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2022.05.12
優美な建築も注目を集める「東京国立博物館」で見つけた♪国宝や重要文化財をモチーフにしたおみやげ11選
創立150年を迎えた東京国立博物館。その歴史は明治5年に湯島聖堂大成殿で開催された博覧会にはじまり、日本と東洋の美術品や考古など様々なジャンルの作品を12万件以上も収蔵しています。そんなスケールの大きな博物館のミュージアムショップでは、歴史の教科書や美術の図録で見たことのある日本画などのモチーフを使ったおみやげ品や職人の作る伝統工芸品が種類豊富に揃います。今回はその中からとっておきの11品をご紹介します。
威風堂々とした帝冠様式のたたずまい
JR上野駅公園口から徒歩10分
多くの文化施設が建ち並ぶ上野恩賜公園のなかでもひときわ存在感のある東京国立博物館。2階建ての大きなコンクリート建築に瓦屋根をのせた帝冠様式の本館のほかに5つの展示館があり、奥には池や茶室をそなえた庭園も広がります。
本館入口
本館の正面玄関から入るとすぐに目に飛び込んでくる大理石の大階段。この部分は吹き抜けになっている天井のガラスと右左で対のステンドグラスから日の光が差し込みます。博物館のスタッフの話によると、開館前と閉館後にこの階段で業者を通してウェディングの撮影をするカップルも多いのだそう。細かい部分まで繊細な彫刻をほどこしたクラシカルな雰囲気にはドレスのロングトレーンやベールがより一層映えます。
床から天井までの高さ15.5mのゆったりとしたホールにある大階段
光の具合で明るさが変化し午後の日差しの強い時間は全体的に明るくなる
ペパーミントグリーンのドーム屋根が美しいエレガントな館
建物正面には一方が口を開き片方が閉じる「阿吽(あうん)」の像のライオン2頭が鎮座
本館のすぐ横には中央と左右に美しいドーム屋根をいただく表慶館がたたずみます。宮廷建築家・片山東熊氏による煉瓦造りは、ドームの天井にはまるで彫刻と見間違えるほどの天井画が描かれ、フランス産の大理石でできた7色のモザイクタイルが床を彩ります。その様子はまるで一つの美術作品のよう。ここで企画展が開催される時は、ぜひエレガントな内部も見学するのがおすすめです。
充実した品ぞろえのミュージアムショップ
(左上)東京国立博物館のキャラクター・トーハク君が出迎えるミュージアムショップ(右上)埴輪の展示「踊る人々」古墳時代6世紀(左下)屏風や襖絵がゆったりと鑑賞できる展示室(右下)本の廻廊
12万件にものぼる収蔵品は旧石器時代の出土品から第二次世界大戦後ごろまでの絵画や彫刻、書跡、染織の名品や漆工作品などで、国宝や重要文化財に指定されているものも多く、美術や歴史の教科書で見ていた文化財に出会えることも。 ミュージアムショップでは、そうした収蔵品をモチーフにした菓子や文具、小物などが揃い、博物館の余韻に浸りながらおみやげも探せます。壁際はショップをぐるりと囲む本の回廊となっていて、ラインナップは市販の美術書からほかの美術館の図録など約4500種類。探していた本が見つかるかもしれませんよ。
赤富士を独特のタッチで描いた北斎の傑作
ポスターなどでもよく見かける凱風快晴「東京国立博物館ラ・ガナッシュ」(1350円)
浮世絵風景画の代表作ともいえる「冨嶽三十六景」。江戸時代に一世を風靡した葛飾北斎のこの作品を東京国立博物館では三役と称される「凱風快晴」「山下白雨」「神奈川沖浪裏」をはじめ半数以上収蔵しています。
サクサク食感のおやつ
赤富士を見事に描写した「凱風快晴」をパッケージにしたチョコレート菓子は資生堂パーラーのオリジナルスイーツで、北斎とのコラボは収蔵するこの博物館ならでは。くちどけのいいチョコレートにクッキークランチを加えて食感も楽しめます。
見ているだけでほっこりするユーモラスな表情
「はにわのお砂糖」(413円/8粒)
古墳時代の遺跡から発掘される埴輪はネックレスや帽子など服装や髪型がさまざまで、そこから当時の暮らしが推測できるのだそう。この博物館の公式キャラクター「トーハクくん」も収蔵する「埴輪 踊る人々」をイメージしていて、なにかとご縁の深い埴輪。そんな埴輪をかたどったお砂糖は含蜜糖を主成分にしたやさしい味わいです。コーヒーや紅茶に入れるほか、そのままでも美味しく召し上がれます。
「はにわソックス」(大人用440円 )「こはにわソックス」(子供用408円)
シンプルでわかりやすいデザインの「はにわソックス」。発売以来の人気商品で埴輪のイメージカラーの茶色に加えてピンクやオレンジなどとてもカラフルです。子供用とペアにして親子で楽しむ人も多いのだとか。 表情そのものでほっこりするには、まん丸の目と口がかわいいぬいぐるみもおすすめです。
