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2015.07.18
シンプルさを追求して生地の味で勝負するパン屋さん「ラ・フルール」
東京・府中市「La Fleur(ラ・フルール)」は、自家製の天然酵母と北海道産小麦を使用したパンが評判のお店。もっちり食感の生地は噛みしめるごとに小麦のやさしい風味が広がり、何もつけずにそのままでもぺろりと食べられると多くの人を虜にしています。
路地の奥にある知る人ぞ知る店

京王線府中駅から国指定天然記念物「馬場大門のケヤキ並木」の通りを歩き、1900年の歴史を持つ「大國魂神社」方面へ。神社前の交差点を左折し、1階に美容院が入っているオレンジ色の建物を見つけたら、その脇にのびる路地の奥に「ラ・フルール」があります。

駅から徒歩約5分。お店の扉を開けると、芳ばしい香りとともにガラスのショーケースが目に飛び込んできます。白い壁と木の床のすっきりとした空間で、シンプルな店内です。 こちらの販売方法は対面式。ショーケースにあるパンから欲しい物を一つひとつ注文してお店の方に取ってもらうため、セルフ式のパン店とは違った雰囲気で、ちょっと特別な気分になります。
生地の味を引き立てるシンプルパン

ショーケースには、「まるパン」(140円)、「バターロール」(160円)、「あんパン」(170円)、「ライ麦レーズン」(190円)など、約25種類のパンが整然と並んでいます。どれも丸みをおびた形でこんがりときつね色。愛らしい姿で、あれもこれも欲しくなってしまいます。 ふと惣菜パンや菓子パンが少ないことに気づきます。店主の森さんに伺うと、「お客さんにはパンの生地を味わってもらいたいんです」とのこと。こちらでは北海道産小麦を使って生地を作り、自家製の天然酵母でじっくりと時間をかけて発酵させてから焼いています。それによって、小麦がもっている独自の香りや甘みが引き出され、ほかの食材を加えなくても味わい深いパンができあがるそうです。 「あんやレーズンといった食材が入るパンも、生地のおいしさを損なわないように工夫して作っています」と森さん。生地そのものの味を大切にしたいという熱い思いが伝わってきます。
毎日食べても飽きない、やさしい味

森さんは、2011年に「ラ・フルール」をオープンさせるまで会社員でした。あるときピザを作ろうと購入したイーストが余ったことがきっかけで、パン作りを始めました。やがて天然酵母の存在を知り試してみたところ、初めて食べる深い味わいのパンに焼きあがり驚いたのだそうです。「天然酵母も自分で作り始めて、試行錯誤するうちに現在の生地にたどりつきました。自然の流れでお店を開くことになったんですよね」と笑います。 目指しているのは、食べ始めたら止まらない、それでいて毎日食べても飽きない味。「あっさりしているけど後を引く味ですね」と森さん。生地の味をもっとも楽しめるパンはどれかと伺うと、答えは「カンパーニュ」(490円)と「シナモン」(590円、半斤300円)。どちらも芳ばしい香りが鼻をくすぐり、噛むともっちりと弾力があって、小麦のやさしい風味が広がります。「シナモン」は小麦とシナモンのバランスが絶妙で、ふんわりと甘い後味が残りました。 「カンパーニュ」の販売は土曜限定。土曜が休みのときは金曜のみです。また、日によってはパンが売り切れてしまうことがあるので、早めの時間にでかけた方が確実だそうですよ。

La Fleur
ラ・フルール
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