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2026.06.21
『時をかける少女』20周年記念「細田守の原点/展」をレポート ~あの夏の感動がよみがえる、過去最大規模の展覧会へ~
『時をかける少女』公開20周年を記念して、アニメーション映画監督・細田守の創作の軌跡をたどる「細田守の原点/展」が、2026年6月20日(土)~8月31日(月) の期間、東京・京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYOで開催されます。『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』などの代表作を中心に、絵コンテや原画、美術ボードなど300点以上の貴重な制作資料を展示。作品の舞台裏にふれながら、あの夏の感動をもう一度体験できる展覧会を、ことりっぷ編集部がひと足先に訪ねてきました。
『時をかける少女』から『おおかみこどもの雨と雪』まで、創作の原点をたどる

©細田守の原点/展
『時をかける少女』公開 20周年を記念して、過去最大規模のクリエイティブ資料でアニメーション映画監督・ 細田守の映像世界を体感する本展。今なお多くのファンを生み続けている『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』をはじめとする代表作を中心に、絵コンテ、レイアウト、原画、美術ボードなど300点以上の制作資料が展示されます。

絵コンテの演出指示から精緻な筆遣いまで間近で見ることができる ©細田守の原点/展
会場に足を踏み入れてまず驚かされるのは、その圧倒的な展示資料の量。細田守監督がどのように作品世界を生み出してきたのか、その創作の過程をたどるように鑑賞することができます。

撮影:山本倫子 ©細田守の原点/展
来場者を最初に出迎えるのが『時をかける少女』エリア。映画の名シーンが音楽とともに投影されるなか、絵コンテや原画をじっくりと鑑賞できます。

あの名シーンはここから誕生したと思うと、思わず感情が高ぶります ©細田守の原点/展

原画担当は、アニメーターのりょーちも氏 ©細田守の原点/展
なかでも印象的だったのが、真琴が街を駆け抜ける約1分間のシーン。セリフはなく、ただ、ひたすらに走るこのシーン。そこには、千昭に会わなければならない焦りや切実さ、言葉にならない感情がたくさん詰まっています。 なんとこのシーン、動画枚数は約720枚なのだとか。紙の時代に、制作陣が同じ動きを繰り返すことなく描き切ったそうです。 映画を観ていたときには気づかなかった作り手たちの情熱が伝わってきます。ここから、あの名シーンが立ち上がっていったのかと思うと、胸が熱くなりました。
映画の空気をつくる、美しい背景美術

『時をかける少女』エリア 背景美術展示の様子 ©細田守の原点/展
細田守作品の魅力として欠かせないのが、背景美術。輪郭線とべた塗りのセルで表現されるキャラクターに対して、背景美術は絵の具を用いて絵画的に描かれているそうです。『時をかける少女』の背景美術を担当したのは山本二三さん。会場には、美術ボードとともに作品を彩った背景の数々が展示されています。 思わずため息がこぼれるほど美しく、そしてなぜか初めて見る気がしない懐かしさがある細田守作品の背景美術。細部の細やかな描き込みまでじっくりと、時間を忘れて鑑賞してしまいました。

ほかにも『サマーウォーズ』エリアなど、美しい背景美術の展示が多数あります ©細田守の原点/展
時代によって変わるものと変わらないものを感じて

©細田守の原点/展
『時をかける少女』を制作する際に「時代によって変わるもの」と「どの時代でも変わらないもの」を意識していたと語る細田守監督。その視点は『サマーウォーズ』以降にも受け継がれています。 公開当時は少し未来の話にも感じられたAIやネット社会の描写も、十数年が経った今見ると驚くほど現実味を帯びています。映画は制作当時の時代を映すだけでなく、時代が巡ることで新たな意味を持つ面白さがありますね。

©細田守の原点/展
『サマーウォーズ』の仮想世界「OZ」を体感

(左)『サマーウォーズ』エリアの入口(右上・右下)作中に登場するシーンや小道具が上映・展示される ©細田守の原点/展
会場を進むと現れるのが、『サマーウォーズ』エリア。入口をくぐった瞬間、まるで自分自身がアバターとなって仮想世界「OZ」に入り込んだような気分に。天井高約5mの大空間を活かした演出のなか、作品の世界へ入り込んだような気分を味わえますよ。

