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2025.03.07
リニューアルした京都のレトロ喫茶「イノダコーヒ 三条店」で、ここだけの限定メニューを♪
喫茶文化が深く根付く京都。そのなかでも、ネルドリップのコーヒーとモーニングメニューで愛されているのがイノダコーヒです。京都市内に構える6店舗のうちのひとつ、三条店が約2年半にわたる改装を終え、リニューアルオープンしたのは2024年10月のこと。新しくなった外観や新メニューなどの話題で持ちきりですが、少し落ち着きをとり戻した今、お店を訪ねてみました。

アーチ型の窓が印象的な三条通のレトロ風建築

装いも新たになった外観は、特別な世界にいざなってくれるような雰囲気
「イノダコーヒ三条店」へは、京都駅から地下鉄で約5分の烏丸御池駅で下車します。明治時代からのレトロ建築が並ぶ三条通を東へ進み、堺町通を越した辺りにあるベージュのタイルに覆われた建築が三条店です。 以前は正面にあった入口が、店舗右の細いアプローチの奥に移動。ベンチに腰掛けて席を待てるようになったのは嬉しい心配りです。また、外壁のコーヒーポットとコーヒー豆缶の立体オブジェや店名の縦型看板は、改装前のものを引き継いでいるそう。新しいものと古いものが溶け合う姿が京都らしいですね。

三条店のシンボル・オーバルカウンターはそのままに

カウンター席でコーヒーが淹れられる様子を見るのも楽しい
さっそく店内に足を踏み入れると、三条店が創業した1970年から半世紀以上にわたって親しまれてきたオーバルカウンターが、改装前と変わらない重厚なたたずまいを見せてくれます。カウンターは人気の席、店の開店時間がくると、次々とお客さんで埋まっていきます。

壁の「INODA COFFEE」の文字は、かつて三条通に面した入口の地面に埋め込まれていた真鍮の装飾
リニューアルのコンセプトは「New Classical」。長い時間をかけて、古いものと新しいものを、どのように組み合わせていくかを考えたそうです。その答えが具体的な形になった、店の空間、メニューを見ていきましょう。 今回の改装で大きく変化したことのひとつは、2階席が設けられたこと。白い四角いテーブルが並び直線的なインテリアの1階ホールはスタイリッシュな空間。それに対し、アーチ型の窓に丸テーブルが並ぶ2階はクラシカルな雰囲気が漂っています。

2階席の椅子は、旧店舗より引き継いだ古いものを張り直して使用。大切に使い込まれた跡が残る

イノダといえば、やっぱりモーニング

「三条モーニングセット」1480円 (10:00~11:30) ※4月1日に価格変更予定
「京都の朝は、イノダコーヒの香りから」という言い回しがあるほど、イノダコーヒのモーニングは誰もが知るところです。 三条店限定のモーニングは、京都の老舗ベーカリー「丸善パン」のミニトースト、ふんわりスクランブルエッグ、ベーコンの中にソーセージが詰め込まれたスタッフドベーコン、2色のチーズが溶け合うマーブルチーズ、サラダがワンプレートに盛られたスタイル。 パンは、10cm角のミニ食パン2枚がトーストされたものなので、オープンサンドのようにして食べるのもおすすめです。

「アラビアの真珠」750円 ※単品の場合
モーニングには、コーヒー、紅茶、ジュースなどのドリンクが選べますが、やはり味わいたいのはコーヒー。モーニングにセットされるホットコーヒーは「アラビアの真珠」という深煎りの一杯です。 ちなみに、イノダのコーヒーの代名詞になっている「ネルドリップ」とは、ネル生地で作ったフィルターを使うドリップの方法。 ネルは紙フィルターよりも目が粗いため、ペーパードリップでは紙に遮断されてしまうコーヒーオイルを一緒に抽出できます。ネルドリップでゆっくりと抽出したコーヒーは、独特のコクがあり、まろやかで深い味わいになるそう。朝の目覚ましタイムにぴったりですね。

三条店限定のランチメニューやスイーツも登場

「オムレツイタリアンスパゲティ」1210円(11:30~15:00)
実は、今回のリニューアルではスタッフの方にとっても大きな変化があったそう。そのひとつが、本格的な厨房が設けられたということです。それにより、新たなランチメニューが2025年1月に登場しました。 ふわふわのドレスオムレスがのせられたスパゲティは、新しいメニューでありながら、どこか懐かしさも感じられます。フルーティーな甘めのトマトソースが太めのモチモチ麺によく絡み、それが卵に包まれて、さらにまろやかな味わいに。おいしくない訳がありません。食後には、コーヒーが飲みたくなりそうです。

「オーバルシューパフェ」1250円 ※4月1日に価格変更予定
スイーツのニューフェイスは、オーバルカウンターにちなんだ「オーバルシューパフェ」。一見、シュークリームのようですが、味わってみるとまぎれもなくパフェ。 楕円形をしたアーモンド生地のシューに、レモンアイスとイチゴアイス、生クリーム、カスタードをサンド。イノダコーヒでは、バニラアイスの代わりにレモンアイスを使っており、クリームソーダなどに浮かぶのもレモンアイスだそう。バニラアイスよりも爽やかでまろやか。だからボリュームたっぷりのパフェもペロリと食べられるのです。

おみやげには、ドリップコーヒーやスイーツを

ドリップコーヒーは種類も豊富。飲み比べも楽しそう
旅行で京都に来たのであれば、おみやげのひとつに喫茶大国・京都のコーヒーという選択もあります。イノダの味を家でも手軽に楽しめるドリップコーヒーには、もちろん「アラビアの真珠」も。こういった深煎りのコーヒーは、じっくりと落ち着いた時間を過ごしたいときによく合います。

スイーツもイノダコーヒの自家製。何度も通って全制覇したい(ケーキの種類は季節により異なる)
また、日帰り旅や手みやげには、ケーキや焼き菓子などのスイーツをどうぞ。ショーケースには、生ケーキやパイなどがずらりと並び、パティスリーと見まがうほどです。ほとんどは、テイクアウトできます。 「New Classical」をコンセプトにリニューアルされたイノダコーヒ三条店。徒歩で1~2分のところには本店もあり、どちらも素敵な空間、おいしいモーニングやスイーツがあり目うつりしてしまいそうですが、クラシカルな中にもスタイリッシュな要素があり、改まりすぎない雰囲気の三条店は、気軽に足を運ぶのによさそうですね。
イノダコーヒ本店の記事はこちら
イノダコーヒ 三条店
イノダコーヒ サンジョウテン
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文:戸塚江里子(らくたび) 撮影:道海史佳
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