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2024.03.18
3/15-6/2|日本初上陸の「MUCA展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~」をレポート!
東京・六本木にある森アーツセンターギャラリーでは、テレビ朝日開局 65周年記念『MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~』(MUCA 展)が開催中。アーバン・アートと現代アートに特化した美術館「Museum of Urban and Contemporary Art(MUCA)」が所蔵するコレクションは、東京初上陸!今回はその貴重な展示会の模様をレポートします。 メイン画像:展示風景 BANKSY(バンクシー)《Ariel》2017年
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バンクシーによる大型彫刻作品やカウズの代表作も!世界的有名アーティストの作品60 点以上を公開
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Photo by © MUCA _ wunderland media
Museum of Urban and Contemporary Art(以下:MUCA)は、2016 年にクリスチャンとステファニー・ウッツによって開館された、ドイツ初のアーバン・アートと現代アートに特化した美術館。ドイツ・ミュンヘンの中心部のマリエン広場から近い変電所跡地でヨーロッパを中心に高い人気を誇るアーバン・アートや現代アートを1,200 点以上コレクションしています。 今回の展示会は、公共の空間に無許可に設置されるのが特徴でもあるアーバン・アートとMUCAが所有するコレクションの中から、バンクシーによる大型彫刻作品やカウズの代表作も登場。シェパード・フェアリーやインベーダー、スウーン、ヴィルズ、リチャード・ハンブルトン、バリー・マッギー、JR、オス・ジェメオスなど世界的に有名なアーティスト10名の貴重な作品が60点以上勢ぞろいします。
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展示風景:KAWS(カウズ)《4ft Companion (Dissected Brown) 》2009年
入口に入るとまず目に飛び込んできたのは、ニューヨークのブルックリンを拠点とするアーティスト・KAWS(カウズ)の独自のマンガキャラクター「コンパニオン」。このキャラクターを広告看板に落書きしたことから、その名が広く知られるようになりました。日本でも人気の高いアーティストであるカウズ。今回は立体作品から平面作品まで、幅広いジャンルの作品を公開。「ストリート文化」と「大衆文化」の融合が見事に表現されています。
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展示風景:KAWS(カウズ)《KAWS BRONZE EDITIONS #1-12》2023年
その中でも特に気になったのが「カウズ・ブロンズ・エディション #1-12(2023)」。12体のブロンズ像は2010年以降に韓国・ソウルをはじめ、香港、富士山、宇宙など、世界中に出没した巨大なパブリックインスタレーションを新たに小型化したもの。泣いているキャラクターや子どもを抱きかかえているキャラクターなど、私たちの日常生活の様子が表現されています。ひとつずつ順番に観ていくと、不思議と親近感がわいてきて眺めているだけで楽しい気分になります。
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展示風景: SHEPARD FAIREY(シェパード・フェアリー)の作品群
次のエリアに進むと、黒い壁で囲われたスペースが。こちらにはシェパード・フェアリーがアイコン的な著名人をモチーフとした作品が並んでいます。左下の作品は「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(2005)」。正義と平等を求めて非暴力で戦ったキング牧師の姿に敬意を払った作品といわれています。独特かつ説得力のある作風がとても印象的。中央の上段「平和の女神(2009)」からは、平和に関するメッセージが伝わってきます。 会場では、アーティストごとに順番に紹介されていくため、エリアごとに世界観がガラッと変わるのも見どころのひとつです。
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作品に使われている、個性的な材料や素材にも注目!
