチを味わう
左上/飲茶ランチ1500円。手作りの点心に四季春茶というおすすめの台湾茶が付く 左下/お茶は自分で淹れるスタイル 右/台湾産の烏龍茶は香り高く、透き通った甘みと爽やかさが味わえる
山の麓にあり、清らかなせせらぎがすぐそばに流れる「茶藝館 茶楽」。オーナー夫婦がリノベーションした古民家で、台湾産の烏龍茶の美味しさを伝えています。台湾の烏龍茶に出会ったのは、オーナーが海外出張で台湾に駐在していたときのこと。ハードな海外生活で体調を崩したとき、毎日烏龍茶を飲むことで健康な身体を取り戻したのだそう。 台湾産烏龍茶の美味しさを伝えるため、生み出されたのが飲茶ランチ。点心をひとくちほおばると、すぐにお茶を飲む。こうすることで油分がすっきりと喉元へと滑り落ち、口のなかに爽快感が生まれるそう。山の水で淹れる香り高いお茶の美味しさをじっくりと味わって。
無農薬・無化学肥料の米の旨みを余すことなく味わえる中華粥ランチ1400円。山から採ってきた旬の素材や地元の野菜から作る滋味深いおかずが付く
茶藝館 茶楽
チャゲイカンチャラク
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白桃澄江 写真:昭文社(保志俊平)
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