
38
2025.07.26
7/18-10/5|黄金に包まれる特別な時間「クリムト・アライブ 東京展」
光と音による没入型のアート体験として多くの来場者を魅了した「ゴッホ・アライブ」「モネ&フレンズ・アライブ」に続く第3弾。19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムトの世界を体感できる展覧会「クリムト・アライブ」が、2025年7月18日(金)から10月5日(日)まで日本橋三井ホールで現在開催中です。 今回はその展覧会の様子をレポートします。
光・色・音・香りに包まれたクリムトの世界

本展を企画・制作したのは、これまでにも数々の没入型展覧会を手がけてきたオーストラリアのクリエイティブ企業「Grande Experiences(グランデ・エクスペリエンセズ)」。 世界6大陸、200以上の都市で280回以上の展覧会を開催し、延べ2500万人以上の観客を魅了するなど、国際的に高い評価を受けています。

会場では、約7メートルの天井高を活かした開放的な空間に、巨大スクリーンが設置され、独自開発の映像システム「SENSORY4™」によって、クリムト作品のきらびやかな色彩や装飾が壁一面に映し出されます。 音楽と映像が調和するだけでなく、照明や色彩の演出、香りの効果も加わり、五感を通して作品世界を体験できる、圧倒的な没入感が味わえます。

音楽と映像が織りなす、物語としてのクリムト

クラシックから現代音楽まで、時代を超えたさまざまな楽曲が、映像とともに流れます。ヨハン・シュトラウスの《美しき青きドナウ》をはじめ、マーラー、シューベルト、リスト、ブラームス、さらには現代作曲家による音楽も加わり、作品の世界観に豊かな深みを与えています。 映像は、いくつかのテーマに沿って静かに展開していきます。ジャポニズムに見られる東洋的な美意識、芸術の革新を目指したウィーン分離派の理想、クリムトが愛した自然、女性が持つ神秘的な力、そして黄金様式による輝かしい作品群へと、章が進むごとに世界が変容していくよう。

「ジャポニズム」会場風景
映像の中で浮かび上がるのは、19世紀末のウィーンを取り巻く多彩な文化的背景。日本の美術に影響を受けた「ジャポニズム」の表現では、扇や流水文様、植物のシルエットといったモチーフがクリムトの装飾性に溶け込み、独自の美学を形成していく過程が映し出されます。

「ジャポニズム」会場風景
スクリーンには、クリムト自身の言葉も静かに映し出され、作品に静かな余韻を与えています。

「ウィーン分離派」会場風景

「自然」会場風景

「自然」会場風景
クリムト作品に通底する自然へのまなざしにも注目したいところ。花や木々、水、そして光の表現は、画面の中に息づく生命を感じさせます。蝉しぐれなども聞こえてきて、まるで自然の中に身をおいているような錯覚も味わえます。

「女性の力」会場風景
また、クリムト芸術の核とも言えるのが、女性像。女性の官能性や神秘性、内に秘めた強さが、象徴的に映し出されます。映像に浮かび上がる表情や視線は、観る者の心に静かに訴えかけてきます。

「女性の力」会場風景

「女性の力」会場風景

「黄金時代」会場風景
そして最後は、クリムトの代表的な「黄金様式」の作品群が登場。金箔の輝き、複雑なパターンで描かれた幾何学的な装飾……。大きくスクリーンに映し出されることで、細部までじっくりと堪能できます。

「黄金時代」会場風景

「黄金時代」会場風景
天井高を活かした大画面から次々と流れ込む映像は、まるで滝が川へと落ちていくように全身を包み込みます。色彩と音に身をゆだねながら、物語の中を歩むような没入体験を、ぜひ会場で味わってみてください。
フォトスポットと限定グッズで特別な余韻を

《接吻》フォトスポット
展覧会の最後には、思わず写真に収めたくなるフォトスポットや、持ち帰って楽しめるオリジナルグッズが揃います。 人気の《接吻》フォトスポットでは、クリムトの代表作の世界に入り込んだかのような写真が撮影可能。アート鑑賞の記憶を、しっかりと写真に残せます。

左上:グリッターコースター(税込:1210円)、右上:『カフェタナカ』コラボ ビジュー・ド・ビスキューイ〜KLIMT黄金缶〜(税込:3996円)、左下:「クリムトさんグッズ」3P マグネット(税込:660円)、マスコットキーホルダー(税込:1760円)、右下:オーガンジー巾着(税込:1650円)
グッズ売り場では、繊細な色彩が美しいグリッターコースターや、名古屋の人気パティスリー『カフェタナカ』とコラボしたビスキュイ缶など、多彩なアイテムを展開。金色の煌めきが詰まった巾着やキーホルダーなど、ギフトにもおすすめのラインナップです。 展覧会で感じた余韻を、日常の中でもそっと楽しんでみてはいかがでしょうか。
クリムト・アライブ 東京展
クリムト・アライブ トウキョウテン
ことりっぷ編集部おすすめ
このエリアのホテル
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
Writer
物撮り写真家 モリサワ ジュンコ

魅力あふれるモノゴトをインスピレーションとともにお伝えします。デザインやアート、建築が好き
の人気記事













































