隠れ家感たっぷりのシックな入り口

麻布台ヒルズから歩いて１分ほど。緑豊かで、各国の大使館が集まる麻布台エリアに「ナナシアン」はあります。 外苑東通り沿いに出ている看板を目印に、坂を下ると、昭和レトロなビルに到着。ひっそりと、隠れ家感漂う黒い扉を見つけたら、ここが入り口です。

ミッドナイトブルーの壁紙が印象的な店内

手前にはおひとり様にうれしいカウンター席が並び、奥にはテーブル席も

一歩中へ入ると、そこはミッドナイトブルーに彩られた異空間。まるで絵本の世界に迷い込んだようで、「麻布台ヒルズの近くに、こんな場所があったとは…」と驚く人も多いはず。 お店を営むのは、紅茶と旅と本が好きな、半田さん。会社員として働きながら、2024年2月に恵比寿で間借り営業をスタート。そのお店が評判を呼び、2025年1月に麻布台へと移転しました。

生花やキラキラと輝く鳥のオブジェも飾られ、上品で華やかな雰囲気

そして、壁のアートがまた個性的。写真だったり、イラストだったり、どれもセンスが光るものばかり。眺めるだけで、感性が刺激されます。

棚には、ジャンルも国も異なる本が並び、見ているだけで心が躍ります。 本と一緒に飾られているのは、ハンドメイドの信楽焼スピーカー「Alina」。なめらかで心地よい音楽が、リラックスムードを盛り上げてくれます。

自分でティーカップも選ぶ楽しみも

温かい紅茶を注文すると、好みのティーカップを選べる

キャビネットの中には、思わず手に取りたくなるようなティーカップが並んでいます。うれしいのは、その中から好きな一客を選んで、お茶の時間を楽しめること。 のぞいてみると、フランスのベルナルドや、ハンガリーのヘレンドなど、格式高い名器がずらり。中には、手描きの絵柄が愛らしい貴重な一点ものも。「どれにしようかな……」と迷う時間も楽しいひとときです。

ページをめくるのが楽しくなる、半田さんお手製の紅茶のメニュー

ポットで提供される紅茶は、たっぷり飲めるのがうれしいところ。２〜３杯分あるので、まずはストレートで香りを楽しみ、次はミルクを加えて味の変化を味わって。

とびきり優雅な白と黒のスワンスイーツ

お店の看板スイーツ「白鳥の湖プリン」（1100円）

紅茶に合わせるなら、スイーツはなんといっても「白鳥の湖プリン」がおすすめ。プリンの上で羽を休ませるように、一匹の白鳥がのっています。この白鳥は、シュークリームでできていて、中にはカスタードと生クリームがたっぷり。 口に運ぶと、卵の風味がしっかりと立ち上がり、あとからクリームのやさしい甘みが広がります。紅茶をひと口、白鳥の湖プリンをひと口……。そんな至福のハーモニーを味わえば、きっと忘れられない思い出として残るはず。

「黒鳥の湖ババロア」（1100円）

「白鳥の湖プリン」と並んで人気を集めるのが、「黒鳥の湖ババロア」。こちらは、ブランデーの香りがふわりと立ちのぼる、濃厚なチョコレートのババロアです。 ココア風味のシューを重ねたその姿は、まるで夜の湖に舞い降りた黒鳥のよう。ひと口ごとに、ババロアのなめらかさと、チョコレートのコクがゆっくりとほどけていきます。

特製バジルソースがかかった「エッグ・ベネディクト」

ナナシアンは紅茶専門店ですが、お食事系も充実。 17時までオーダーできる「ブランチセット」（3410円）なら、選べるお食事＋あまいもの＋ポットティーがセットになって、しっかり食べたいときに最適です。 迷ったときは、「エッグ・ベネディクト」をぜひ。イングリッシュマフィンに、厚切りベーコンとポーチドエッグを重ねて、上からバジル香るソースをたっぷりと。バジルの爽やかな風味がアクセントになり、ペロリと食べられてしまいます。

朝でも午後でも、心地よい満足感を味わえる「ナナシアン」。日常の延長線上で、プチトリップしたくなったら、訪ねてみてくださいね。