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2025.09.20
9/13-11/30|東京・京橋で開催中「北斎のしわざでした。展」で葛飾北斎の世界観を体感
東京・京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYOで、9月13日(土)から11月30日(日)まで、「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」が開催中。富士山を背景に大波がせり上がる様子を描いた風景画は葛飾北斎の名作で、江戸時代から約200年以上経った現代も日本だけでなく世界中で語り継がれています。 本展は『北斎漫画』1700冊を所蔵する浦上蒼穹堂代表・浦上満さんの協⼒のもと実現。現代のマンガやアニメの表現の原点ともいえる作品に着目した新しい展示演出で、北斎の世界観を体感してみませんか。北斎の魅力を詰め込んだコラボカフェや限定グッズ販売もあるのでぜひチェックしてみてくださいね。
読本の挿絵から晩年の傑作まで総数400点を超える出展作品

展覧会公式アンバサダーに就任したKing & Prince 髙橋海人さんの音声ガイドも楽しめる
葛飾北斎(1760-1849年、以下北斎)は、江戸時代後期の浮世絵師。90年の生涯で30000点もの作品を残し、93回の引越し、30以上の画号を使い分けた自由奔放な生き方は、偏屈・奇人としても伝えられています。しかし彼の真に驚くべきところは、一生を画業に捧げ、何度も新分野にチャレンジして新しいスタイルを確立し続けたことです。 自ら画狂人と名乗る北斎の壮絶な人生を作品とともに歩めるのが、この「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」。早速マンガやアニメなど世界が讃えるジャパニーズカルチャーの世界を辿ってみましょう。
曲亭馬琴らとタッグを組んだ読本ブーム

第一章「読本」エリア
展覧会の始まりは、江戸時代後期の読本作者・曲亭馬琴らとタッグを組んだ作品が並ぶ「読本(よみほん)」エリア。目に飛び込んでくるのは、読本ブームを巻き起こした『椿説弓張月』続編 巻之三や『新編水滸画伝』巻之一の北斎の代表的な読本作品です。30点ある読本のうち、展覧会のために100倍に拡大されて展示されているのが、代表の3作品です。 まるで黒渦の中に引き込まれそうになる『釈迦御一代記図会』巻之六の挿絵は、仏教の開祖である釈迦の生涯の事跡を描いており迫力満点。

葛飾北斎『釈迦御一代記図会』巻之六 浦上蒼穹堂蔵

葛飾北斎『椿説弓張月』続編 巻之三の半紙本が8冊並ぶ
元の原画は半紙本サイズでそれぞれの作品の目の前のショーケースに並んでいます。大きく掲げられている画は、小さな半紙本では見つけられない細かい表情が見えてきて新しい発見ができるかも。それぞれのエリアには拡大した作品が見られますが、すべて原本が展示されているのが展覧会の収録ポイントのひとつです。
ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」と並び称される名画

第二章「波」エリア
読本エリアを堪能した後、次に進むのは“大波”と称される葛飾北斎の代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』がある第二章の「波」エリア。新紙幣の千円札やパスポートの査証ページにも採用されている大波の画は、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」と並び称される名画であり、海外ではグレート・ウェーブとして知られています。

葛飾北斎『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』 個人蔵

葛飾北斎『冨嶽百景』二編「海上の不二」 浦上蒼穹堂蔵
『冨嶽三十六景』は、作品名に「三十六」と名付けられていながら、シリーズは46作品で完結しています。36作品に続き、後に制作された10作品は「裏富士」と呼ばれており、墨色を輪郭線に使ったシンプルな風景画。浦上蒼穹堂代表・浦上満さんが『冨嶽三十六景』と並んで「波」エリアに1枚選んだ画が『冨嶽百景』二編「海上の不二」です。 『冨嶽百景』シリーズは、展覧会の最後のコーナーに展示されていますので、ぜひ注目してみてください。
北斎の魅力を詰め込んだテーマカフェ「北斎食堂」