「ぬいぐるみ はにわ」(大・小共に1980円)
螺鈿の燕子花や金蒔絵の葉などが美しい国宝の硯箱に見立てた缶入りのクッキー
「八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)缶入りクッキー」(1080円)
重要文化財「風神雷神図屏風」をはじめ蒔絵や焼き物など数々の工芸品も作り続けた尾形光琳。その代表作である国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」に見立てた缶にクッキーを詰めたスイーツボックスです。 クッキーはスイーツも美味しい東京會館が手がけた折り紙付き。ホワイトミントリキュールの香りや杏ジャムのクッキーのほか、形も花や幸運を引き寄せるといわれる三日月など楽しい7種類です。
当時のファッションの流行を意識した着物の柄ゆき
「和三盆 見返り美人」(680円)
菱川師宣の「見返り美人図」は振り返る女性の立ち姿とともに、ファッションにも注目の集まる作品です。当時流行していた玉結びという髪型にさした鼈甲の櫛、桜と菊を円形に配置した花の丸模様の振袖、歌舞伎の女形役者である初代上村吉弥が考案した帯結びなど、贅を尽くしたファッショナブルな女性。その花の丸模様をモチーフにしたお干菓子「和三盆 見返り美人」は、日本茶はもちろんコーヒーや紅茶にもよくあいます。
どんどん貼って使いたい贅沢な名品のモチーフ
マスキングテープ 上から「国宝 太刀 銘三条 名物 三日月宗近」(407円)「猫の六毛撰」「風神雷神」「金魚づくし」(各396円)
名品のコレクションはマスキングテープにも。 江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川国芳が身近な生き物をユーモラスに擬人化した「金魚づくし」「猫の六毛撰」に登場する金魚や猫、尾形光琳が描いた「風神雷神図屏風」の風神・雷神など、インパクトのあるマスキングテープはいいアクセントになりそうですね。 また日本刀のコレクションが多いことでも知られ、国宝の「三日月宗近」などのマスキングテープはマニアにおすすめです。
気の利いた一言をしたためたい一筆箋
一筆箋「伊藤若冲 玄圃瑤華(げんぽようか)」(418円)ポチ袋5枚入り「白綸子地雪輪山吹模様」(220円)
動物や昆虫、植物を独特の世界観で表現した伊藤若冲、じゃれ遊ぶ子犬の愛くるしい表情を描いた円山応挙。江戸時代に活躍した二人の画家の対照的な作風が楽しめる一筆箋は表紙とは異なる絵柄のパターンが数種類あり、それぞれの世界観が楽しめますよ。 着物の原型となる小袖のコレクションも多く、可憐な植物を多彩な色柄で描いた小袖の図柄の一部を一筆箋やポチ袋のモチーフにして繊細なセンスを今に伝えます。
一筆箋「円山応挙 朝顔狗子図(あさがおくしず)」(418円)子犬がじゃれあう様子は書院の引き戸に描かれ一筆箋の裏側はその杉戸の図柄
のびのびとした自由な発想で描かれた日本のテキスタイル
手ぬぐい(1100円~)後列左から時計回りに「鳥獣戯画」「蝶文」「見返り美人」「ゆりの木」「夏秋草図」
動物を擬人化した重要文化財「鳥獣戯画断簡」をはじめ東京国立博物館所蔵品や構内にあるシンボルツリー・ゆりの木の模様など豊かな感性を表現したデザインを染めた手ぬぐいも50種類近く豊富に揃います。お弁当を包んだり額に入れてインテリアにするなど用途別に選ぶのも楽しいひと時に。
涼やかな音色で夏の暑さをしのぐ先人の知恵
「江戸風鈴 特選小丸」(2933円)左から五色金魚・三色あじさい・藤・千鳥
夏の風物詩の風鈴など、代々伝わる工芸品も展示販売しています。大正4年創業の老舗・篠原風鈴本舗が作る江戸風鈴は、下の鳴り口から筆を入れて内側から絵付けをする繊細な作業がほどこされ、風を愛で涼やかな音を楽しむ江戸の情緒を感じます。音をよくするために鳴り口をギザギザのままにしているのだそう。 貴重な文化財を大切に保存し守りながら次の時代へと伝える東京国立博物館のミュージアムショップ。今回ご紹介したほかにも、貴重な文化財をモチーフにしたグッズが揃います。ぜひお気に入りを見つけてくださいね。
東京国立博物館
トウキョウコクリツハクブツカン
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高橋茉弓 写真:小林利穂
Writer
高橋茉弓
おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
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