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2021.08.04
【九谷焼編⑦】うつわのまち・能美市をめぐるおすすめの1DAYモデルコース
前回までの記事(うつわをめぐる旅 九谷焼編①~⑥)では、石川県能美市の九谷焼にまつわるスポットやすてきなカフェを紹介しました。この記事は、九谷焼編の総まとめ。日帰りで能美市をめぐるときにおすすめの1DAYモデルコースを紹介します。能美市をめざしておでかけするのはもちろん、金沢とあわせて能美市を訪れるのもおすすめです。
【9:00】体験館での色絵付け体験もおすすめ!「KAM 能美市九谷焼美術館」
左上・右下/名品の数々が鑑賞できる「五彩館」右上/「体験館」の絵付け体験は900~2000円 左下/背景の緑や建物と調和する「二代浅蔵五十吉」の作品
KAM 能美市九谷焼美術館は「五彩館」「体験館」「浅蔵五十吉記念館」などからなる施設。「五彩館」では九谷焼の名品を鑑賞でき、歴史や制作工程などが学べます(詳細は特集②)。 作品を鑑賞したあとは、九谷五彩と呼ばれる伝統的な和絵の具を使って絵付けの体験ができる「体験館」へ。所要時間は約1時間、完成した作品は自宅に送ってもらえます。 また、二代浅蔵五十吉の作品をガラスなしで間近に眺められる「浅蔵五十吉記念館」へもぜひ。九谷焼の流れを受け継ぎながらも現代感覚を生かし、独自の世界を切り拓いた二代浅蔵五十吉。作品や自然と調和した建築も見どころのひとつです。
KAM 能美市九谷焼美術館
カムノミシクタニヤキビジュツカン
【11:00】九谷陶芸村のなかにある「ギャラリー結」で日常づかいのうつわ探し
左上/赤地径さんの愛らしい箸置き 右上/香田昌恵さんの「えんぎもの小皿」 左下/樋山真弓さんの染付のうつわ。藍一色で描かれた菊花が華やか 右下/暮らしの中の小さな福を見つけて絵付する、稲葉カヨさんの「福々絵付」
能美市九谷焼美術館 五彩館の前にある「ギャラリー結」。九谷焼を販売する店が軒を連ねる九谷陶芸村のなかでも、著名作家から若手の作品まで、幅広くそろえているのがギャラリー結の特長です。普段づかいしたくなるうつわも多く、作家ごとに並べられた作品には、作家さんのプロフィールが添えられていて、丁寧に紹介されています。 広々したカフェも併設しているので、陶芸村内を巡ったあとの休憩スポットとしても重宝します(ギャラリー結の詳細は特集①)。
ギャラリー結
ギャラリーユイ
【12:00】のどかな里山を一望できる「さとやまカフェ」でオムライスランチ
左上/レモンサラダオムライス990円 右上/眼下にのどかな里山風景が広がるテラス席 左下/アンティーク調の家具が配置された店内 右下/しゅわしゅわ食感のパンケーキ(プレーン)1100円
眺めのいいテラス席が人気。店内席のテーブル間もゆったりとしています。おすすめのメニューは地元の新鮮な卵を使った「レモンサラダオムライス」。バターをきかせた旨みたっぷりのベーコンライスにはレモンの搾り汁が入っており、ぷるんと焼き上げられた卵で包まれています。ライスと野菜サラダにはレモンの酸味がきいており、さっぱりと食欲をそそる美味しさ。デザートにはスフレのような食感が絶妙のパンケーキも人気です。
さとやまカフェ
サトヤマカフェ
【13:30】伝統的な九谷焼を絶妙な匙加減でアレンジする「上出長右衛門窯」のうつわと出会う
左/立体の原型制作に時間をかけ、丸くて可愛らしい形を実現。白狗貯金箱14300円 右上/多様な茶文化にもマッチする『黒釉黄彩龍文“TEA字”急須角小49500円、蓋付湯呑各15400円 右下/明時代の文人が笛を吹く様を描いた『笛吹』(※左から2番目)に現代の楽器を持たせたシリーズ
「上出長右衛門窯」は1879年から続く九谷焼の窯元。6代目の上出惠悟さんは「上出長右衛門窯」でおよそ70年も描かれているという柄『笛吹』をほんの少しアレンジすることで、若い世代の心をつかみ、九谷焼に新しい風を吹かせました。 上出さんの遊びごころあるデザインと、それを実現できる実力のある職人がタッグを組むことにより、次々と新しい感覚の九谷焼を生み出す窯元。九谷焼といえば上絵付け、というイメージがありますが、レリーフの皿や立体の貯金箱などもあり、成形から自社の工房で手がける窯元ならではの伝統技を生かしたユニークな作品と出会えます。(上出長右衛門窯の詳細は特集③)
上出長右衛門窯
カミデチョウエモンガマ
【15:00】「こびり」で身体にやさしい素材でつくる滋味深い焼き菓子を味わう
左上/焼き菓子が並ぶ店内。売り切れることもあるので早めに行くのがおすすめ 右上/庭を見渡せる小上がり席 左下/一途なファンが多いホットビスケット210円 右下/バナナとチョコのマフィン280円と自家製のいちごシロップを使ったソーダ550円(追いソーダ付き)
「能美市チャレンジショップ1号店」と看板があがる建物の隅っこにある入口をずんずん進んだその先に、焼き菓子店「こびり」はあります。カフェを併設していて、緑の庭に面した小上がり席や、古い家具が置かれた店内はゆるやかでやさしい雰囲気。 素材にこだわり、粉は北海道の小麦粉や能美の米粉、甘みは北海道のてんさい糖や沖縄の黒糖、塩は珠洲の天然海塩などを用いて作ったお菓子が店先のケースに並んでいます。動物性の素材は使わず、油は国産のこめ油、牛乳のかわりに豆乳を使用。噛むほどに素材の滋味深い味わいが広がり、食後も食べ疲れない、やさしい味わいのおやつが味わえます。
こびり
コビリ
九谷焼のまち・能美市をめぐる1DAYコースはいかがでしたでしょうか。九谷焼の産地のひとつで知られる能美市は石川県の南部に位置し、金沢まで車で40分の距離にあります。 西には白砂青松の美しい日本海を望み、東側には白山山系に連なる能美丘陵が美しい稜線を描いている美しいまち。うつわめぐりと自然がすぐそばに感じられるカフェを組み合わせて、のびやかな旅を楽しんでくださいね。
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