CREATIVE MUSEUM TOKYO CAFE「北斎食堂」
同フロアにある「CREATIVE MUSEUM TOKYO CAFE」では、もし北斎が食堂を開いたら?という視点から着想を得たテーマカフェ「北斎食堂」が展覧会の会期中オープンしています。カフェメニューは蕎麦やオムライス、大福など味や見た目にこだわった独創的なメニューが並びます。 カフェだけでの利用もOK。会期中は無休で予約も必要ないので、ランチやスイーツ目当てで気軽に訪れてみてはいかが。

カフェの大きな窓には葛飾北斎の代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が描かれている

大きな窓からは明るい日差しが差し込む
店内は、木を基調としたシンプルで落ち着いた空間が広がっています。東京の中心とは思えないくらいゆったりとした時間が流れており、広々とした席でゆっくりとカフェタイムを過ごすことができます。
青く鮮やかな波が広がる貝出汁のお蕎麦

「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏蕎麦」(1690円)
カフェメニューの中で一押しなのが、北斎の代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』をテーマにしたお蕎麦。江戸湾をイメージした冷たい貝出汁のお蕎麦にカリカリ食感のかき揚げ、トップにのるのは富士山に見立てた大根おろし。器に広がる波が彩りを添えます。 鮮やかな波は、天然青色着色料のリナブルーを使用したマヨネーズで描いています。『冨嶽三十六景』などの風景画には、江戸時代にヨーロッパから伝わったベロ藍(プルシアンブルー)を使用しており、北斎ブルーの個性をフードにも反映。 貝出汁には小舟型のこぼうのクッキーを浮かべて和テイストに。かき揚げと小舟のサクサク食感とともに、北斎の世界を楽しんでください。
北斎の青の世界を体感できる「北斎ブルーオムライス」

「北斎ブルーオムライス」(1890円)
もし北斎が洋食屋だったら?と想像力を膨らませて開発されたのが「北斎ブルーオムライス」。透明なトマトコンソメ餡の上に浮かぶのは、リナブルーに染まったふわふわのたまごとブルーのライス。餡にもオムライスにもケチャップを使わずに仕上げてあり、見た目も楽しめる素材にもこだわった一品です。 青とピンクがテーマカラーの展覧会に合わせて、器には檜垣柄の青とピンクのワンポイントが描かれています。葛飾北斎が愛した青の世界と、どこか懐かしいやさしいオムライスの味わいをぜひ体験してみて。
6色の餡と具材で仕立てた彩り大福

「色遊び大福 百面相セット(6個入り)」1980円 左奥:向日葵(洋ナシ) 中央奥:茜(チェリートマト) 右奥:ベロ藍(ぶどう)左手前:曙(みかん) 中央手前:墨染(柿) 右手前:萌葱(いちじく)
デザートの「色遊び大福 百面相セット」は、色鮮やかな6つのカラーで仕立てた彩り大福。このカラーは餡の色で、大福は透明な求肥で包まれています。黄色の大福は向日葵の餡に洋ナシ、青い大福はベロ藍をイメージしたリナブルーの餡、中にはぶどうが入っています。 見た目と中身が想像つかないので、一口食べると『北斎漫画』のユニークな表情が魅力的な百面相のように豊かな表情があふれ出すかも。追加で食べたい時に2個セット(660円)もあり、好きな色の組み合わせで選ぶことが可能。1個単位(330円)でも追加注文できますよ。好きな味を見つけてはいかが。

左:「ベロ藍(ぶどう)」、右:「茜(チェリートマト)」
北斎ブルーの富士山クリームソーダ

「冨嶽クリームソーダ」(1190円)
お食事やデザートと一緒にドリンクはいかが。おすすめなのは、『冨嶽三十六景』の浮世絵シリーズに登場する富士山をイメージした見た目もさわやかなクリームソーダです。富士型グラスの中には、バタフライピーのシロップで作る色鮮やかなブルーのソーダ。青色のノンアルコールシロップ・ブルーキュラソーで2層仕立てに。バニラアイスが溶け込んだオレンジ風味のソーダは、懐かしさを感じる味わいです。白く砕ける波頭を映した波ゼリーのお茶請けと一緒にどうぞ。

