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2015.03.11
関東風桜もちの老舗「長命寺桜もち」で、春を感じる和菓子をいただきましょう
※こちらの記事は2015年3月11日に公開されたものです。 「長命寺桜もち」は、1717(享保2)年に創業者の山本新六氏が、桜の葉を塩漬けにし、向島のかつての名跡・長命寺で桜もちを売り始めたことを起源とする老舗です。由緒ある関東風の桜もちを味わってみませんか?
江戸時代から続く桜の名所にあるお店です
東京メトロ半蔵門線押上駅から徒歩15分。老舗「長命寺桜もち」は隅田川沿いに静かにたたずんでいます。お店の目の前の墨堤通りは、江戸時代に八代将軍徳川吉宗が当時の隅田村の人々とともに花見を楽しもうと、村人に桜の植林を命じたと伝わる場所。それ以降、植林された桜は住民によって大切に育てられ、今も桜の開花時期には多くの人が花見に訪れます。 そんな桜の名所で販売されているのが、約300年もの間、変わらぬ製法で職人がひとつひとつ作り上げている桜もちです。「長命寺桜もち」で販売しているのはこの桜もちだけ。桜の開花時期には、これを目当てに多くの人が訪れるため、目当ての日に購入するには数日前から予約が必要になるほどです。特に、春は予約が殺到し売れ切れの場合も多いため、訪れる前に電話で確認するのがおすすめです。
「桜もち」(1個200円)。添加物が一切入っていないので、当日中にどうぞ
爽やかな桜の香りを楽しんで
お持ち帰りだけではなく、店内では桜もちと温かい煎茶がセットになった「召し上がり」(300円 ※桜の開花時期はお休み)をいただくこともできます。 桜もちと言うと、もち米を蒸して粗く引いた道明寺粉を使い、食紅でピンク色に染まった関西風を思い浮かべる人も多いかと思いますが、関東風は真っ白。生地は小麦粉と水でシンプルに作った薄皮で、北海道産の小豆を使ったこし餡を優しく包んでいます。また、桜もちの香りを決める桜の葉には、桜もち用として有名な西伊豆の松崎町で採れる、オオシマザクラの大きな葉を3枚、贅沢に使っています。 爽やかな桜の葉の香りはふんわりと鼻をくすぐり、春を感じさせてくれます。食べてみると、もっちりとしたなめらかな食感の薄皮が、こし餡の上品な甘さを引き立て、関西風の桜もちとはまったく違う味わいを楽しめますよ。 それにしても、この味が約300年も前からあったとは驚きです。日本で永く愛され続けている、春の味覚をぜひご堪能あれ。
長命寺桜もち
ちょうめいじさくらもち
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上浦未来
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