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2022.08.24
フランスの伝統と旬の果物が彩るアシェットデセールの店「ルルベ」が東麻布にオープン
アシェットデセールとは、皿盛りのデザートのこと。 パティシエが目の前で作り上げていくライブ感は、まさに“一瞬の芸術”で特別な日にぴったりの贅沢感があります。そんなアシェットデセールをいただけるお店「relevé(ルルベ)」が、東京都港区東麻布にオープン。洗練された空間で、至極の一皿を味わってみませんか。
道路沿いに佇む小さなアシェットデセールの店
パリのエッフェル塔をロゴマークにブラウンの店構えがシック
東京のシンボルともいえる東京タワーに一番近い駅、都営大江戸線赤羽橋駅から徒歩2分の場所にある「ルルベ」。入り口のガラス越しに店内の様子が見え、非日常的な世界に入り込むような高揚感を感じます。
シンプルで上品な大人の空間
昼間でも雰囲気のいいムードが漂う
一歩店内に入ると、バーのようにしっとりと落ち着いた空間が広がります。
(左)焼き菓子は現在約4種販売、今後増える予定(右上)「ガレットブルトン」500円、(右下)テイクアウト可能な生菓子
壁面の棚に焼き菓子が並び、小さなショーケースには繊細な美しさを放つ生菓子が。奥に向かってカウンター席がのび、そこでは鮮やかな手さばきでアシェットデセールを仕上げていくプロの技を間近に見ることができます。
手がけるのは名店出身の若き女性シェフ
真剣な眼差しと見事な職人技に心が躍る
カウンター越しに迎えてくれるのは、オーナーシェフの宇野澤 惟さん。「エコール辻 東京 フランス校」を卒業後、東京・日暮里にある有名店「パティシエ イナムラショウゾウ」をはじめ、数々の有名店で修業。2012年に渡仏し、パリ最古のレストラン「ラペルーズ」でアシェットデセールに魅了されます。
子供の頃からの夢を実現できて嬉しいと笑顔いっぱいで語ってくれた宇野澤さん
帰国後にレストランでシェフパティシエを務めた際に「作りたての新鮮な美味しさをその場で味わって喜んでもらいたい」という思いが強くなり、アシェットデセールの店を立ち上げることを決意。1年がかりで準備を進め、2022年8月13日に「ルルベ」を開店しました。店名は「伝統を引き継ぎ、素材を引き立てる」という意味があり、フランスの伝統に重んじながらも、日本の旬の良さを取り入れた一皿を作り上げます。
フルーツの旬を重視したアシェットデセール
「ペッシュメルバ」
濃いベリーの色合いに心ときめく「ペッシュメルバ」は、この日は福島県産夏かんろを使用。元々は19世紀末にロンドンのサヴォイ・ホテルの料理長が考案した伝統的なデザートですが、桃の美味しさを一層引き立てたオリジナリティが光ります。アーモンドのブランマンジェやラズベリーソースを組み合わせて桃の香りが広がるように工夫し、さっぱりとしたヨーグルトクリームで調和をとって洗練した華やかさに。
「イチジクのガレット風」
福岡県産とよみつひめを使い、イチジクの魅力をさまざまな手法で表現した「イチジクのガレット風」。香ばしい国産蕎麦粉を使ったもっちりした生地の中からイチジクコンフィチュールがとろりと溢れ、酸味のあるバタークリームと一体になるとさっぱりとした甘みを味わえます。それに対して、添えられたイチジクのソルベは果実を丸かじりしたようなフレッシュ感が伝わり、キャラメリゼしたイチジクは噛みしめるほど深みに引き込まれます。
「トゥーカカオ」
カカオポッドをイメージしたメレンゲを器にした「トゥーカカオ」。カカオの白い果肉・カカオパルプのフルーツのような甘酸っぱい味を活かして軽さを出し、力強いチョコレートとのコントラストを味わえます。カカオパルプのメレンゲに盛ってあるのは、ガナッシュ、チョコレートのソースや生地、カカオパルプのジュレやクリーム。フルーツを使っていないのにフレッシュで、その新感覚にあっと驚くはず。 アシェットデセールは全て単品1900円、ドリンクセットは2400円、アルコールセットは2900円となります。旬のフルーツを取り入れたメニューは季節毎に変わり、9月からはモンブランが登場する予定です。
アシェットデセール前後の甘いおもてなしで幸せが倍増
「フレッシュアナナスとオリーブ」
注文後にふるまわれるのは前菜的なデザートのプレデセール。オリーブオイルのアイスやライムの泡を重ねたパイナップルのスープは、アシェットデセールの期待を高める陽気な味わいです。
「レモンのマカロン」
食後にはひとつまみサイズの小さなミニャルディーズが提供されます。キュンと甘酸っぱいレモンに心弾み、幸せな締めくくりに。
厳選したドリンクとのペアリングで一層優雅に
ドリンクは約10種類をそろえる
コーヒーや紅茶、アルコールも提供し、アシェットデセールとのマリアージュを楽しむことができます。「ドリンクとスイーツのペアリングの奥深さをフランスで修業した際に知って、これも開業したら実現したかったことの一つ」と話す、宇野澤さん。おすすめのペアリングがメニュー表に書かれているので、参考にして選んでみてください。
フランスの伝統を重んじたモダンなケーキ
(左上)「ミルフィーユ」、(左下)「タルトシトロン」、(右上)「オペラ」、(右下)「パッションマンゴー」各600円
生菓子はフランス菓子の伝統や技術を大切に作られ、約5種類がそろいます。
「ムースショコラ」600円
艶やかな見た目がショーケースで存在感を放つ「ムースショコラ」は、宇野澤さんの最も思い入れのあるケーキ。フランスの高級ショコラメゾン「Weiss(ヴェイス)」のブラックチョコとミルクチョコを使ったムースがゆっくりと口の中でとけてまろやかな甘味が広がり、サクサクとしたフィヤンティーヌが食感のアクセントに。 六本木や麻布十番エリアからも比較的近く、営業時間は12:00〜23:00なので、買い物やディナーの後などに立ち寄れるのも嬉しいポイント。目の前で作られる美しいアッシェットデセールをいただき、とっておきの一日にしてくださいね。
relevé
ルルベ
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