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2021.11.09
秋の京都を満喫!紅葉と京ならではの行事を楽しめるスポット5選
京都の秋の楽しみといえば「紅葉」。今年は、朝晩の冷え込みが十分に見込めるため、11月中旬から下旬に見ごろを迎える京都市内を中心に、鮮やかな紅葉が期待できるといいます。昨年見合わせていたライトアップやイベントなども、今秋は開催される傾向で、気になる社寺やスポットがいろいろあります。今回は、紅葉の名所と呼ばれるお寺や神社のなかでも、秋だけの特別なことがあるスポットを5つセレクトしてご紹介。少しだけ欲張りになって、朱色に染まる京都の秋を満喫してみてはいかがでしょうか。
紅葉のトンネルをくぐりお参りする「興聖寺」

龍門から見た紅葉も趣がある
曹洞宗の開祖・道元禅師により開かれた道場に始まる「興聖寺」。江戸初期の1645(正保2)年、淀城主の永井尚政公によって現在の宇治の地に再興されました。 境内の中でも、紅葉の名所として知られているのが「琴坂」です。ゆるやかな坂が続く200メートルほどの参道で、そばを流れる水のせせらぎがお琴の音色のように響くことから「琴坂」といわれるようになったのだそうです。秋には参道の両側に植えられた紅葉が色づき、参拝者を出迎えてくれます。

喫茶去では、お庭を眺めながら心落ち着く時間が過ごせる
紅葉に合わせて、多彩な行事も開催されます。2021年10月1日から12月20日までの期間、要予約で楽しめるのが「喫茶去(きっさこ)」。落ち着いた雰囲気がただよう書院で、僧侶が点てたお茶をお菓子と一緒にいただくことができます。 ほかにも、「興聖寺」の修行生活をおさめた写真展や、夜間のライトアップされた境内で行われる法要など、さまざまな行事を通じて「興聖寺」の魅力を堪能できそうです。 【2021年・紅葉データ】 拝観期間=2021年11月13日~12月12日 ※夜間ライトアップは2021年11月13日~12月12日(11月20日~28日、12月2日はライトアップの拝観不可) 拝観時間=9:00~17:00 ※夜間ライトアップは17:30~20:00(19:00に受付終了)
興聖寺
コウショウジ
水面に映る紅葉が幻想的な「大覚寺」

嵯峨天皇が造営した大沢池は、国の名勝にも指定されている
嵐山エリアにたたずむ「旧嵯峨御所 大本山 大覚寺」。平安時代に嵯峨天皇が建立した離宮が前身の門跡寺院で、明治時代の初期まで皇族が住職を務めていたことでも知られます。 境内の中でも特に人気のスポットは、日本最古の庭池といわれる大沢池。ほとりにモミジが植えられており、池には鮮やかに色づいた紅葉や、朱塗りの塔「心経宝塔」が鏡のように映りこみます。大沢池の近くには、もみじロードと呼ばれる散策路も。紅葉に覆われた美しい景色が魅力で、じっくりと歩いて堪能したいスポットです。
日本三大名菊のひとつに数えられる嵯峨菊
秋の「大覚寺」で楽しめるもうひとつの風物詩が「嵯峨菊展」。嵯峨天皇の時代、大沢池にある菊ヶ島に自生していたといわれ、長年にわたって大切に育てられた嵯峨菊が一般公開されます。 独特な気品のただよう姿が美しい嵯峨菊。高さは鑑賞に適した約2メートル、花は下部から先端にかけて7輪、5輪、3輪になっているなど、さまざまな仕立てによって絶妙な配置を作り出しています。2021年の「嵯峨菊展」は、11月1日から11月30日まで開催。紅葉とともに、秋の彩りを満喫してみてはいかがでしょうか。 【2021年・紅葉データ】 拝観期間=自由(見頃は11月下旬~12月上旬) 拝観時間=9:00~17:00(16:30に受付終了)
旧嵯峨御所 大本山 大覚寺
キュウサガゴショダイホンザンダイカクジ
史跡・御土居に彩りを添える「北野天満宮」

