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2025.08.27
京都・路地奥の「祇園もりわき」で、季節を散りばめた憧れの京料理を
美食の都・京都を訪れるなら、少し背伸びをして京料理の世界にふれてみたいもの。とはいえ、「一度は行ってみたいけれど、なんとなくハードルが高い気がして……」そう思っている人も少なくないかもしれません。五花街のひとつ、祇園の路地奥にたたずむ「祇園もりわき」は、一期一会の心を大切にしたおもてなしと、肩ひじ張らずに過ごせるカウンター席で、ひとり旅にもおすすめ。季節の移ろいを五感で楽しみませんか。
花見小路から祇園町南の隠れ家へ

祇園のシンボル、つなぎ団子の紋章をあしらった提灯がいざなう
京阪電車の祇園四条駅から東へ徒歩5分。四条通と花見小路、ふたつのメインストリートの交差点を経て、八坂神社の南楼門や円山公園へとつながる裏路地へ。風情ある建物が軒を連ね京情緒が香る一角に、「祇園もりわき」はあります。

カウンター席は6席、その奥にテーブルが1卓の全10席
「祇園もりわき」は、寿司割烹や、京料理店、京都ホテル「入舟」などで腕を磨いた森脇努さんが、2014年にオープン。「一期一会を大切に、目配り心配りが行き届くように」とあえてコンパクトにまとめた空間は、西洋桜の一枚板のカウンターや、樹齢600年の木を生かした棚など、木のぬくもりが感じられます。

個室感があり、落ち着けるテーブル席
旬の素材を生かした繊細なコース料理

アワビとホッキ貝の酢みそ和えに花穂紫蘇を散らした「先付」
そのときどきの旬を散りばめたコース仕立ての料理は、昼7000円~、夜12000円~(いずれも税・サービス料別)。最後には石臼で粗挽きしたそば粉と水のみを使った自家製十割そばが付くのがお決まりです。 昼7000円コースの、初夏のある日の料理をひと品ずつご紹介しましょう。

うすい豆のごま豆腐に、アブラメ、ジュンサイ、山菜の一種・アスパラソバージュを添えた「お椀」

この日のお造りは、タイ、マグロ、イカ

ちょこっとお腹を満たす「凌(しの)ぎ」は、うなぎの飯蒸し

太刀魚の塩焼き、近江牛イチボ蒸し煮、トウモロコシのかき揚げなどを盛り合わせた「八寸」(写真は2人前)

丸茄子と万願寺唐辛子に白味噌の餡をかけた「焚合せ」

締めのお蕎麦への序章、甘辛いおだしを含んだいなりずし

香りとコシを両立するそば粉を吟味し、毎朝手打ちする十割蕎麦

黒糖ムースに季節のフルーツを添えたデザートも
京料理に欠かせない、おだしの魅力を体感

豊かな香りがふわりと広がって、思わず歓声が上がる
椀物の前には、目の前で専用の削り器を使って枕崎のかつお節を削り、利尻の一等検昆布とともにおだしに仕立てる工程を披露してくれる楽しいパフォーマンスも。わずか0.01mm、フワフワの削りたてかつお節と黄金色に輝くおだしを試食し、京料理の要となるおだしの風味と奥深さをダイレクトに感じることができました。 「時が経つにつれ、椀ものを大切にされていた師匠の言うことがわかるようになりました。まだ未完成。これからもだしを追究していきたいです」と森脇さん。

京料理の名脇役、かつお節に凝縮されたうまみに驚かされる
季節の移ろいを感じる盛り付けと繊細かつ多彩な味わいに心が弾む京料理。祇園の路地奥で五感を潤すひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

祇園もりわき
ギオンモリワキ
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文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
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