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2025.06.08
「長寿寺」からめぐる北鎌倉のあじさいさんぽ。期間限定アフタヌーンティーや和菓子の楽しみも
京都の職人さんが手掛ける枯山水のお庭が見事な北鎌倉の古刹「長寿寺」では、春の特別拝観を開催中です。普段は入ることのできない書院や小方丈に上がり素敵なお庭を眺めてゆったりとしたひとときが過ごせます。境内をあじさいが彩るこの時期は、青々と生い茂る竹藪とのコントラストも美しい季節。拝観のあとは期間限定のあじさいのアフタヌーンティーや和菓子を楽しむなど、この時期ならではの北鎌倉の街歩きへとご案内します。
枯山水の庭を眺める「長寿寺」の特別拝観
白色のアジサイが窓辺を彩る「北鎌倉 葉祥明美術館」
期間限定のあじさいアフタヌーンティーを「ブラッスリー 航」で
緋毛氈に座って味わう焼きたてのお団子「香下庵茶屋」
「御菓子司こまき」の品のいい和菓子を手土産に
枯山水の庭を眺める「長寿寺」の特別拝観

長寿寺の小方丈とお庭
室町幕府の初代将軍として知られる足利尊氏が創建した「長寿寺」は、京都の庭師が手入れをする美しい枯山水の庭があり、春と秋の特定日だけ、この景色を楽しむことができます。本堂から入ると観音堂側の庭を眺める書院があり、さらに奥に進むと庭を望む小方丈へと続きます。

小方丈からの眺め
時折、小鳥のさえずりが響く小方丈はとても静か。時間もゆっくりと流れ、座布団に座って庭を眺めていると、心穏やかにゆったりとした気分になっていくのがよくわかります。手入れの行き届いた庭の「箒目(ほうきめ)」と呼ばれる白色の砂で水面を表した模様が、涼やかに目に映ります。

竹とあじさいの散策路
庭に出ると境内を一周する散策路になっています。観音堂の裏手には木々が生い茂り、木陰となった木の根元には絨毯のような美しい苔、奥へと進むと竹林が生い茂る中にあじさいも咲きそろいます。深呼吸をすると北鎌倉の澄んだ空気で、心も体も清められていくかのようです。
長寿寺
チョウジュジ
白色のアジサイが窓辺を彩る「北鎌倉 葉祥明美術館」
庭先のあじさい
北鎌倉のアジサイは青色のイメージが多いなか、白色のアジサイを見られるのが「北鎌倉 葉祥明美術館」の庭です。絵本作家であり画家、詩人として活躍する葉祥明氏の優しい世界観を鑑賞する美術館はレンガ造りが印象的で、葉祥明氏の設計案の元に建てられたのだそう。窓辺には清楚な白色のあじさいが咲きそろいます。

庭では記念撮影も
葉祥明氏は「空間を描く」メルヘン作家ともいわれ、その優しい作風は心に静かな感動を与えてくれます。館内には約80点の作品が季節ごとに展示され、ミュージアムショップでは、絵本や絵葉書も揃いますよ。ぜひお気に入りを見つけて。

繊細なタッチの絵葉書(160円)や書籍『しあわせの小径』(1650円)
北鎌倉 葉祥明美術館
キタカマクラ ヨウショウメイビジュツカン
期間限定のあじさいアフタヌーンティーを「ブラッスリー 航」で

お品書きを添えたセッティング
長寿寺で静かなひとときを過ごしたあとは、北鎌倉の街の風情を楽しみながら古民家カフェ「ブラッスリー 航」へ。この時期のアフタヌーンティーのテーマはあじさい。ガラス製のお皿に涼し気に盛り付けられ、バタフライビーレモネードソーダのウェルカムドリンクからはじまります。

期間限定の「紫陽花アフタヌーンティー」(6000円)※完全予約制
スタンド上部2段はスイーツ、下段にはお店のスペシャリテ「アボカドピュレのエクレア」がキッシュと共に添えられ、看板商品も楽しめますよ。2種類のサンドイッチには鎌倉野菜のサラダがつき、テーブルが華やかになるほど品数豊富です。

彩りのいい2段目のスイーツ
スイーツは、隣にある系列店「アルジャーノ航」のパティシエによるものです。あじさいをイメージしたメレンゲ菓子や抹茶のモンブランタルト、しっとりとした生地のブルーベリーのショートケーキ、焼き菓子を含めると8種類。繊細な手仕事が北鎌倉に咲くあじさいを彷彿とさせます。

スコーンとサンドイッチのお皿
スコーンはプレーンとアールグレイの2種類で、焼きたてが提供されます。二つに割ると湯気が立ちあがるほど。温かいうちに召し上がれ。
ブラッスリー 航
ブラッスリー コウ
https://www.instagram.com/brasserie_koo/
「紫陽花アフタヌーンティー」の提供時間 水木曜:15:30~、金土日曜:14:30~※前日17時までに要予約
緋毛氈に座って味わう焼きたてのお団子「香下庵茶屋」

「みたらし団子」(700円)緑茶付き
緑が多く、澄んだ空気の流れる北鎌倉の散策はとても気持ちがいいものです。そんな心地よさを感じながらのおやつに、お団子はいかがでしょうか。オーダーごとに焼くお団子はもちもちとしていて、みたらし餡もたっぷり。

「抹茶クリームあんみつ」(900円)も人気※アイスクリームとフルーツは季節によって変更あり
白玉にマシュマロ、あずき餡や抹茶アイスクリームなどを華やかに盛り合わせたあんみつは、徐々に暑さを増してくるこの季節に、おすすめの甘味。テラスの縁台で日本茶をいただきながらぜひ味わって。

「香下庵茶屋」の記事はこちら
香下庵茶屋
コウゲアンチャヤ
「御菓子司こまき」の品のいい和菓子を手土産に

6月の上生菓子「あじさい」(抹茶とのセットで1001円)
楽しいあじさい散策の最後は老舗和菓子店の「御菓子司 こまき」でゆったりくつろいで。抹茶とともに味わう和菓子は北鎌倉の四季をイメージし、そのバリエーションは100種類以上にものぼり、毎日変わることもあるのだとか。6月はあじさいをモチーフにした上生菓子です。

1箱6個入り上生菓子「あじさい」(2202円)
紫色の錦玉(きんぎょく)という寒天をさいの目にカットして白あんにまとわせたお菓子です。涼しげで透明感もあり、雨に濡れるアジサイのよう。手土産にもおすすめですよ。

外の景色を額絵のように眺められる店内
「こまき」の記事はこちら
しっとりとした古都の風情を楽しむ6月の北鎌倉

「ブラッスリー 航」の庭に咲くアジサイ
あじさいが咲く時期だけの限定品をメインにご紹介しました。注目度の高い北鎌倉で素敵な時間を過ごしてくださいね。
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文:高橋茉弓 写真:高橋茉弓、新井智子
Writer
高橋茉弓

おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
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