こちらの展示会では、作品のベースとなっている個性豊かな材料や素材に注目してみるのもおすすめ。
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展示風景:INVADER (インベーダー)《Rubik Arrested Sid Vicious》2007年
INVADER (インベーダー)は、フランス・パリ出身のストリート・アーティスト。1990 年代からフランス国内の30 以上の都市でモザイク・アートを手掛け、現在では世界中の都市の壁にピクセルアートを制作しています。 こちらの作品はルービックキューブやプレキシ樹脂パネルを使用。ピクセル化されたデザインが初期のビデオゲームのグラフィックを思わせます。近づいて観たり、遠くから眺めたり……いろいろな角度から楽しむこともおすすめ。さらに携帯電話のカメラを通してみるとイメージがより鮮明になるのもポイントです。インベーダーの作品はルービックキューブを使った作品やシルクスクリーンの展示が全部で4点展示されているのでそちらもゆっくりと鑑賞してみてださいね。
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展示風景:SWOON(スウーン) 左:《Silvia Elena》2008年、右:《Ice Queen》2011年
壁に貼られたさまざまな紙が目をひくこちらの作品は、唯一の女性アーティストであるスウーン。「小麦粉」と「水」でできたペイストを使って絵や写真を壁に貼っていく「ウィートペースティング」の手法を用いて直に街の中にポートレートを描くことで注目されています。右側の「アイス・クイーン(2011)」では、シルクスクリーンやアクリル、コーヒー染め、ポリエステルフィルム、紙に刺繍が施されているのだとか。 公共のスペースに展示される彼女の作品は、自然環境や時の流れによって自然のはかなさと私たちがその中で果たす役割を発信しているかのよう。会場では制作の模様がインスタレーションからも垣間見ることができるので、そちらもぜひお見逃しなく。
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左上:VHILS (ヴィルズ)《Dispersal Series #14》2019年、右上:BARRY MCGEE(バリー・マッギー)の作品群、左下:RICHARD HAMBLETON(リチャード・ハンブルトン)の作品群、右下:JR(ジェイアール)《The Wrinkles of the City, Mr. Ma,Shanghai, China, 2010》2010年
他にも国際的に有名なアーティストのキャリアを決定づけたアイコン作品が続々と……。3月に渋谷と恵比寿の間の庚申道架道橋高架下に登場した、バリー・マッギーの作品もありましたよ。
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会場のクライマックスには、バンクシーのあの有名作品も!
展示会のクライマックスはバンクシーによるグラフィティや大型彫刻など、さまざまなオリジナル作品18点がずらりと並んでいます。その展示風景は圧巻。ひとつひとつ鑑賞していると表現方法の豊かさにも驚かされます。
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会場風景:BANKSY(バンクシー)の作品群
世界的に有名でありながら、いまだ正体不明のアーティスト・バンクシー。世界各地に描かれる彼のグラフィティは、シンプルな表現でありながら、政治的思想やその地で起こる戦争や資本主義、権力乱用に抗議するような強いメッセージが投げかけられています。
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BANKSY(バンクシー) 《Ariel》2017年
中央に展示された「アリエル(2017)」は、イギリスの荒廃した海辺のリゾート地「ウェストン=スーパー=メア」で58人のアーティストによって企画された「子供にはふさわしくないファミリー向けテーマパーク『ディズマランド』の目玉作品。 東京会場では、作品の下にミラーの天板が設置されているので、このように下からの作品を眺めることもできます。さまざまな角度からディズニーキャラクターの歪み具合に注目してみるのも面白いですね。
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BANKSY(バンクシー)《Girl Without Balloon》2018年
オークションで落札直後にシュレッダーにかけられたことで話題となった《Girl Without Balloon》(2018)も。 会場ではぜひキャプションを読みながら、作品の思想を感じとってみるのも◎今回の音声ガイドは、ナレーターの木村 昴(きむらすばる)さんが担当。限定作品のガイドを務めるのは俳優の水上 恒司(みずかみ こうし)さん。作品の解説がご自身のスマートフォン(有料)で楽しめるので、ぜひ作品の背景を理解しながらじっくりと鑑賞してみてくださいね。 アーバン・アートと現代アートに特化したMUCAのコレクションを心ゆくまで堪能できるMUCA 展。この機会に政治的・社会的なメッセージを人々に訴えかけるアーバン・アートのアイコンとも言えるアーティストたちの作品の数々を間近で体感してみてくださいね。
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テレビ朝⽇開局65周年記念『MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~』
テレビアサヒカイキョク65シュウネンキネンムカテンインコニックオブアーバンアートバンクシーカラカウズマデ
東京都 港区六本⽊6丁⽬101 六本⽊ヒルズ森タワー 52階
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モリサワ ジュンコ
Writer
物撮り写真家 モリサワ ジュンコ
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魅力あふれるモノゴトをインスピレーションとともにお伝えします。デザインやアート、建築が好き
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