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2022.01.04
宿泊客以外もOK!京都・梅小路の新しいけれどどこか懐かしい銭湯「ぽて湯」であったまろ♪
緑豊かな梅小路公園の一角にあるおしゃれなホテル「梅小路ポテル京都」。その敷地内に、宿泊客に限らず誰もが利用できる銭湯「ぽて湯」があります。古き良き銭湯文化を継承するレトロなタイル絵や銭湯絵、ホテルならではの清潔感あふれる空間が魅力。京都の街に根差した銭湯に行ってみたいけれど、暖簾をくぐる勇気がまだでない、そんな人の銭湯デビューにもおすすめです。
京都屈指の憩いスポット、梅小路公園内
梅小路横丁。向かって右が「ぽて湯」、左は「梅⼩路醗酵所」
京都駅西方の梅小路エリアは、2019年春にJR梅小路京都西駅が新設されたのを機に、新しいカフェやホテルが誕生。日々進化しつづける、京都でもっとも目が離せないエリアのひとつです。梅小路京都西駅から公園北端の木津屋橋通を東へ歩いて5分ほど、京都鉄道博物館と京都水族館との間に建つホテルが「梅小路ポテル京都」。ロビーへとつづくアプローチの東側、「梅小路横丁」という名の路地に「ぽて湯」の暖簾が掛かります。
テーマは「ぽーっとできる憩いの場」
思わず声に出してつぶやいてみたくなる、ネーミングが絶妙
「梅小路ポテル京都」の名前をよく見ると、「ホ」ではなく「ポ」。「ポテル」とは港を意味する「port」と「hotel」をかけ合わせたオリジナルの言葉です。ここ下京区に色濃く残る銭湯文化に着目し、港のように、宿泊客と地域の人をはじめとした人と人の縁をつなげたいという思いがはじまり。全国の銭湯に暖簾を贈り、銭湯文化の継承に力をそそぐ「牛乳石鹸」とコラボし、令和の時代にあえて銭湯をつくったのだそう。「ぽーっとできる憩いの場に」という願いを込めて「ぽて湯」という名に。梅と鶴、ふたつの縁起ものを合わせた銭湯のキャラクター「ポ鶴(ポヅル)」も誕生しました。
暖簾をくぐって、レトロな銭湯へ
下駄箱や腕輪タイプの鍵がついた脱衣所のロッカーは、昔ながらの意匠のものを設置
まずは正面の番台で受付を済ませ、女湯は右側、男湯は左側へ。入湯料は大人600円です。銭湯には、内風呂やジェットバス、サウナ、水風呂、そして天井から淡い光が差し込む露天風呂も! お湯と水が独立したカラン(蛇口)や、ホースのない固定式のシャワーなども古き良き銭湯のスタイルを採用。銭湯の風景を伝えるだけでなく、銭湯を利用する際の周りの人へのさりげない気づかいも後世に受け継いでいきたい、という思いが込められています。
独立型のカランで、好みの温度に調整
銭湯文化を受け継ぐタイル絵と銭湯絵
牛乳石鹸にちなんで牛が描かれているので見つけてみて。こちらは女湯
チャームポイントは、関西が主流の「タイル絵」と関東でおなじみの「銭湯絵」。ふたつの文化を伝えています。床や壁を彩るタイル絵には、正方形や長方形、円形、六角形などかたちも色もさまざまなタイルが使われています。
男湯のほうは、のどかな茶畑の風景に五重塔が描かれている
壁一面の銭湯絵は、今では日本に2~3人だけ、という銭湯絵師を関東から招いて描いてもらったもの。男湯と女湯あわせてわずか一日で描き上げたのだそう。銭湯絵で描くのは、実在する風景ではなく、桜や新緑、雪など四季の色彩を盛り込んだ、空想上の京都の風景。お客さん同士の会話の糸口になるのです。
おなじみの赤箱デザインの風呂桶がキュート
お風呂上りのお楽しみも
湯あがり堂の「蜂蜜れもん」と「サイダー」各155円
お風呂上がりには、番台の前でよく冷えたサイダーや蜂蜜れもんがスタンバイ。路地の向かいには、全国各地の地酒やオリジナルの発酵食品をそろえる「梅⼩路醗酵所」があり、お風呂上がりの一杯も楽しめます。甘酒や酒蔵の梅ジュース、ワイナリーのぶどうジュースなどノンアルコールも充実。ひとりでふらりと立ち寄るのもいいし、銭湯で打ち解けた人と杯を交わす、なんてひとときも素敵。 手頃な価格で、体も心もリフレッシュできるのが銭湯の最大の魅力。ゆったりとお湯につかって疲れを癒したり、はじめましての人と会話を楽しんだり、明日の旅のことを考えたり。レトロだけれど新しい銭湯で、贅沢な時間を過ごしてみませんか。
おなじみの赤箱と泡立てネット、持ち帰り用の袋各1点がセットになった「牛乳石鹸セット」200円も。写真右端のオリジナル箱は宿泊客限定のアメニティ
ぽて湯
ポテユ
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佐藤理菜子 撮影:保志俊平
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