入苑料は1000円(子どもは500円)でお茶菓子付き
学問の神様としても知られる菅原道真公を祀る、全国の天満宮、天神社の総本社「北野天満宮」。境内の西側には桃山時代、豊臣秀吉公が洛中洛外の境界、水防のために築いた土塁「御土居」の一部が残っています。現在は約350本もの紅葉を楽しめる「もみじ苑」として、そばを流れる紙屋川と鶯橋、御本殿を臨む展望所、夜のライトアップなど、さまざまな景観を楽しめます。 もみじ苑の入苑には、老舗の和菓子店「有職菓子御調進所 老松」の「北野大茶湯」というお茶菓子が付いています。千利休が茶会で出していたと伝わる「麩の焼き」を再現した和菓子で、苑内の茶店でいただくことができますよ。

展望所から紅葉と御本殿の美しいコラボレーションを堪能できる
もみじ苑の公開に合わせて、宝物殿の特別公開も行われます。今回初公開されるのが、2021年大河ドラマの主人公・渋沢栄一直筆の漢詩。1928(昭和3)年、北野天満宮で行われた大祭・半萬燈祭の献詠集に残された貴重な資料です。 ほかにも、重要文化財に指定されている源氏の宝刀「鬼切丸」をはじめとした刀剣なども公開。特別展は2021年10月30日から12月5日までの開催予定です。 【2021年・紅葉データ】 期間=10月30日~12月5日 ※ライトアップは11月13日~12月5日 時間=9:00~16:00(最終受付は15:40) ※ライトアップは日没~20:00(最終受付は19:40)
北野天満宮
キタノテンマングウ
夜は紅葉とともに音楽も満喫したい「くろ谷 金戒光明寺」

法然上人800年大御遠忌記念として、2006年に作庭された「紫雲の庭」(写真:水野克比古)
京都市左京区黒谷町にあり、「くろ谷さん」の名で親しまれる「くろ谷 金戒光明寺」。紅葉シーズンになると行われる日中と夜間の特別拝観では、通常非公開の枯山水庭園「紫雲の庭」を公開。大小の石を用いて、法然上人の生涯をひとつの絵巻物のように表現された庭園に、紅葉が美しく彩ります。ほかにも、大方丈で公開される不思議な仕掛けの「虎の襖絵」や、伊藤若冲の「群鶏図押絵貼屏風」などにも注目です。

天気の良い日には、山門から大阪の「あべのハルカス」が見えることも(写真:水野克比古)
日中と夜間で違った楽しみがあるのも魅力です。山門は日中のみ特別公開を実施。山門から境内や京都市内の景色を一望できるほか、内部に安置されている仏像やダイナミックな天井画も見ることができます。 夜には境内がライトアップされ、日中とは異なる表情を見せます。中でも、見どころは邦楽の生演奏。期間中は毎日、お琴や篠笛などの演奏が大方丈で行われるので、音楽とともに素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。 【2021年・紅葉データ】 期間=2021年11月12日~12月5日 時間=特別日中拝観は10:00~16:30(最終入場~16:00)、特別夜間拝観は17:30~20:30(最終入場~20:00) ※邦楽の生演奏は17:45~/18:30~/19:15~
くろ谷 金戒光明寺
クロダニコンカイコウミョウジ
期間限定の特別な散策を楽しみたい「安祥寺」
琵琶湖疎水沿いにひっそりとたたずむ
京都市山科区にある「安祥寺」。848(嘉祥元)年の創建と伝わる寺院で、現在の本堂や地蔵堂、大師堂などは江戸時代に再建されたものだといわれています。 境内は通常非公開で立ち入ることができませんが、秋には特別拝観を期間限定で開催。色づきはじめた紅葉を眺めながら、境内を巡ることができる貴重な機会です。また、2021年には初の夜間拝観も実施。境内の至るところに竹の灯篭が置かれ、幻想的な景色を楽しめます。

安祥寺発祥の原点ともいわれる聖域「青龍社」
特別拝観の期間中、夜は本堂など一部の入場が制限されていますが、日中は境内を自由に散策することも可能。2021年10月に修復が完了したお社「青龍社」をはじめ、重要文化財に指定されている本尊・木造十一面観音菩薩立像など、さまざまな見どころがありますよ。 【2021年・紅葉データ】 拝観期間=2021年11月3日~11月14日 拝観時間=日中拝観は9:00~17:00(最終受付16:00)、夜間拝観は17:30~19:00(最終受付19:00)
安祥寺
アンショウジ
京都には、美しい紅葉を鑑賞できるスポットが数多くあります。場所によって拝観期間や時間もさまざまなので、事前にチェックしてからお出かけしてみてくださいね。
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