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2026.02.22
京都・祇園で愛されるレトロ喫茶「切り通し進々堂」で、心華やぐひとときを♪
京都五花街のひとつ、祇園の「切通し」という名の路地にたたずむ「切通し進々堂」。昭和の創業以来60年以上にわたり、祇園の舞妓さんや芸妓さん、花街の伝統と文化を支える人たちから愛されてきた名喫茶です。シンプルでいて味わい深いサンドイッチや、カラフルなフルーツゼリーなど、レトロかわいいメニューとともに心華やぐ時間が過ごせますよ。
祇園白川へとつづく路地の一角

四条通から古都情緒が漂う祇園白川へと向かう路地「切通し」に入ってすぐ左手にある
京阪祇園四条駅から四条通を東へ歩くこと5分ほど。「進々堂」と聞いて、京都でおなじみの老舗ベーカリーの店舗のひとつ? と思う人もいるかもしれませんが、こちらはベーカリーではなく喫茶店。3代目を担う藤谷さんが、お母様とふたりできりもりしています。 「戦後すぐ、卵や乾物などを扱ったよろず屋がはじまり。進々堂さんから祖父にパンの小売もせえへんかと声がかかって、パンを販売するようになりました」 「進々堂」の名はそんなご縁から。1960年頃に喫茶店となってからは、進々堂の食パンを使ったサンドイッチやトーストを提供しています。

店頭のショーケースに並ぶ昔懐かしいスイーツ。春はババロアもお目見えする

奥の扉を開けて喫茶室へ

壁を飾る祝い札。春から夏は団扇に変わる
こぢんまりとした店内は昔ながらの趣。常連さんも旅人も思い思いの時間を過ごせる気さくな雰囲気で、ホッと落ち着けます。春から夏にかけては、舞妓さんや芸妓さんから挨拶として贈られる団扇が壁を彩ります。このときは、新年の祝い札が花街らしい華やぎを添えていました。

ひとりで過ごすのにもちょうどいい、コンパクトな空間

壁を飾る版画にも店の歴史が刻まれている
レトロかわいいフルーツゼリー

「ゼリー」(赤・緑)400円、(レモン)380円
看板メニューは、「あかい~の」、「みどり~の」の愛称で親しまれているカラフルなフルーツゼリー。「都をどりの公演の間、舞妓さんたちは食べる時間もないくらいバタバタと忙しいのでね。『メロン味』『イチゴ味』というのも忘れるくらい気が急(せ)えていた舞妓さんが、『みどり~の持ってきて』と先代である父に注文したんです」 以来、「あかい~の」「みどり~の」の名で定着したのだとか。

「ゼリー(赤)」400円は通称「あかい~の」

「みどり~の」こと「ゼリー(緑)」400円、「レモンスカッシュ」750円

「ゼリー(レモン)」380円。近年のテレビ取材時、芸人さんが「きいろい~の」と命名したのだとか

ゆるすぎると花街への配達時に溶けてしまうため、ややハリのある食感に仕上げている
「今みたいにコンビニもなかった40年ほど前、差し入れや”お部屋見舞い”に持っていくものをとの要望に応えようと、試行錯誤を重ねてゼリーを作りました。当初はオレンジゼリーやグレープフルーツゼリーもありましたよ」 今定番となっている3種は、どれもレモンゼリーがベース。さっぱりとして飽きのこない味わいです。
サンドイッチのバリエーションも豊富

「上ウィンナートースト(ウィキュウ)」400円 ※ワンドリンク制
昭和の頃から変わらず進々堂のプリミエールを使ってつくるサンドイッチやトーストは、バリエーションが多彩。トーストだけで15種もあります。人気は、注文を受けてから塩もみしてパリッと仕上げるキュウリと、油でカリッと揚げた赤ウィンナーを挟んだ「ウィキュウ(上ウィンナートースト)」。「お着物で食べてもらうことが多いので、卵液が垂れないように」と火入れの加減にこだわった「玉子トースト」もおすすめです。

「玉子トースト」350円、「カフェオレ」650円
「コロナ禍では、祇園の常連さんたちに『毎日来るし店開けといてや』と言ってもらえて、ご恩義を感じています」と藤谷さん。祇園を愛し、愛された先代の思いを大切に受け継ぎながら、これからもこの場所で時を刻みつづけていくことでしょう。

切通し進々堂
キリトオシシンシンドウ
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文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
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