左上「幾何学模様のばらちらし」(2290円)、左下「海上の不二クレープ」(890円)、右上「美人画パフェ」(1390円)、右下「北斎のしわざバーガー」(1990円)
そのほか、木版画を思わせる幾何学模様の海苔が印象的な「幾何学模様のばらちらし」や「マンガ」のルーツを彷彿とさせる北斎の集中線と筆跡を描いた鱈の「北斎のしわざバーガー」。奥ゆかしさのある美人の和姿を想像した「美人画パフェ」、展覧会の色彩を映したクレープ生地にソフトクリームをのせて「海上の不二クレープ」など、北斎にちなんだ独創的なメニューがそろいます。 「色遊び大福」と「海上の不二クレープ」はテイクアウトもできますよ。展覧会の合間にぜひカフェにも寄ってみてくださいね。
CREATIVE MUSEUM TOKYO CAFE
クリエイティブ ミュージアム トウキョウ カフェ
https://hokusai2025.jp/special/
ラストオーダー:(フード)営業終了の60分前/(ドリンク)営業終了の30分前まで/(テイクアウト)営業終了の60分前まで。カフェ、テイクアウトメニューの利用に予約・展覧会チケットは必要ありません。
200点以上の展覧会オリジナルグッズ

限定グッズが200点以上そろうミュージアムショップ
ミュージアムショップでは、展覧会オリジナルグッズや人気ブランドとのコラボ―レーションによる限定グッズが200点以上そろいます。ここでしか手に入らないレアなアイテムも満載です。

「HOKUSAI - ぜんぶ、北斎のしわざでした。展 展覧会公式図録」(3300円)
特に見逃せないのが展覧会の公式図録。出展総数約400点の希少作品を全収録した永久保存版です。北斎は200年前の筆と紙しかなかった時代に、日本のカルチャーである「マンガ」と「アニメ」の表現の原点を生み出した人物。現代の私たちの目にも新鮮に映る作品の数々は、展覧会後もページを開くたびに余韻に浸れます。 研究者の論文をはじめ、横尾忠則さんや鈴木敏夫さんなど著名人によるコメントも収録。読み応えのある日英バイリンガル版です。

左:「チェンジングエコバッグ」(2420円)
『北斎漫画』に描かれた江戸の人々の姿をあしらった「チェンジングエコバッグ」は、折りたたむと、扉絵のデザインに収まり、まるで一冊の本のように持ち歩けます。

左上「PEANUTS with Hokusai ピンバッジ」(各770円)、左下「PEANUTS with Hokusai ミニタオル」(1100円)、右上「PEANUTS with Hokusai 缶マグネット」(各880円)、「PEANUTS with Hokusai ダイカットポストカード」(各440円)」、右下「PEANUTS with Hokusai コンパクトミラー」(1430円)、「PEANUTS with Hokusai マスキングテープ」(各605円)
PEANUTSコミック誕生75周年を記念して『PEANUTS』と『北斎漫画』がコラボした本展オリジナルグッズもそろいます。ミニタオルやダイカットポーチ、エコバッグなど、日常使いできるキュートなグッズも勢ぞろい。 日常の何気ない出来事をユーモアと哲学的な視点で描いたアメリカの漫画家チャールズ・シュルツと北斎。思わず手に取ってしまいたくなる二人の代表作は見逃せません。
「集中線」「ギャグ描写」「アニメ原画」など、現代のマンガやアニメの表現の原点ともいえる作品に着目した新しい展示演出で、200年前の“北斎のしわざ”を体感できる貴重な体験をぜひ会場で味わってみてください。

HOKUSAI - ぜんぶ、北斎のしわざでした。展
ホクサイI - ゼンブ、ホクサイのシワザデシタ。テン
https://hokusai2025.jp
毎週金・土曜および祝前日は20時まで開館。※最終入場は閉館の30分前まで。※会期中、一部作品の展示替えを行います。
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撮影:南森エレナ
Writer
スイーツコンシェルジュ 南森エレナ

テレビ局や大手旅行会社などの勤務を経て雑誌やwebで執筆するライター。カフェめぐりと旅行が趣味
【連載】東京カフェ・スイーツニュース

日本スイーツ協会認定のスイーツコンシェルジュ南森エレナさんがいま気になる東京のカフェ・スイーツをご紹介。心躍る見た目はもちろん、味もお墨付きのキュートなスイーツをめしあがれ♪
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