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2025.07.06
清流の町、岐阜・郡上八幡さんぽ♪夏の風物詩“郡上おどり”も気になる
岐阜県の郡上八幡は、夏の風物詩“郡上おどり”と清流で知られる町。郡上八幡城の城下町としての面影を残す町並みには、地域の文化や恵みにふれられる多彩なお店も点在しています。郡上おどりへの期待が高まり、町の中心を流れる清流や名水スポット、緑豊かな山々に涼を感じる季節。郡上八幡へでかけて、町歩きを楽しんでみてはいかがでしょう。
豊かな自然に恵まれた町に、新しい魅力が続々と
踊らなくても欲しくなる♪「郡上木履」の踊り下駄
風情ある町家で地域の恵みを味わう「糸CAFÉ」
「gugulab」で見つける、味のある家具や道具類
郡上でのステイは、町家1棟貸しの宿「Art&Hotel 木ノ離」
豊かな自然に恵まれた町に、新しい魅力が続々と

澄んだ水や、せせらぎが清々しい吉田川
南北に長い岐阜県の中央部に位置する郡上市。八幡エリアは郡上八幡と呼ばれ、山上に立つ郡上八幡城の麓に城下町が広がっています。緑豊かな環境や、町を流れる清流吉田川の恵みが豊かな町。清らかな水にふれられる名水スポットも町なかに点在しています。 町では、古くから親しまれる老舗に加えて、長く受け継がれてきた町家などを生かしつつ、新しい感覚を取り入れたお店も増加中。のどかな自然を間近に感じながら、郡上ならではの町歩きを楽しめますよ。

町なかには、踊りの町を感じるモチーフがあちこちに
郡上八幡といえば、夏の郡上おどりがよく知られています。7月中旬から始まって9月初旬まで続く、ロングランの盆踊り。お盆には明け方まで踊り明かす徹夜踊りも行われます。 今年の予定は7月12日のおどり発祥祭に始まり、9月6日のおどり納めに至る30夜。お盆の徹夜おどりは、8月13、14、15、16日の4日間です。 国の重要無形民俗文化財で、ユネスコの無形文化遺産にも登録されていて、国内はもちろん、海外から訪れる人も増えているとか。一度は体験してみたい、郡上の夏の風物詩です。

町家の軒先に提灯がよく似合う
郡上おどりの情報はこちら
踊らなくても欲しくなる♪「郡上木履」の踊り下駄

「石徹白洋品店」のこきん刺しが愛らしい踊り下駄
下駄を鳴らす音で調子を高めると、より楽しめるのが郡上おどりの特徴。愛着が湧く下駄を選ぶなら、セミオーダーできる「郡上木履」がおすすめです。徹夜おどりの会場にもなる橋本町にある郡上木履は下駄の専門店。地域に根差したプロダクトを作りたいと愛知県出身の木工職人、諸橋さんが立ち上げたお店で、好きな鼻緒を選ぶと、その場で足にあわせて鼻緒をすげてくれます。

築100年ほどの建物。広い土間には下駄や鼻緒がずらり
「郡上木履」の下駄に使われているのは、郡上の山々から切り出した檜。下駄に使う木材は桐や杉などが一般的ですが、檜は比較的柔らかくて加工がしやすく、何より軽いので踊り用にぴったりなのだとか。郡上の山々に数多く植林されている檜を使うことは、地元の産業の維持発展にもつながるそうです。

地元のシルクスクリーン工房「Takara Gallery Workroom」とコラボした鼻緒も
地元の産業であるシルクスクリーンを使ったオリジナルデザインをはじめ、色や柄もさまざまな鼻緒がなんと100種類ほど。こぎん刺しや有松絞り、伊勢木綿など日本的なものから、リバティ社のファブリックやインド綿を使った型染生地などもあって、浴衣だけでなく洋服にも合わせられそうです。 鼻緒を選んで下駄のサイズが決まれば、鼻緒をすげてもらって履き心地を確かめて、10分ほどで下駄が出来上がりますが、郡上おどりの時期はとても混みあうので、余裕をもってでかけてくださいね。
郡上木履
グジョウモクリ
風情ある町家で地域の恵みを味わう「糸CAFÉ」

趣のある和室の奥には中庭が見える
郡上木履から歩いて3~4分の商店街にあるのが「糸CAFÉ」。人が集う場所を作りたいと、郡上出身の上村彩果さんが開いたお店です。店舗は築100年近くになる町家で、上村さんが4年間かけて探し、ようやく出会えた理想的な物件。町家を改修してテーブルとイスを配した板の間と、ほぼ手を入れていない座敷、雰囲気の異なる空間が用意されています。

金曜と日曜のランチの一品、郡上の野菜たっぷりスープとutapanさんの天然酵母パン(1045円)
“郡上八幡の風土から生まれる、ヒト、コト、モノが、糸が紡がれるようにつながっていく場所に”という想いを込めた、糸CAFÉ。郡上の農家さんが育てた野菜や果物をできる限り使い、地元産を大切にしています。パンやコーヒーなどその他の食材も、上村さんが信頼を寄せるお店のものばかり。おいしさはもちろん、安心して頂けるのも魅力です。

月替わりのスイーツや季節のドリンクも楽しみ
ランチタイムには、曜日ごとに内容が変わるランチメニューがおすすめ。食感や香りが良く、うま味の濃い郡上の野菜や、市内のパン屋さんから届く自家製酵母を使用したパン、スパイスの風味豊かなカレーなどが曜日ごとに登場します。カフェタイムには、月替わりのスイーツや季節の果実を使った自家製ソーダなどでひと休みはいかがでしょう。 土地のおいしいものや風情を味わって郡上の魅力を感じたり、お店に集まる人やものとの出会いもある糸CAFÉ。ワークショップやライブなどの催しも盛んなので、SNSでチェックしてみてくださいね。
糸CAFÉ
イトカフェ
「gugulab」で見つける、味のある家具や道具類

大きな蔵を利用した店内に商品がいっぱい
酒蔵跡がリノベーションされて、個性的なお店の集まりに生まれ変わったエリアがあります。その中心になっているのが、郡上市内の民家などで眠っていた家具や道具類を引き取って販売している「gugulab(ググラボ)」です。持ち主の気配が残る品は味わい深く、タンスやサイドテーブルに鉄の脚をつけるなどリメイクされたものは新しい魅力をまとっています。

姿も表情も味わい深い、土びなが集結
大きな道具類に加えて、レトロな味わいのガラスの器や骨董品のような食器もたくさんそろっています。詳しく鑑定して値段をつけるようなことはしていないので、骨董品としても価値のある、お宝のような品が見つかるかもしれませんよ。ユニークな陶器の人形、土びなも目を引きます。お雛さまから、歌舞伎の登場人物や軍人など、さまざまな種類があり、思わず微笑んでしまうようなものも多いので、じっくり選んでみてくださいね。

郡上八幡の名物を散りばめたデザインで、1枚ずつ手刷りした郡上八幡ハンカチ(1650円)
店内の一角には、地元のイラストレーターさんが描いたキャラクターがかわいいオリジナルグッズが並んでいます。郡上の地場産業であるシルクスクリーン印刷が用いられたものや、郡上おどりなど地元の風物詩や名物をあしらったアイテムも。郡上らしさがありつつ洗練されたおみやげとして、喜ばれそうです。 お店の周りには、公園のように開けた場所や、川を臨むカフェなどもあるので、お買い物の後にひと休みするのもいいですよ。
gugulab
ググラボ
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文:豊野 貴子





