『サマーウォーズ』エリア 撮影:山本倫子 ©細田守の原点/展

©細田守の原点/展
ほかにも、細田作品の魅力を体感できる「アクション映像集」などを展示。『バケモノの子』『竜とそばかすの姫』『果てしなきスカーレット』へとCGを取り入れながら進化を続けてきた細田作品の大きな魅力の1つに迫ります。映画のシーンを思い出すような臨場感あふれる体験ができますよ。

©細田守の原点/展

『おおかみこどもの雨と雪』エリア ©細田守の原点/展
『おおかみこどもの雨と雪』のエリアでは、雨と雪が雪山を駆け巡る印象的なシーンや、富山の豊かな自然風景など、前2作品以上に充実した制作資料を展示。花と雨と雪の等身大フィギュアも登場します。

絵コンテをたどった先には、感動的な名シーンのセリフが ©細田守の原点/展
細田守監督の出身地でもある富山の豊かな自然を描いた、絵画のように美しい背景美術が見どころのエリアです。

©細田守の原点/展

撮影:山本倫子
さらに、学生時代に制作した映像作品や油絵作品、東映アニメーション時代の資料なども展示。映画監督・細田守の原点にも迫ります。
細田監督からのコメント
「自分で映画を一本作りたい」という思いから『時をかける少女』を企画し、その制作が実現したことは、私にとって 映画監督としての大きな出発点となりました。 もがきながら必死に作り上げた『時をかける少女』は、当初 6 館での小規模な公開でした。それにもかかわらず、驚くほど多くの方々が熱を持ってこの作品を見つけ、支えてくださったことは、私にとって計り知れない励ましとなりました。 公開から 20 年という節目にあわせて開催される今回の展覧会を通して、これまで作品を愛し、支えてくださった皆さまへ、あらためて感謝の気持ちをお伝えできればと思います。
作品の世界を味わう「OZ Cafe」へ

(左)「キング・カズマのベリーカフェ」1590円(右上)「なかった事にした あの日の夕焼けパスタ」1890円(右下)カフェでのお会計3000円ごとに、ステッカー(全3種)を1枚いただくことができる
併設の「OZ Cafe」では、『サマーウォーズ』の仮想世界「OZ」をイメージしたメニューをはじめ、『時をかける少女』の真琴と千昭のワンシーンを切り取った「なかった事にした あの日の夕焼けパスタ」や、『おおかみこどもの雨と雪』の雪山を駆ける雨と雪のワンシーンを切り取った「雨と雪の雪山パスタ」など、代表作の印象的なシーンやキャラクターをモチーフにしたメニューをいただくことができます。作品の余韻に浸りながら、ここだけのカフェタイムを楽しめますよ。

心地よい自然光がさしこむ「OZ Cafe」店内の様子
あの名場面も。展示会限定グッズが100点以上

会場には、本展限定のオリジナルグッズが100点以上登場。細田作品を象徴する青空をモチーフにしたアイテムや、作品の名シーンをデザインしたグッズなど、ファンにはたまらないラインアップがそろいます。

ショップの様子
チケットは現在、先着の当日券を発売中。(一般・大学生:2500円、高校生:1500円、小・中学生:1000円。※未就学児は入館無料) 本展示会は、2026年10月28日(水)~2027年1月4日(月) @大阪会場、2027年1月22日(金)~3月28日(日) @福岡会場に続き、富山会場への巡回も決定しています。こちらは2027年7月3日(土)~9月5日(日)の期間、富山県美術館で開催。詳細は公式サイトにてご確認いただけます。 さらに、この夏『時をかける少女』全国リバイバル上映も決定しています。待望の<4K版>による初の全国上映。本展で制作の裏側にふれたあとに映画館を訪れれば、きっとこれまでとは違った景色が見えてくるはずです。
「細田守原点/展」公式サイトはこちら

本展の最後には、等身大の千昭が語りかけてくれます
細田守原点/展
ほそだまもるのげんてん
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