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2024.10.11
メイドイン東京の洗える革で、愛着が増すバッグをデザインする「TOKYO LEATHER FACTORY」
一般的に、水気はNGとされている革製品。ところが、そんな常識を覆すのが「TOKYO LEATHER FACTORY(トウキョウレザーファクトリー)」の“洗える革”を使ったバッグ。国産の豚革をウォッシャブル加工した“洗える革”は、軽くて丈夫で、柔らかくて滑らかな手触りが特徴。雨の日にも気兼ねなく使え、汚れたら水洗いできる優れた素材です。 今回は、これらのバッグを生み出した「TOKYO LEATHER FACTORY」の加藤雅信さんに、“洗える革”バッグの開発秘話から、素材としての豚革の魅力、洗える革のお手入れ方法まで、たっぷりお伺いしました。 ことりっぷ公式オンラインストアでは「TOKYO LEATHER FACTORY」の洗える革のシリーズから、ビッグサイズのトートバッグと巾着型のサコッシュを販売中。サコッシュは、日常のおでかけはもちろん旅先でも、トートバッグは、ビジネスにも、週末の小旅行にもおすすめです。
革職人が生地となる革づくりから手掛ける、革製品のブランド
革職人の技術とこだわりが詰まった「洗って、使って、そだつ革」
国内で唯一自給できる豚革「ウォッシャブルピッグスエード」の魅力
革の魅力を最大限に引き出す、革職人ならではの裁断技術
「洗える革のビッグドロップトートバッグ」「洗える革の巾着型サコッシュ」のこだわりポイント
革職人が生地となる革づくりから手掛ける、革製品のブランド
東京の下町・江東区にある工房から魅力あふれるプロダクトを発信
“洗える革”のバッグをつくる「TOKYO LEATHER FACTORY(トウキョウレザーファクトリー)」は、革職人でもある加藤雅信さんによる、革と革製品のブランドです。東京の下町・江東区にある工房から、伝統的な皮革製造の技術や経験をもとに、魅力あふれるプロダクトを生み出しています。
ことりっぷオンラインストアでは、洗える革のビッグドロップトート(左)と洗える革の巾着型サコッシュ(右)を販売中
加藤さんの生家は、祖父の代から続くタンナー(皮を革へと加工する仕事)です。東京都の墨田区で、1948年に創業、東墨田で最大の皮革工場を持ち、豚革を中心に革の製造を行っていました。加藤さんは子どもの頃から、革づくりの仕事を間近に見て育ち、大学卒業後は革職人として家業に従事。16年間みっちりと、革づくりの技術を身につけます。それと並行して、自社内の革製品ブランドにも携わり、商品の革から企画して、バッグや革小物を製作する経験を積みました。 独立後は、豚革が主役になるものづくりを探究。というのも、数ある革製品ブランドの中から、自社ならではの個性を打ち出すには、革の魅力を活かし、社会や暮らしにおいて価値がある製品が必要だと考えていたからです。
革職人の技術とこだわりが詰まった「洗って、使って、そだつ革」
美しい色合いとスエードの風合いは、使い込むほどに味わいが増していく
“洗える革”ウォッシャブルピッグスエードは、豚革(ピッグスキン)から作られたスエードレザー。まるでビロードのようになめらかで上品な質感が魅力です。薄手ながらもしっかりとしたコシがあり、布のような柔らかさと軽さが心地よいのもうれしいポイント。そして何より特別なのは、家庭で洗濯ができること。洗うたびに、まるでデニムのように風合いが増していきます。 “洗える革”はもともと、洋服のパーツとして、布地と組み合わせても家庭で洗濯できるように、開発されたもの。加藤さんは、バッグ業界においても、水洗いできる機能性は付加価値になると確信し、革製品向けに“洗える革”の開発を決意します。「洋服を洗うように、革製品も洗濯することができたら、より暮らしに寄り添ったものづくりができるのではないかと思い、開発に取り組みました」(加藤さん) 革を洗うテストを繰り返すうち、単なる経年変化ではなく、デニムのように色落ちし、味わいのある風合いに変わっていくことを発見します。「洗ってケアしながら使い続けることで現れる、それぞれの個性は、革製品をより魅力的にします。このことから、私たちはこの革を『洗って、使って、そだつ革』と名付けました」(加藤さん)
国内で唯一自給できる豚革「ウォッシャブルピッグスエード」の魅力
豚革は毛穴が表から裏まで貫通しているので通気性がよく、カビが生えにくいのだそう
豚革は、国産豚肉の副産物のみで自給できる、とてもエコな素材。「牛革などほかの革と比べて軽く、摩擦に強く、通気性がよいといった特徴を持ち、バッグの素材として優れているんですよ」と加藤さん。 東京の下町・墨田区は、ものづくりのまちとして長い歴史を持ち、特に「豚革」の産地として有名です。明治時代から続く伝統のなめし技術が息づくこのまちでは、現在でも国内生産のほとんどの豚革が生み出され、その高い品質は、国内はもちろん、遠くヨーロッパのブランドからも評価されています。 こうした魅力たっぷりの東京産豚革に、「洗える」という機能を加えた「TOKYO LEATHER FACTORY」のウォッシャブルレザーシリーズは、東京都墨田区の豚革を使った新たな切り口での革製品として評価を受け、2015年度の「すみだモダン」の認証を受けています。
革の魅力を最大限に引き出す、革職人ならではの裁断技術
商品や革のサンプルが並ぶアトリエ
「TOKYO LEATHER FACTORY」のアトリエは、東京の下町・江東区にあります。住宅街に佇む小さなアトリエで、スペースの半分は“洗える革”の見本や革製品が並ぶショールーム、残りの半分は加藤さんが、革製品の製作を行う工房です。工房には、縫製する部分によって使い分ける2台のミシン、革の厚みを調整する機械、革を見極めたり裁断するための作業台などが並んでいます。
革本来の良さを活かすよう、工夫して仕立てている
バッグの製作にあたっての苦労や、工夫している点を伺ったところ、「一番難しいのは革の裁断ですね。バッグは裁断した革のパーツを縫い合わせて作ります。同じ革でも、部位によって滑らかさや毛の流れが異なるので、上手に裁断しないと、左右で色味が大きく違ってしまったり、目立つ部分に傷のある箇所がきてしまったりすることもあるんです」と加藤さん。 製品を量産する際に、革の裁断を外注先に依頼したところ、仕上がりにバラつきが出てしまったことがあり、それ以降、裁断はすべて、加藤さん自身が行なっているのだそう。 「革のロスを最小限に抑えながら、革の魅力を最大限に引き出せるよう、頭をフル回転して裁断しています」(加藤さん) 「TOKYO LEATHER FACTORY」のバッグを手にするときは、仕上がりの美しさにもぜひ注目してみてください。
素材を活かすバッグだからこそ、革の状態を見極めて裁断することが重要
「洗える革のビッグドロップトートバッグ」「洗える革の巾着型サコッシュ」のこだわりポイント
ことりっぷオンラインストアでは「TOKYO LEATHER FACTORY」の「洗える革のビッグドロップトートバッグ」(グレー、ベージュ、グリーン、ピンクベージュの4色)と、「洗える革の巾着型サコッシュ」(グレー、ベージュ、マスタードの3色)の2商品を販売しています。
革の風合いを生かした、シンプルなデザインの「洗える革のビッグドロップトートバッグ」
「洗える革のビッグドロップトートバッグ」は、やわらかな曲線を描いたシンプルなデザインが優しい雰囲気のトートバッグ。たっぷり荷物が入るので、週末のおでかけにも、お仕事バッグとしても活躍してくれます。 「革自体の表情や、素材感を楽しんでもらえるよう、シンプルなデザインに仕上げています。内側両サイドにつけたスナップボタンを留めると、スリムなフォルムに変形します。大きなトートバッグに少しだけ荷物を入れて、くたっとさせて持つのもおしゃれですので、ぜひいろいろ試してみてください」と加藤さん。 やわらかく薄い素材なので、くるくると小さく丸めてサブバッグとして持ち歩くことも可能。日常から旅行まで、幅広く活躍してくれるトートバッグです。
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コーディネートのアクセントになる「洗える革の巾着型サコッシュ」
「洗える革の巾着型サコッシュ」は、スマートフォンやお財布、リップ、イヤホンなど、ちょっとした小物を持ち歩くのにちょうどいいサイズ。内側にはポケットが1つ付いています。 「紐の部分は革で作ると少しゴワついて、長さの調整がしにくかったので、コットンの丸紐にしました。長さを簡単に調整できますので、斜めがけにしたり、紐を結んで手から下げたり、お好みの長さ、持ち方で自由にアレンジしてください」(加藤さん) トートバッグもサコッシュも“洗える革”で作られているので、ウォッシャブルで雨の日でも安心して使えますよ。
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長く大切に使うために。知っておきたい“洗える革”のお手入れ方法
日頃のお手入れで長くキレイに使い続けられる
“洗える革”は、豚革をサンドペーパーなどで毛羽立たせたスエード素材。やわらかな手触りが心地よい一方、つるっとした手触りの革よりも、汚れがつきやすい傾向があります。 「普段のお手入れには、ブラッシングがおすすめです」と加藤さん。ホームセンターなどで500円くらいで売っている、靴用の豚毛ブラシで、ブラッシングしましょう。先に毛の流れにさからうようにブラシをかけて、汚れやホコリを掻き出したあと、毛並みをそろえるようにブラッシングするときれいに仕上がります。また、ちょっとした汚れは、消しゴムでこする方法も手軽です。 「特に経年変化を狙って洗う必要がない場合は、この2つのお手入れが簡単で、美しさもキープできます」(加藤さん) 料理の汁など、液体の汚れが付いてしまった場合は、ブラシや消しゴムでは取れないので、水洗いの出番です。 「市販の中性洗剤で手洗いしてください。干すときは、まず、裏地を引っ張り出した状態にして、吊るして干してください。裏地が乾いたら中に戻して、全体の形を整え、さらに乾かしてください」(加藤さん)
洗ったあとは、裏地が乾きやすいよう引っ張り出して干すのがポイント
“洗える革”は、洗って使うほどに色が落ち、味わいが増していきます。洗わなくても、ブラッシングでお手入れしながら使い続けることで、それぞれの個性が出てくるのだそうです。 「天然皮革は、ひとつひとつ個体差があるので、同じ色・形のバッグでも、ひとつとして同じものはありません。自分だけの特別なバッグとして育てていく過程も含めて、楽しんでいただきたいです」(加藤さん)
やわらかな手触りで、ナチュラルな風合いが魅力的な「TOKYO LEATHER FACTORY(トウキョウレザーファクトリー)」のバッグたち。毎日のお出かけや旅行に、大活躍してくれそうです。気になる人は、ことりっぷオンラインストアをぜひチェックしてくださいね。
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文:せんぼん ちあき(クレッシェント)、撮影:清水 ちえみ
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